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「美術」で振り返る2022年:その4(10月-12月編)

こんばんは。

昨年から書き続けている「美術で振り返る2022年」ですが、【その4(10月-12月)】の更新をすっかり温めてしまっていました。

温めていると言うと随分聞こえが良いですが、正しくは、“見て見ぬふりをしていた”とお伝えした方が適切なのでしょう。

完結させるか否かは自分次第なので、ここまで来るともはや意地なのでは・・・?と感じる部分もありますが、最後までよろしくお願いします。


↓これの続きになります。


【10月】

「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」
場所:吉野町、天川村、曽爾村(奈良)
会期:2022年9月17日-2022年11月13日

人との接触の回避を余儀なくされたコロナ禍初年度の2020年に始まった本イベント。

「こころの中の美術館」と題されており、一般的な芸術祭とは異なり、“人との接触が少ない(あくまでも良い意味で)こと”が特徴の芸術祭です。

舞台は、奈良県南部・東部に位置する「奥大和」と呼ばれる地域。

関西随一の桜の名所「吉野町」、抜群の透明度を誇る川が流れる夏の避暑地「天川村」、ススキで有名な曽爾高原のある「曽爾村」

その奥大和の自然の中を約5時間かけて練り歩き、展示された作品を通して奥大和の自然の恵みを直に体感できるイベントとなっています。

2020年に開催された時から足を運んで今回で3度目となるのですが、変わらない自然、変わらない街並み、変わらない人(@天川村/まるで亀仙人なおじちゃんが営む商店があって、毎年鯖寿司を買うと焼き芋のおまけを持たせてくれます)、変わらない味があって。

ほっこり癒されに来ています。

「食」も魅力の一つで、わたしのお気に入りがこちら。

こんにゃくいなり寿司

「日本の宝物グランプリ2022-2023」という大会で、奈良県グランプリを受賞された「こんにゃくいなり寿司」です。

プレーンのものと、ほうれん草が練り込まれた2種のこんにゃくを甘辛く煮て、中に酢飯が詰められたものになります。

柚子と紅生姜の色合いも素敵ですよね。

“曽爾の大自然の中で味わう”というのが、何よりのご馳走だなと思います。

▼こちらのお店で購入できます!

透明度・・・!
@天川村
大事な目印です
@天川村
お手洗いにあったお手製花瓶?
@天川村
刺繍の作品
@曽爾村
曽爾村の廃材を使用した前田エマさんの作品
@曽爾村
小休憩の甘味
@曽爾村
大自然の中を歩きます
@吉野町
こんな険しい道もあります
@吉野町
素敵な手書き文字
@吉野町
大事な目印(その2)
@吉野町
魅力が詰め込まれた看板
@吉野町

「有隣荘特別公開 マティス -光と色と-」
場所:有隣荘/大原美術館(岡山)
会期:2022年10月7日-2022年10月23日

本展を目的に、大阪から日帰りで岡山へ向かいました。

倉敷市の美観地区内にあり、日本初の私立西洋美術館としても名高い「大原美術館」のお向かいにある建物「有隣荘」が会場となった本展。

倉敷の近代建築を代表する有隣荘。大原美術館の創設者となる大原孫三郎(1880-1943)が1928(昭和3)年に建設した私邸であり、東西両洋の建築様式と意匠、そして、みごとな屋根瓦や庭を特徴とする名建築です。
<大原美術館公式HP>参照

昨秋、3年ぶりとなる一般公開(コロナが蔓延する前は、春・秋と年に2度公開されていたそう)を迎え、その特別展として本展が開催されました。

「色彩の魔術師」と呼ばれたアンリ・マティスでしたが、ある意味で「色」と密接に関わる「光」の存在も、マティス作品を鑑賞する上での重要なポイントだと言えるのではないでしょうか。

一方で、美術館の展示室は自然光から切り離された空間である場合が多く、自然の光の中でマティス作品を鑑賞できる機会というのは、実はそう多くはないように思います。

「有隣荘」という、美術館とは異なる空間(自然光が届く中)においてマティス作品を鑑賞する——

それがいかに貴重なことか、静かに噛みしめながらの鑑賞となりました。

わたしが本展を訪れた際は生憎の雨模様だったのですが、晴れていればまた違った見え方だったんだろうな、とも。

アンリ・マティス
〈マティス譲の肖像〉

個人的に人物画(自画像や肖像画)が好きなので、このポストカードを購入して帰りました。


「フラジャイル-ひそやかな風景-」
場所:高松市美術館(香川)
会期:2022年10月1日-2022年11月6日

「瀬戸内国際芸術祭芸術祭2022(秋会期)」の合間を縫って足を運んだ本展。

初めての訪問となる「高松市美術館」に、朝一番(美術館のオープンと同時に)で駆け込んできました。

美術館のオープン前より並んだ経験は今回がおそらく初めてだったのですが、何とも言えない高揚感がありました。

“旅先で”というのも影響していたのかも。

朝一美術館、オススメです。


【12月】

「すべて未知の世界へ―GUTAI分化と統合」
場所:大阪中之島美術館(大阪)
会期:2022年10月22日-2023年1月9日

隣接する国立国際美術館との連動企画で展開されている本展。

本展にて展示されている田中敦子さんの作品〈電気服〉ですが、30分毎に30秒間だけ点灯する仕掛けが施されているとのことで、点灯数分前に学芸員の方よりお声を掛けていただきました。

足を運んだのがちょうどクリスマスの時期だったのですが、点灯されチカチカと明かりを放つその作品がまるでクリスマスツリーのようで、とても美しく幻想的でした。

田中敦子さんの〈電気服〉ですが、少し前に足を運んだ「高松市美術館」所蔵の作品とのことで、何かご縁を感じた瞬間でした。


「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」
場所:京都国立近代美術館(京都)
会期:2022年10月14日-2023年1月22日

2022年最後に足を運んだ本展。

普段は一人で足を運ぶことの多い美術館ですが、今年の美術鑑賞の締めくくりは大学時代からの友人とともに。

今年一年のお疲れ様会として京都でゆっくりしようとの話になり、本展鑑賞からの老舗湯豆腐屋さんで食事という素晴らしいコースを年の瀬に堪能してきました。

学生の頃に美術部に所属していた彼女は絵が上手で、時折、手書きのイラスト付きのお手紙をくれます。今年も、サンタさんとトナカイが描かれたクリスマスカードをいただきました。

絵が上手な人って憧れます。
わたしは絵がすこぶる苦手なので、なおさら。

美術鑑賞を終え湯豆腐にホクホクしていた際に、「○○って美術展の説明書き読むの速いよね」と、高校で現代文を教えている現役教師でもある彼女からのお墨付きをもらいました。

やや得意げな気持ちになったのも束の間、「ちゃんと理解して読んでる?」と愛ある疑いのおまけが付いてきて、湯豆腐を吹き出してしまいそうでした。

今年も彼女といくつか美術館に行く約束をしているので楽しみです。


長丁場でしたが、これにて「美術で振り返る2022年」完結です。(美術展の紹介から逸脱した内容のものも多かったですが・・・)

本当はご紹介したい展示がもっとたくさんあったのですが、一つ一つを振り返るのは難しく、そっと静かに断念いたしました。

自己満足な部分もありましたが、最後まで見届けてくださった皆様、ありがとうございました。

今年もたくさん美術に触れていきたいです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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