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NICUからGCUへ

産まれて、NICUへと入院して、
丸2ヶ月ほど経った、ある日の夕方。

むすこが、NICUからGCUへと移った。
カラカラと音を立てて、
コットに揺られて隣の病棟へのお引っ越し。

それ自体は2分もかからない距離だけど、
泣いたり、ぐずったりする事は無くて
彼はすやすやと寝息をたてていた。

次の日の夜、面会に行った。

GCUは、昼間は賑やかで明るくて、
退院を待つ、たくさんの赤ちゃんや
病状が重くて、在宅では少しお世話が難しいような幼児が
ゆったりと過ごしている。

夜になり、時間になると消灯され、薄暗くなる。

そこにすやすやと寝ている息子は、
自分のおかれている状況をわかっているのか、
いないのか。

「◯◯ちゃん」

コットの隣に座って声をかけていると、
そのうち起き出して、ご機嫌になった。

爆発していたオムツを替えて、おっぱいタイムへ。

この日から、むすこは
口から入れていたマーゲンが鼻からになって、
ステップアップ。

おかげで母乳が飲みやすくなったのか

(チューブがあるせいか、どうしても
口と乳房に隙間が出来てしまい、
うまく飲めなかった)

今までよりも、とても上手に
わたしから母乳を飲んでいた。

喉をゆっくり鳴らす様子とか、
目を細めてほにゃっとしている表情とか、
なんか、うまく言えないけど

心の底からめちゃくちゃに感動した。

初めて飲ませてあげた訳じゃないのにね。


量は15gほどだったが、
母子ともに大汗かいて1gも増えなかった
昨日までとは大躍進。

1日に4,50gずつ体重を増やしながら
ゆっくり体力をつけて、赤ちゃんらしい
ふっくらとした体型になっていく。

彼は着実に、しっかりと、生きている。

それがとても嬉しくて、いとおしくて、
まだ連れて帰ってあげられないのが
とてもとても さみしい。

外は暑い。

退院までは、ようやく、1ヶ月を切っただろう。
夏真っ盛りのころ、退院するのだから
たくさん眠って、大きくなろうね。

1986年生まれ。上京して12年目、母親になる事になりました。好きなものはサボテンと音楽です。