傷ついた記憶を握りしめて生きる誠実さ

ウイちゃんには深く傷ついた過去がある。
それは家族に関すること。

幼いウイちゃんは、大人のはなし声(それはウイちゃんの知らない親の声だった)を聞きながら、不安で、眠れなくて、電気を消した部屋でパジャマ姿でひざを抱えて、必死で祈った。

でも願いは届かなかった。

その傷を、
その時の大きないたみを、忘れないように抱えて生きることが、誠実さだとウイちゃんは思っている。
いや、思っていることにも気づかないほど、ウイちゃんにとって自然な考え方。

傷ついた時にフォーカスを当てて生きることができるなら、その前の十分に愛された記憶や、その後に出会った人から親切にされた記憶にフォーカスを当てて生きたっていいこと、それをウイちゃん自身が選び取れることには、まだ気がついていない。


つづく

・・・・・

ウイ(UI)ちゃんはYOUでありI。私の知っている誰でもあり、特定の誰かではありません。

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