なぜお経を読むの…?お坊さんに質問できる「いまぶつ」のすすめ
「いまさら聞けない仏教の話」略して「いまぶつ」とは、毎月1回開催されている、仏教の質問にお坊さんが何でも答えるオンラインイベントです。
このnoteは、「いまぶつ」で質問に答えている2名のお坊さんのフリートークを記事化したものです。
登場するお坊さん
フリースタイルなお坊さん:辛島正英
高野山真言宗 福王寺:福井隆雅
→当記事と同様の内容を、エア寺ラジオでもお聞きいただけます
https://airderajapan.studio.site/radio#imabutsu
後編:お坊さんも悩める現代人、救いは唯識?
答えのない仏教、それを受け入れる力
辛島:
仏教は幅が広いため、一般の方は「どこから勉強を始めたらよいのか」迷うと思います。膨大な経典と宗派が存在しているので、とっつきにくいですよね。
仏教は一神教と違って、これといった答えを出していません。宗派によってさまざまな考え方がありますが、お互いがお互いを肯定もしているし、否定もしています。原理主義的になりにくいという仏教ならではの特徴です。
仏教では、場所やその人の置かれた環境によって答えが変わるのです。それを受け入れる力も必要ですし、初めて仏教に接する方にとってはとっつきにくい理由にもなっているのではないでしょうか。
「いまぶつ」というイベントは、お坊さんの話に触れて仏教に興味を持つきっかけになればと思い始めました。きっかけが生まれた先に、ご自身で調べたり本を読むなどの機会が増え、また聴きにきていただく…という流れができるとよいと考えています。
福井:
現代日本の仏教では、檀家さんとのかかわりや供養に関するイメージが全面に押し出されていますが、それ以外にも日常生活にプラスになるヒントが多く含まれています。
私のところにも、「お墓じまいをどうしたらいいのか」という悩みから哲学的な問いまで、幅広い質問がやってきます。
私がうまく答えられているかは分かりません。しかし私は学者ではありませんから、答えられなくてもいいかな…と。
読経の意味、言葉の曖昧さと可能性
福井:
よく「お経を読むって、何なのでしょうね?」という質問をいただきます。
そのときは、大きく分けて3つのレイヤーでお話しします。
まず、お経には釈尊の聖なる言葉で私たちの生きる指針が書かれていますから、その実現のためにお唱えします。
2つ目は、真言的要素…つまりマントラとしての読経です。たとえば「ありがとう」という言葉はその響き自体が力を持っており、私たちにその響きが直接伝わってきます。言霊といえばイメージしやすいかもしれません。同様にお経にも響きの力があり、仏の名や経文をお唱えすることで、目に見えない世界が表現できます。
3つめは、瞑想的な要素です。
雨だれのような、とんとんとんとん…という読経のリズムも、「なんまんだぶ、なんまんだぶ」の繰り返しも、瞑想の入り口。経文の読み上げを通して、瞑想状態に入ることができるのです。
読経の意味はひとつではありません。しかし、まずは心をこめて、仏やご先祖さま、ご家族、自身に向き合う手段としての読経からはじめてみてはいかがでしょうか。
辛島:
お経は「教え」ですから、読経は実行の入り口にもなります。大切なのは、「何が書かれているのかな」という興味を持つことですね。お経は面白いですよ。日常や人生に使えるヒントがたくさん書かれています。
それから、日本語ではなく漢文で書かれていることにも意味があると思っています。読み手の方で、理解の幅を取れるからです。
明確すぎる言葉は絶対化・限定化されがちですよね。たとえばオムライスという言葉。どなたが聞いても頭の中にオムライスが浮かぶと思いますが、そのオムライスのイメージは百人百通りでしょう。オムライスひとつに、全員が異なった「正義」を持っているのです。
解釈する人によって意味が限定化されないというのは、漢文の大きなメリットではないでしょうか。その曖昧さや可能性に触れ、日常に活かせるのも、お経の興味深さかと思います。
「いまぶつ」でお待ちしています
福井:
初めて参加される方は、まずは様子をうかがっていらっしゃると思います。参加してみて「思ったのと違うな」と感じられたら、出て行かれる方もいますが、そこは自由でよいと考えています。
ただ、ご参加のきっかけとして何らかの疑問は持っていらっしゃるはずですから、せっかくならお聞きしたいな、という気持ちはありますね。
辛島:
少しでも気になったら、まずは参加してみてください。どんなことでも構いませんので、「いまさら聞けない」と思わずに発言していただけると嬉しいです。
後編:お坊さんも悩める現代人、救いは唯識?
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皆さんの毎日に、小さな気付きが訪れますように。
ぜひ、ご一緒に。
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