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日記7/16

最近はよく、酒を飲んでから寝ている。といっても、アルコール耐性のない体を担っているわたしは、三口ほどのワインで満足してしまう。
少しの食事と酒を嗜んでから寝る準備をする。今夜もそうする。蕎麦を食べる。世界でいちばん好きな食べもの。そういえば今日は小さな食事も含めると、五食はたべている。フランスでの腹持ちはこんな感じなのだろうかと西の方に想いを馳せる。
すべての執着を手放した。意識的にそうしようとしたのではなく、執着の方からわたしの元を去っていったのだが、まあつまりは何ものにも囚われなくなった。何かに関して一喜一憂しなくなった。痛覚も少し鈍くなったような気がする。嫌なことはたしかに嫌なのだが、期待しなくなったぶん息をするのが楽になった。こちらに向けられる好意も悪意もすべて、わたしから切り離されたひとつの現象として認識することができた。ああみんななんか知らないけど生きているな(それってすごいことだよ)、と思う。
まだ快活だった頃のわたしが誘ったり誘われたりして立ったご飯の予定が今月に集中している。プライベートで初めてお会いする人や、久しぶりに再会する友人が多いので、たぶんそういう月間なんだと思う。楽しみなものもあるし、そうでないものもある。いくつになっても出不精は直らないらしい。
エリック・ロメールが好きで、昨日は『緑の光線』をみた。感化されて緑のフレアスカートを買った。バカンスに行きたくなる。夏の終わりに旅に出ることを計画していて、でも計画という計画を立てると嫌になってしまう性分なので、漠然といまここではない別のどこかを空想している。何も考えないし、考えることも強要されない。与えられたもので好きにやろうと思う。
そのときのことはまた、べつのわたしに託してみることにする。
それでは、おやすみなさい。

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