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スタートアップにおけるプロジェクトマネジメントで大事なこと

こんにちは!エアークローゼットのプロダクト開発責任者の市塚(Twitter)です。この記事はエアークローゼットアドベントカレンダーの4日目の記事です!

はじめに

去年アドベントカレンダーの記事を書いたのが、ほんの数ヶ月前くらいの感覚なんですが、もう1年経つとは時間の流れは早いですね←
去年は僕らのプロダクト開発組織について話をさせてもらいました。ご興味がある方はこちらをご覧ください!
僕らの組織は基本的にプロジェクト単位で動くことが多いので、今年は僕らがどんなプロジェクトマネジメントをしているのか、基本的に大事にしていることをお話しさせていただこうかなと思います。

本題に入る前に簡単な自己紹介。2012年に新卒でコンサルティングファームに入って、5年ほど事業戦略策定から基幹システム刷新に至るまで様々なクライアントワークに従事したのち、自分で事業をつくる経験を得たいと思い2017年からエアークローゼットにジョインしました。現在はサプライチェーン改革や、プロダクト開発のマネジメントを統括させてもらっています。

そもそもなんでプロジェクトマネジメントが必要なのか?

いろんな会社で「プロジェクト」と呼ばれる取り組みが日々行われていると思いますが、プロジェクトマネジメントをちゃんと理解して実行できている組織は少ない気がします。

プロジェクトの最初に考えることは「目的」

このプロジェクトマネジメントって仕事だけじゃなくて、プライベートでもすごく大事な考え方だと個人的には思ってます。
例えば、半年後に結婚式をあげることになったとします。
さて、あなたなら最初に何をしますか?と問われた時に、ちゃんと正しく動ける人ってどれくらいいるんでしょう?
いろんな意見があると思いますが、僕は最初に決めなきゃいけないことは「目的」だと思ってます。

最初にHOWから考える人も多いと思いますが、HOWから入ると割とその後が地獄だと思っていて、結局何か判断を迷った時にAかBかを決める判断基準がなくなります。
例えば、引き出物をどうするか、って話になったときに、結婚式の目的が「招待者に感謝を伝えるため」であればそこの予算はしっかり取った上で喜ぶものを考えるでしょうし、目的が「2人の思い出を残すため」であれば実はここにはそこまで予算をかけなくても良いかもしれません(笑)

目的を決めた後に「誰が」「いつ」「何をする」を決める

ただ、目的だけ決めても結婚式は挙げられません。
誰が、いつ、何をするかも決めないと、「どっちかがやるだろうと思って結局誰もやってない」「直前になって急にドタバタ」ってことになりがちです。
なので、最初にタスクを洗い出して誰がいつ何をするかを決めておくと、期日通りに進行できるし、誰が何をするか明確になるし、時間に追われずに進められるようになります。
ここら辺を上手くやるスキルがいわゆる「プロジェクトマネジメント」だと思ってます。

プロジェクトって何?

ここで、「プロジェクト」って言葉を普段よく使ってると思いますが、「プロジェクト」って何なんでしょうか?

プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務である。

PMBOK抜粋

PMBOKというプロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた世界標準となる本には上記のように書かれています。
つまり、同じプロジェクトはないので、絶対に不確実性が伴い、必ず始まりと終わりがあるので何をしたら完了なのか決まっているってことです。

プロジェクトマネジメントって何?

