見出し画像

オソイホドハヤイ

今回は好きな本の中でも、一回だけじゃなく何度か読んだことのある本を紹介します。
タイトルはモモです。
モモとはその小説の主人公の名前です。
どうして何度か読むに値すると思ったのか。
この話は、私にとってストーリーを通じて時間の使い方や人との関わり方に多くの気づきをくれるからです。

良書は何度も読むべし

おそらく映画とかドラマとか好きなものを二回以上見たことがある人は多いと思う。
同じストーリーで内容も一緒なんだから二回目は楽しめないんじゃないか。
要はネタバレ状態で見ても面白くないんじゃないか。
おそらく二回以上見たことある人はこう思うんじゃないかな。
二回目も面白い。
なんなら二回目以降の方が面白い。

同じように本にも名言が散りばめられていて、その時読んだ自分の心持ちに合わせた言葉が刺さるようになっている。

私にとってモモは考えさせられた。
その当時、人材派遣業をやろうとして会社を作ったものの
その後の組織作りに苦戦していた時期だった。
結論から言うと経済的には大きく負荷がかかった。
とはいえ、その経験は自分にとってはかけがえのないものではあるが、、、
そんな時に少しでも次のチャレンジのヒントになるようなものを探していた。(常に探してはいるが笑)
ビジネス書での抽象的な概念はお腹いっぱいになっていたので普段読まない本で惹かれるものを読んだ。
それがモモ。
実家の本棚にあったことは知っていて要は30年前からタイトルは知っていた。
父親が買った本であることは間違いなく、当時はタイトルからはなんの魅力も感じていなかった。
中田敦彦のYoutubeでモモが紹介されていて面白そうだと思い読み始めた。

カシオぺイアと言う亀

話は変わるが、ジョジョの5部の後半に亀が出てくる。
その亀の印象とモモに出てくる亀、カシオぺイアが被った。
モモのストーリーは一旦読んでもらうかYoutubeの要約に譲る。
好きなことはで
オソイホドハヤイ
がある。
遅いほど早い
である。
遅けりゃ遅いし
早けりゃ早いだろと。
亀のカシオぺイアの背中の甲羅にその文字だけ表示されるという描写。
その文に関しての説明は一切ない。
でもその言葉が刺さった。

キレイは汚い、汚いはキレイ

シェイクスピアのマクベスの冒頭。
魔女がキレイは汚い、汚いはキレイと言いながら何かを作るシーンを思い出した。
まあ、一旦置いておいて話を戻す。
オソイホドハヤイの逆は早いほど遅いだな。
と。
自分自身ずっと何かを追いかけて、
急げば早く到着できると信じて進んできて
急ぐと事をことをし損じると学んだ。
ゆっくりと進む方が早いんじゃないかと思いに至った矢先のこの言葉。
ゆっくりとは行動をのんびりすることではないと思っている。
ゆっくりとは人間を含めた自然物の成長のスピードのことだと思っている。
ゆっくりが普通。
普通が最適。
例えば、タネを植えた土壌があるとする。
そのタネが芽を出し、大きく育つために何が必要か。
適度な日光と栄養たっぷりの土、あと定期的な水。
タネ自身がソレらを吸収して成長する。
その成長して大きくなる過程でタネの殻が制限となる。
内側から発する力でタネから飛び出て、やがて地上から芽を出す。
これを人間に置き換えるとどうだろうか。
日光とは例えば人間関係
土は情報
定期的な水はご飯
としたらどうだろう。
日光があれば元気になる。
土が栄養たっぷりなら強くなる。
水が常にあると健康になる。
足りなければどうなるかは推してしるべしである。
では成長を促そうとしてその要素を過剰にしたらどうなるか。
日光も強く当てすぎたら焼かれてしまう。
土の栄養が強すぎたら、水が多すぎたら根腐れする。
これは人間も一緒。
多すぎる人間関係は孤独に自分を成長させる時間を奪うし、
多すぎる情報は思想を固めさせすぎて偏屈になっていく。
食べすぎたら太る。
全て程よくすることで本来の成長が見込める。
要は普通を受け入れることなんだろうと思う。

自分自身、会社を成長させたいと思い、経営を知ればいいと思った。
経営学の父のドラッカーをひたすら読んだ。
実践後回しで。
成長をさせたいと思い、仲間とチームを作ろうとした。
でも、チームワークではなく独走していた。
根底に早く成長させなければと言う考え方が張り付いていたから。

うまくいかなくて気づいた。
早く成長させたかった理由が。
今が全く満たされていなかったから。
結論、全部これ。
要は海で溺れているのと一緒。
早く楽になりたい。酸素が欲しいと言うのと一緒。
実は浅瀬で足をつければ溺れずに済んで、
溺れてないから焦る必要も全くなかったと。

モモに出てくる時間泥棒が人生の素敵な時間を金に換金していく。
金はあれども満たされず、さらにお金が欲しくなるという沼。
今は日々の自分の機嫌を保つことが大事だと考えている。
そう思う理由はこれまた別の著書7つの習慣の中で
人生の中心になる価値観3つ『経験』『創造』『姿勢』の中で、
ヴィクトールフランクルは『姿勢』が最も大事だと言っている。

その『姿勢』とは人や事柄に対する向き合い方。
機嫌とはこの瞬間の自分の心持ち。
今、この瞬間を常によくしておくことは案外難しい。
それも挑戦だ。
そして、人に働きかける前に自分の機嫌を良くすることにたっぷり時間を使うことは決して成長のスピードを阻害するものではない。
オソイホドハヤイは深すぎるので文章化の難しさを痛感した。
また改めてわかりやすく書ける機会があれば書こうかな。
以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?