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開発ストーリー#9 ブランドネーム_名は体をあらわす
壁を傷つけずに、好きな高さに美しい空中棚を取り付けられる「AIR SHELF(エアシェルフ)」。 このnoteでは、AIR SHELFができるまでのブランドストーリーを具体的に発信していきます。
みなさん、こんにちは。
AIR SHELFのブランドマネージャーを担当している大川と申します。
前回までは、AIR SHELFが世に出ていくにあたって、どのようにブランドのDNAを決めていったかについてご紹介させていただきました。
私自身、ブランドの価値は、ユーザーがプロダクトに感じる便益(=良いこと)によって成り立っていると考えています。一方で、世の中に対する課題提起もブランドの重要な役割であると感じています。
私たちの理想は、その課題提起に対してもユーザーが価値を感じてくださり、AIR SHELFのある暮らしを楽しんでいただくことだと思っています。
その課題定義を、「棚が心地よく整うことが、心地よい暮らしにつながるに違いない。」という形でMISSIONに盛り込みました。
ブランドDNAとブランド要素の関係
今回からは、ブランドDNAが固まったあとに、個々の「ブランド要素」をどのように作り上げたかについてご紹介させていただければと思います。
ちなみに、今回のnoteでは、「ブランド要素」を、色やカタチ、音や触覚など五感に働きかける要素と定義しています。どれだけブランドDNAを整理しても、実際にユーザーが触れるのは、ブランド名やロゴ、パッケージや製品自体など、実際の制作物です。これらのユーザーとの接点で実際に触れるブランド要素に、ブランドDNAが反映されていないと、私たちが考える価値もユーザーには伝わらないと思っています。
それだけ、ブランド要素の磨き込みは重要です。
ちなみに、今回のAIR SHELFのプロジェクトメンバーには入られていませんが、Takramでデジタルプロダクトデザインの専門家をされているkanaさんの「エモーショナルUIデザイン」について書かれた記事がとても参考になります。
これから数回に分けて、noteでブランド名やロゴ、パッケージなどのブランド要素をどのように作り上げていったかについてご紹介していきたいと思います。
良いブランド名の「判断基準」
まず初回は、ユーザーとの接点でもっとも大切な「ブランド名」について。
プロダクトの形が見えてきた段階で、「そろそろブランド名考えなきゃね」と、何気なくタートしたのですが、実際に決まるまでは試行錯誤の連続でした。
ネーミングを考える際に、先に選定の判断基準を設定しました。
短い名前か
読みやすく、発音しやすいか
覚えやすいか、記憶に残るか
ユニークか、個性が出ているか、検索性があるか
やりたいこと、提供する価値が伝わるか
製品のイメージとかけ離れていないか(丸みのある印象になったりしないか)
平安の他のブランドと並べて、コーポレートのブランドを棄損する可能性がないか
全て大事なのですが、特に3~5がコアな前提かと思います。
世の中に溢れる情報が多い中で、ブランドがユーザーと持つ接点は限りなく刹那的で断続的になっています。そんな中で、たとえばスマホの画面で初めてユーザーがAIR SHELFのクリエイティブに触れた時に、ほんの数秒(もしくはコンマ数秒)で、しっかり記憶に残るか、新規性を感じていただけるか、便益(=良さ)が誤解されず伝わるかが、ブランドにとって死活的に重要になると考えています。
なので、ブランド名は、覚えやすい一方でユニーク、そしてブランドの便益をちゃんと表しているかが非常に重要な要素になると考えました。そういった意味で「AIR SHELF」は、覚えやすさ、シンプルがゆえのユニークネス、そして空間をスッキリ軽やかにする空気感のいずれも満たせたブランド名になっていると自負しています。
ただ、このブランド名に到達するまで試行錯誤はたくさんありました。
おそらく300個くらいはネーミング案をチームで出し合ったのではないかと思います。
以下はその一例です。
![](https://assets.st-note.com/img/1712701391115-KpW77VVmb9.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1712701438182-qC25LTicSQ.jpg?width=800)
ブランド名を考えるプロセス
策定のプロセスとしては、以下の通りです。
ネーミング案をブレスト
プロジェクトメンバーで絞り込み
ユーザーペルソナに近い方にフィードバックをいただく
ネーミング案をブレスト(に戻る)
どこまでも検討することができてしまうのですが、最終的には、上記の判断基準を満たした上で、プロジェクトメンバーが「腹落ち」するかです。
「なんとなく良さそう」「いい感じ」と思っても、腹落ちしていなければブランド名は決まりません。何度もチームで「このブランド名でいいかも」と決まりかけましたが、次の定例で「やっぱり何か違う気がする。もう一度考えたい」ということを3回は繰り返しました。
時には、試作展示会で撮影した製品イメージにブランドを当てはめるなどして、製品とブランド名の整合性を確認したりしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1712701516307-TdqNGmfSc4.jpg?width=800)
それくらい、全員が腹落ちするまで、徹底的にブランド名に向き合いました。「これだ!」と思っても、すでに商標が別のブランドにあり採用できない案もあったりと紆余曲折しましたが、最終はAIR SHELFで「腹落ち感」を持つことができました。
AIR SHELF | エアシェルフ
ブランドのコアになっている「軽やかさ」や「空気感」をストレートに表現する形になりました。プロダクトを見ていただくとわかると思うのですが、この製品は置くだけで空間をスッキリさせたり、棚の浮遊感が独自の価値を提供しています。
まだ製品を使っていない方が、プロダクトのイメージとブランド名をみて、「自分の暮らしも、もっと軽やかに清々しくなるかな」と感じていただければ、このブランド名は大正解かなと思っています。
この記事を読んでくださっている皆さんはどう感じられましたか?ということで、今回は、ブランド名の作り方についてご紹介させていただきました。
次回はブランドロゴができた背景をご紹介させていければと思います。ここからは、アートディレクターの方とも協働していったので、その方との出会いについても触れさせていただきます。
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