1分間書評『正しい恨みの晴らし方』
今回、紹介するのは『サイコパス』などで知られる脳科学者、中野信子氏と心理学者である澤田匡人氏の
『正しい恨みの晴らし方』(ポプラ社/中野信子・/2015年)。
以下では、特に面白いと思った箇所を取り上げたい。
--------------
⚫''しょぼい''他者にこそ嫉妬する
インスタをはじめ、SNSで他人のリア充を見せつけられ、「自分だけが地味な生活をしているのではないか」と不安になったり、「なんであいつだけ」と妬ましく感じたことは無いだろうか?
その原因は、リア充を見せつけてくるその人が自分と格が近いからである。
つまり、「自分でもなれるのに」と思ってしまうのだ。
例えば会社で、年上の人が昇進しても妬ましくは思わないが、自分と近い年齢、ましてや同期が昇進すれば妬ましく思うだろう。
その逆で、イチローの活躍が賞賛されていても僕らは嫉妬しない。
それは、イチローを自分よりはるか格上だと認識しているからである。
しかし、僕は思うのだが、そもそも同期が評価されようが、イチローが評価されようが評価されているということ自体は変わらない。
「自分でもなれるのに」と思うならば、その気持ちを燃料にして努力すればいい。
ポジティブ7割・ネガティブ3割が成功の確率を高めるという研究があるが、
時に、ネガティブ思考の力を借りればいいのではないか。
「つい、ネガティブになってしまう」という人はこの本を読んでネガティブ思考をエネルギーにする術を探って欲しい。