Rocky Linuxを導入してみる
初めまして。エアリー社員のSと申します。
代表的なRedHat系LinuxOS CentOS Linux 8が2021年の末に終了となってから早半年が経ちました。
LinuxOSを扱う事をメイン業務としている筆者がいずれ触ってみたかったCentOS代替OSのひとつ、Rocky Linuxをようやく社内の端末に導入してみたので、備忘録として記事にしようと思います。
1.Rocky Linuxについて
Rocky Linuxは、RedHat系のクローンOSです。
2021年12月31日にサポートを終了したCentOSの代替OSとして、注目を集めているクローンOSのひとつです。
CentOSの後釜となるべく、名だたるスポンサーや活発なOSSコミュニティなどを取り巻く注目度の高さが特徴です。
2.Rocky Linuxの導入
Rocky LinuxのISOファイルは、公式サイトから入手できます。
記事公開時点で公開されているのは、バージョン8.6(2029年5月31日までのサポートを明言)となります。
用途に応じたISOをダウンロードします。
インターネットへの接続が可能で、CUIベースのサーバ運用であれば、「Minimal」をダウンロードする事がおすすめです。
代表的な手順を簡単に記載します。
Windows10端末で準備を行う場合
2.1.ISOのダウンロード
2.2.インストールに利用する空のメディアを用意(DVDディスク、USBメモリなど)
・今回の手順ではDVDにISOを書き込みます
2.3.ダウンロードしたISOを右クリックし、「ディスク イメージの書込み」
2.4.ISOの書込みが完了したら、DVDドライブなどを利用してインストールしたマシンでブートを行う
・Secure BootがBIOS上で有効となっている場合、上手くブートできない事があります。BIOSセッティングでdisableにしてください。今後Secure Boot対応予定との事
・ブートモードはレガシ(BIOS)ではなくUEFIでOKです。
2.5.無事ISOからブートしたら、ブートスプラッシュから「Install Rocky Linux 8」を選択
2.6.GUIで表示される設定項目を確認し、インストールを実行
・rootのパスワードをよく考えてから設定しましょう
・CUIでの運用であれば、「ソフトウェアの選択」はサーバを選択します
2.7.インストール完了後、再起動を促されるので指示に従い再起動を行えば、Rocky Linuxのインストールは完了
文字ベース、かつ簡単にではありますが、上記の手順でインストールが可能です。
VM上のゲストマシンにインストールする場合では、「2.3」「2.4」の手順が異なります。
ISOファイルを直接ゲストマシンにマウントさせればOKです。
3.インストール後の接続
主な接続方法は、実機にキーボードとディスプレイを接続し直接触るか、ssh接続のどちらかになると思います。
実機の場合は、root又は作成したユーザでログインするだけです。
sshの場合は、まず実行環境のIPアドレスを確認します。
# ip a
「lo」ではないインターフェースにCIDRが表示されますので、確認します。
サーバインストールであれば、IPアドレスと22番ポートを指定する事ですぐにTeraTermなどのターミナルから接続できます。
すぐに接続できる理由は、以下のサービスにあります。(デフォルトの状態)
sshd
# systemctl status sshd
● sshd.service - OpenSSH server daemon
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/sshd.service; enabled; vendor preset: enabled)
…
…
・OpenSSH Server daemon 起動済み
firewall
# firewall-cmd --list-all
public (active)
target: default
icmp-block-inversion: no
interfaces: enp5s0
sources:
services: cockpit dhcpv6-client ssh
ports:
protocols:
forward: no
masquerade: no
forward-ports:
source-ports:
icmp-blocks:
rich rules:
・ファイアウォールにsshを設定済み
4.セキュリティには気を付けて、好きにいじってみましょう
CentOSの代替OSとなる、Rocky Linuxの導入と接続は以上になります。
文字だけのUIを見ると、「コンピュータ」をいじってる感がありすこしテンションが上がりますよね。
導入するパッケージや設定次第ではメールサーバや、DNSサーバ、アプリケーションサーバなどの役割を果たすことができ、要求ハードスペックは低いながらとてもフレキシブルです。
しかしやみくもにパッケージを導入することで、思わぬセキュリティホールが生まれる事もありますので、留意する必要があります。
今回は簡単な導入部分のお話だけでしたが、いずれ機会があれば他のお話もしたいと思います。
自分もまだ奮闘中ですが、頑張って使いこなせるようになりたいと思います。
ではまた。