巨大ITに包囲網 米下院、規制強化へ報告書
長く独占に寛容だった米国の競争政策が転換期を迎えている。IT4社(GAFA)に対する包囲網が狭まってきた。
2019年6月から独占行為について4社を調査してきた米議会下院の司法委員会は6日に報告書をまとめ、事業の分離や反トラスト法(独占禁止法)の強化を提案した。
提訴を検討している米政府への追い風になる一方、法改正までは曲折がありそうだ。
ひとことメモ📒
委員会は個人情報保護の観点からも規制の強化を訴えました。
報告書では「米国の85%がIT大手による個人情報の収集を懸念している」との調査結果が報告されています。個人的にはこの85%という数値は少ない気もしますが…、もっとみんな懸念していないのかな?情報抜き取りは当たり前だと受け入れ、懸念まではしていないのかな?なんてことを考えつつ。
私は法学部で、今年度の春学期に「独占禁止法」の講義を履修していました。そこで得た、この記事に関連する「独占禁止法の国による規制内容の違い(アメリカと日本)」の知識をここで少し共有したいと思います。
前提:
①独占禁止法の規制内容は国・地域によって異なる
②日本の独占禁止法が禁止する「不当な取引制限」の規制要件は以下4つ
1:事業者が
2:他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、もしくは引き上げ、または数量、技術、製品、設備もしくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、または遂行することにより
3:公共の利益に反して
4:一定の取引分野における競争を実質的に制限すること
アメリカ:
・一定の類型のカルテルについて、競争の実質的制限が生じているとの認定なしに違法と判断される。
・カルテルが摘発されることがあればその罰金額等は他国に比べて非常に高額になる可能性あり。
日本:
・一定の類型のカルテルについて、競争の実質的制限が生じているとの認定が違法判断には必要。
<So what>
→日本よりもアメリカの方が厳しい:規制適用されやすく、その罪も重くなりやすい。
→国によりかなり違いがあるため、独占禁止法のニュースを見る際は「国ごとに独占禁止法の扱いや重みが異なる」ことを念頭に、「その国での規制と執行状況」を調べることをおススメします😊✨
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