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熱く冷たい、氷の上の運動会

こちら関東はようやく夏の暑さが戻ってきました。今日はちょっと涼しい思い出話をひとつ。

北海道の学校、特に私の地元でもある釧路の小中学校には、グラウンドに自前のスケートリンクがあり、小学校ではスピードスケート、中学校ではアイスホッケーとフィギュアスケート用のリンクがありました。

釧路は道内では比較的雪が少ない地域なので、冬の体育の授業は主にスケートリンクで行われます。秋の終わり頃、広いグラウンドに板で囲みを作り、冬の氷点下の中で水を撒けば、天然のスケートリンクが完成です。ちょっとの傷や溝が競技の結果を左右するような、専用のスケート場ほど精密に製氷される訳ではありませんが、授業で使う分には申し分ない出来栄えです。

一番楽しかったのは、小学生の時の「氷上運動会」でした。中でも大会の華は、ソリを使ったクラス対抗のリレーです。3人1組になり、1人がソリに乗り、2人が引っ張ってリンクを1周します。そして同じソリを引き継いで次の3人1組がスタート。

力自慢の大柄の子が引っ張り、小柄な子がソリに乗るのがベストですが、必ずしもそういう組み合わせばかりが出来るわけではないので、緻密な戦略が重要です。
大柄な子がみんな体育会系とも限りませんし、身体は小さくても力があり脚が速い子たちが引っ張る側を任されるケースもあります。
小柄で「もやしっ子」な私は常に乗る側でしたが、負荷としては最軽量のため、そこまで力自慢ではないタイプの2人に引っ張ってもらうことが多かったです。

基本的に出番は1人1回、しかし最後にリンクを2周するアンカーだけは、今まで出たメンバーの中からクラスの代表を担う3人1組を新たに選出して、勝負の命運を賭けます。

クラスの中で最も小柄な私が乗り込み、運動神経ツートップの2人が引っ張る最強の布陣です。そして最終走者、スタート。

速い速い速い!ソリの端を掴んでバランスを取りながら、振り落とされないように必死で堪えます。さらにスケートトラックのカーブに入ると、スピードと馬力で強い遠心力が働き、ただでさえ軽い身体が、ソリごと宙に浮くのです。まるで氷上のウェイクボード。アンカー勝負だけ別の競技の様相です。

そして嬉しいことに、毎年のように私たちのクラスが優勝でした。通常の徒競走ではいつも最下位争いの私が、運動系のイベントで唯一クラスに貢献出来て、みんなから感謝される瞬間です。ソリを引っ張ってくれた2人から必ず言われます。「こーたを乗せてると、引っ張っている感覚が無い。」

だって、飛んてるからね!


さて、水曜土曜はすまスパの日!

本日はさわきゆりさんをお迎えしてのゲスト回【後編】、ピリカグランプリを終えた企画運営側の裏話や、ゆりさんが現在noteにて連載中の『パラダイス』のお話をたっぷりとお届け!

そしてピリカさんもこのたび連載小説をスタート。「すまいるスパイス」メンバーが登場する
不思議な『すまいる屋』の物語です!

ではでは、ごゆっくりお楽しみ下さい☺️

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