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欠けてる

「子どもは知識が欠けてる。
教師も子どもへの理解が欠けてる。
子どもから学ぶことがあるんじゃないか。
子どもと教師、欠けてるもの同士が補い合い相互作用する。
僕も欠けてる。あなたも欠けてる。
その意識を持つこと」

重度・重複障害者教育の研究者、大沼直樹氏の講話の中で言われていた言葉である。

重度障害の子どもとの出会いは、僕もそうでしたが、自分の知ってた世界の概念をひっくり返されるほどの衝撃が伴う。
言葉によるコミュニケーションが通じない子どもや行動障害(異食や多動、自傷など)がある子どもなど、様々な子どもが学校にいる。指導しようとするも常識など越えて意味をなさないことばかり。個々の子どもたちの実態からわかることから始めていくしかない。

僕たちはいろいろと試して、どうにか彼らと心を通わすためのきっかけをつかもうとする。彼らもそんな働きかけに何かしら応える。そこにコミュニケーションといえるものが少しずつ生まれる。

そのときに自分の常識で子どもを見ていないか。自分の尺度で子どもを測ってないか。その意識を忘れないことが重要である。子どもを理解するとはそういうことだと思う。
彼らも欠けてる。僕も欠けてる。
僕も同じように生まれ、高齢になれば病気になったり障害をもち、死んでいくのである。

欠けてる(欠点がある)ことが障害であるならば、僕らも障害者である。…このようなことはいろんな教育者が言っている。

ちなみに知って驚いたのだが、重度・重複障害者への教育を保障しているのは世界で日本だけ。日本の特別支援教育が世界に誇れることである。教育者や研究者だけでなく、もっとこうしたことが一般に広まってほしい。
そうすれば、昨年の昨日、障害者施設での事件のようなことにはならなかったと思う。

#特別支援教育
#教育
#specialneedseducation

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