『映画 ドラえもん のび太と空の理想郷』を見て
ドラえもんを10年ぶりくらいに見てきました。
キャッチコピーの「僕らのらしさが世界を救う」に惹かれ見ようと思いました。多様性や個性に焦点が当てられている昨今のテーマとしてぴったりだなと思い、そういった視点でドラえもんを見たいと感じ足を運びました。
舞台は誰もがパーフェクトになれる場所、パラダピア。
のび太もパラダピアに行けばパーフェクト小学生になれる!のび太からすればまさに理想郷。そんなパラダピアに一行は滞在しそこでソーニャに出会う。しかしそんなパラダピアには秘密があって…
というお話でした。
以下、ネタバレをしないように気を付けつつ今回の映画から感じられたメッセージや自分の感想を書き連ねていきます。
ドラえもんが教えてくれたこと
今回のテーマは「自分らしさを大切にする」ことだと思いました。
公開はマスクも解禁され始めたくらいのコロナウイルスが世間的なイメージではほぼほぼ緩和されてきた時期でした。(まだ警戒は必要ではありますが……)
ところで、コロナ禍では家にいる時間が長く、良い意味でも悪い意味でも自分と向き合う時間が増えてしまった気がします。私自身も多く悩み、向き合う時間がありました。「自分らしさ」や「自分の理想とのギャップ」を考えてしまう機会があった期間を越えて出会ったこの作品はとても刺さりました。
自分の欠点も自分らしさだと思って愛すこと。相手の欠点も相手の良さだと受け入れること。個性があるがゆえにぶつかってしまうことや分かり合えないこともあるけれど、それをきっかけにひとつずつ相手を知って受け入れていくこと。こころを持つことの大切さ。同調圧力に流されないで自分の考えをしっかりと持つこと。完璧でなくてもありのままの自分が一番。一人一人が個性のかたまりでどれも尊重されるべき素晴らしいものだということ。
誰か一人でも勇気を持って声を上げることができれば世界は変わる。
そういったことを沢山教えてくれました。
ソーニャが良い
今回のキーパーソンでもあり、映画オリジナルキャラクターのこのキャラクター。ソーニャが本当に良いキャラでした。
ロボットだけれど人間らしい一面もあってすごく親近感を覚えるキャラクターでした。パーフェクトロボットのソーニャの過去も踏まえて映画を見ると尚良かったです。
誰もが感じる自分へのコンプレックス、自分の悪い所。でもそんなコンプレックスさえも愛していけたら。きっと世界は少しずつ優しくなるんじゃないかな。希望を持てる作品でした。
子どもたちがメッセージを受け取る時
春休みだということもあって小さなお友だちが多めでした。「おもしろかった!」という声があって微笑ましい限りでした。
子ども向けアニメの良さの一つは小さい時には気づけなかったメッセージに大人になって気づけることだと私は思っているので、いつか今日一緒に劇場で見ていた子達が大きくなってまたこの映画を見た時に違った視点や感性で各々が色んなことを感じられると良いなと思いました。見た子の数だけ色んな感じ方があると思いますが、大きくなって「自分らしさ」に悩んだ時にこの作品を見てメッセージを受け取ったり、悩みの解決の糸口になったら素敵だなと思います。
ドラえもんの映画に連れていってくれた祖父を思い出して
こちらは、私の中でのドラえもんのイメージというかイコールで繋がっている人です。それは祖父。小さい頃、帰省するといつも映画館に連れていってくれてドラえもんをよく一緒に見ました。その中のやり取りで忘れられない一言があります。
「ドラえもんはただ面白いアニメというだけじゃなくて学べることは沢山あるんだよ」という言葉です。
その言葉を思い出したこともあり、映画の内容プラス祖父との思い出で泣きました。
ドラえもんの映画を今回見たことで亡き祖父との思い出もよみがえり、それだけ長い間やっているドラえもんってすごいなと思うと同時に、続けてくれているからこそこうやってドラえもんを介してもう会えない人とも会える、そんな介在的役割も果たしていて流石国民的アニメだなとも思いました。
均一化や効率化が重視されがちな現代社会だからこそ一度立ち止まって考えたい内容がたっぷりな映画でした。また見たいと思うほど面白く、そして感動しました。隣の席の小さなお友だちに心配そうな顔で見られるほどボロボロに泣きました。
映画製作に関わった全ての方々に頭が上がりません。素敵な作品をありがとうございました。
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