それでは「プロジェクトマネジメント」って何なんでしょうか?
これまで何となく使ってきましたが、ちゃんとした言葉の定義があります。

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの要求事項(=目的)を満足させるために、知識、スキル、ツールおよび技法をプロジェクト活動へ適用することである。

PMBOK抜粋

要は、目的を設定してプロジェクトを円滑に進めるために状況を可視化することであると言えます。
なので、プロジェクトマネージャーの仕事は、目的を設定して関係各所(プロジェクトオーナー、各部門長、他PJのプロマネ、プロジェクトメンバー等)を繋いで、プロジェクトの制約条件のバランスを取ることです。
ここでいう制約条件は主に以下の6つだと定義してます。

  • スコープ

  • 予算

  • スケジュール

  • 品質

  • リソース

  • リスク

ここまでの話をまとめると、プロジェクトは不確実性があるものなので、進めていくと色々な問題が絶対に起こります。
そうすると制約条件のバランス(例えばリソースとスケジュール)を取る必要が出てきますが、そのバランスを取るのが難しいので、体系立ててプロジェクトを進める必要があります。

プロジェクトマネジメントの業務

僕らがプロジェクトを実行するときには大きく5つのフェーズに分かれます。
「スコープ」「体系化」「実行」「検証」「移行」の5つです。

スコープフェーズ

そもそも何を目的にしたプロジェクトなのかを考えるフェーズです。
お客様に対してどんな価値を提供したいのか、今課題になっていることは何か、あるべき姿はどんな状態なのかを考えに考え抜く工程です。
このフェーズなしに、何となくこれやろうっていうのはNG。
ここで考えたことが後々の指針になります。

体系化フェーズ

プロジェクトの計画を立てるフェーズです。
プロジェクトは有期性のある業務のことなので、必ず始まりと終わりがあります。何から初めて、どうなったらゴールなのか、そこに至るための道筋を最初に考えます。
このタイミングでいわゆるWBSを作成しています。

実行フェーズ

チームアップしてタスクを実行するフェーズです。
どのプロジェクトでもキックオフを大事にしています。キックオフの目的はプロジェクトメンバーとゴールを共有すること。ただ単にタスクにアサインするわけではなく、目的・ゴールの認識を合わせて全員が納得した上でプロジェクトが始まります。

検証フェーズ

計画通り進行しているのか、不足の事態はないかを確認するフェーズです。
進捗確認ミーティングだったり、課題棚卸を定期的(多くは週次)で実施しています。
特に開発プロジェクトは予想外のトラブルによく見舞われます。そのため、最初に立てた計画はあくまでもロードマップに過ぎず、実際はプロジェクトを進める中で計画変更を頻繁に繰り返しながら、不確実性に対応する体制を取っています。
プロジェクトって不確実性が高いものだから、最初に計画をバチバチに固めるのは不可能なんだっていう考え方をエンジニア、デザイナーだけでなく、ビジネス側のメンバー全員が理解しているのが大事だと思ってます。

移行フェーズ

プロジェクトがリリースされ、運用する部門に主体を移行するフェーズです。
もちろんリリースしたら終わりではありません。リリース後にちゃんと機能が動いているのか、バグはないか、想定外の挙動をしてないかを確認した上で、その後一定の効果検証期間を経て、初めてプロジェクトがクローズになります。
リリース後の運用のことまで考え切るのが理想です。

大事にしていること

ここまで僕らがどんなプロジェクトマネジメントのやり方をしているのかご紹介してきましたが、最終的に一番大事だと思っているのは「スコープ」と「体系化」の部分です。
最初に如何に目的・課題を考え切るのか、それを達成するための道筋を描けるのかでプロジェクトの成功要否は大きく変わってきます。
「目的は何か?」「それは本当にお客様のためになるか?」という問いを頻繁に社内で耳にしますが、それはそこにこだわりがあるからだと思っています。

さいごに

今回はざっくりと僕らがどんなことを考えながらプロジェクトを進めているのか、大事にしている考え方をご紹介させていただきましたが、もっと詳しく聞きたいという方がいらっしゃいましたら是非Twitterでもご連絡ください!
ここまでお読みいただきありがとうございました!

最後に、エアークローゼットではこんな組織で働いてみたいというエンジニア・デザイナーの方を絶賛募集しています!興味がある方はぜひこちらの採用特設サイト"エアクロクエスト"も見てみてください。

明日12/5はエンジニアの工藤が担当します。合わせてお読みいただけると幸いです。
それではまた!