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アルケミストと旅の記憶


高1長女に、夏休みのオススメ本を聞かれた。21才のとき、大悟とバックパック旅しながら安宿でもらって読んだ「アルケミスト」を思い出した。

古本屋で久しぶりにゲットして数行読んでみたら、すごい。旅先の色や匂いが、心にブワッとよみがえる。



ベドウィンの人がやってたキャンプ場の目の前は、眩しいほど鮮やかな水色の紅海だった。朝晩、飽きもせずよく潜り、海上がりに甘い甘いミントティーを飲みながらアルケミストを読んだ。

イタリアからトルコへ、地中海を渡るフェリーの甲板に寝袋を広げて、夕暮れの色に包まれながらもアルケミストを読んだ。暗くなったら月明かりと通路の光を頼りに、バックギャモンしたな。(深夜特急を読んでかっこつけてただけで、今はもうルールを思い出せない😂)

途中に寄ったクレタ島では、空の青さと、ギリシャ正教の正装の黒に心を奪われた。暑くて思わず買っちゃった大玉スイカを2人で必死に平らげながら、アルケミストを読んだ。安宿だけど風吹き抜ける素敵な中庭で食べたフェタチーズの香りや、テーブルクロスの風合いまで思い出せる。


宝物を探して旅にでた少年サンティアゴは、旅の途中で出会った人たちや出来事から多くを学ぶ。自分の旅を続けることの大切さを教えてくれる本で、読み終えたときは「おばあちゃんになる頃、私もこんな物語小説を書きたいな」という気持ちがふわりと湧いた。

いつの間にか娘も英語でアルケミストを読む年になり、私もおばあちゃん間近か。

そろそろ構想をはじめないとね😁

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