【おとなの読書感想文:24】俺のとっておきを出すよ👍️
どうもコウノです。
前回に引き続き、漫画ビンゴ↓に挙げた作品を紹介します。
今回は画像多いです。
計25作品(よく見たらよつばと!が2つあるな)が並んでますが、その中で恐らく最も知られていないだろう作品。
だからこそ、「(知られてなさ過ぎて)コウノじゃないと紹介出来ない隠れた名作」。
なので逆に紹介出来る自分自身にとっては元書店員としてのステータスのような所もあります。
それがこちら↓
冬水社という、大型書店じゃないと取り扱いのない版元から出てます。昔は吉祥寺企画という同人サークルでした(吉祥寺倶楽部としての名義で出された作品も手にした事あるのですが、ウィキペディアさんにはそれが記載されてない不思議)。
若かりし頃、マンガ専門の中古書店に務めていた頃、買い取られたマンガとして出会ったのがキッカケ。
で、仲の良い先輩スタッフが読み始め(休憩中は未処理の本は読んでいいルールでした)。やがてつられて私も。めっちゃ続きが気になる巻までしか買い取られてなかったので、続きが読みたい!と皆で地団駄を踏んだのは懐かしい思い出です。
最近は電子書籍でも対応されてますので、思わず懐かしくて大人買い(紙媒体はお金がなかった時にごにょごにょ)。いい時代になったもんだ。
舞台はルネサンス期のイタリア、フィレンツェ。
メディチ家のアルフォンソに画家としての才能を見出された主人公のフィオレンティーナは、やがて実在するラファエロやミケランジェロ、レオナルドダヴィンチなどの巨匠とも交流を重ね、当時では考えなれなかった「女流画家」としてその名を馳せていく。
貧乏人の娘であるフィオレンティーナは、絵を描く事を両親から快く思われず、遂には望まない結婚をさせられる形になり、絵が描けないならばと川に身を投げたところをアルフォンソに助けられます。
で、ローマ法王の養女になって、宗教画家として更に有名になり、彼女の絵が人々の心を打ち、戦争をも止める奇跡を起こす。
受胎告知って横向きの絵が一般的やのに、縦長のキャンバスに描けと言われて描いた、何ともドラマチックでダイナミックな一コマ。
しかしこれ、お披露目された数分後に賊によって火を放たれ灰となる幻の作品に。
でもフィオレンティーナはめげずに次の作品に取りかかります。
さて物語の後半では、ローマ法王からの依頼で「アテネの学堂」を完成させるラファエロと、時同じくして天地創造を作るミケランジェロ。そしてマリアの生涯を作るフィオレンティーナ。三者三様のフレスコ画が描かれていきます。
フィオレンティーナは作中に自身が出会った人々、自分自身、そして愛を育み夫となったアルフォンソなどをモチーフに、彼女独自のマリアの生涯を建物の内壁に描いていきます。
中でもアルフォンソの兄であり、のちにレオ10世となるジョヴァンニと、ミケランジェロをモチーフに描いたピエタは、2人の秘めた恋心までをも汲み取る物になっている。
基本的にはフィオレンティーナとアルフォンソの恋模様が中心ですが、この「ちょっぴりBL」テイストな2人の関係性が、好きと言えば大団円となった主人公達と違って、立場的に、過去の柵的にも決して結ばれる事はない。
そんな2人の気持ちを汲み取って、フィオレンティーナはピエタを描いたんです。
ジョヴァンニは女装もお得意の天使のような超美人↓
でも法王として賊に狙われないように、肖像画はわざと醜い別人のオッサンに描いて貰う癖のある人。
だからこそ、フィオレンティーナのマリアの生涯という作品群に、言わば義兄という大事なポジションであるジョヴァンニですが、彼がモチーフになっているのはこのピエタだけ。つまり分かる人にしか分からない。
また、先程の受胎告知の天使は「フィオレンティーナの頼みならば」と二つ返事でモデルになったジョヴァンニでしたが、結局灰になってしまったので、誰もその美しい顔を絵としては拝む事はなく、レオ10世はオッサンというイメージを崩さぬまま物語は終わります。この辺りも粋な展開です。
というわけで、今ならシーモアさんで無料で5巻まで読めるそうですよ↓
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