映画ってよくないですか?
もし、学校が辛い方とか、もう、新しい生活どうしようって思っている方がいたら、ぜひ映画界に来ていただきたいなと思います。
その日はたまたま早く帰れて、9時すぎにテレビをつけたら日本アカデミー賞受賞式がやっていた。
金曜だったし、ビールをあけて眺めていたら、最優秀主演女優賞を獲った蒼井優ちゃんが冒頭の言葉を話していた。
冷奴にかけすぎた醤油のせいなのか、ツーっと流れてきた涙のせいなのか、ビールがしょっぱく感じた。
映画っていいですよね。
私も映画が好きです。
それぞれの映画のお話や出演者、演出、音楽はもちろん、
どの映画を観よう?と思いを巡らすときも、
映画館のバター香る埃っぽい空間も、
CMが終わりタイトルロゴが流れ、無音の中息を飲むときの緊張感も、
「ああ、終わってしまう」というエンドロールの直前も、
映画作りに関わってる人たちの話を聞くことも。
すべてが好きです。
好きな理由はきっとたくさんのあると思う。
学生時代も社会人になってからも映画という共通言語で生まれた友達はたくさんいるし、映画「アメリ」を観て好きになったフランスが仕事の一部にもなっている。
だけど、蒼井優ちゃんの言葉を聞いて、
「ああ、私も新生活どうしよう」と思った経験があり、そのときに映画に救われたからだと思った。
以前、なんの楽しみもやりがいも未来も見出せない仕事をしていたことがあった。
そこから引き上げてくれたのが映画だった。
仕事の合間にとにかく映画を観た。
お金もなかったから、前売りチケットを買ったり、DVDを借りて家で観たりしながら、休日は1日中映画を観ていた。
映画を観ている間は退屈さは消えたし、ワクワクドキドキすることができた。
映画が観たい。映画に近づきたい。映画が好きだ。
そう思った時点では、もちろん何も持っていなかったけれど、もしかしたら文章なら描けるかもしれない。と思い、文章を書く仕事を目指した。
今ではうれしいことに、直接、映画を作っている人たちに話を聞く機会をもらえるようになった。
幸せなことに、映画を観る機会も増えた。
ますます映画が好きになる日々です。
おかげで、毎日楽しい日々です。
映画ってよくないですか?
しょうもない自分語りをしてしまったけれど、要するに映画が好きです。好きでよかったです。という話です。
*写真はその頃の部屋に作ったシアター。