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積み重ねる

自分が興味のあることについて、自分の反応が分かりやすいなあと思う。興味関心のあることに対しては結構いくらでも時間をかけられるし、心がウキウキする。重めのことを考えていても、それで気分が沈んだとしても、考えることが楽しいし、調べたり本を読んだりしている。情報収集が好きなんだと思う。

情報収集の何が好きなんだろう。自分の知識が増えることかな。理解できる範囲や深度が深まることかな。それが自分の生活や思考にも応用できることかな。少しでも前に進んでいる感覚を得られることかな。そのどれもが当てはまると思う。


この世の中にはある分野において詳しい人がほんとうにたくさんいて、私の考えでは到底及ばないようなところまで知っていて、自分のものにしていて、本を読めば読むほどに、話を聞けば聞くほどに、私は何にも知らないな、と思う。

それは落ち込むとか比較するとかそういうことではなくて、こんなにもすごい人が、しかもたくさんいるんだということに気がつくことと、もっと自分も知りたいなと思うということ。



本屋へ行くと、図書館へ行くと、すごくわくわくすると同時に、くらくらする、気分になる。こんなにもたくさんの本があって、私はそのうちのどれくらいを生涯のうちに読むことができるのだろうか、と。

読みたい知りたい気持ちとは裏腹に、読むスピードは遅めだし、一日中本を読んで過ごせるほどの集中力もない。自分の中のスイッチが入らないとなかなか本が読み進められない時もある。

老後になると老眼で小さな字が見えづらくなり、本を読む気力も薄れていくという話を見かけたりする。

そうなると、いま本を読む時間が貴重だなと思うし、その選ぶ一冊一冊も貴重なものになるんだな、と。


読んでも観ても聴いても忘れていってしまうこともある。けれども、その断片は自分の中に残っているのだと、ふとその言葉を思い出すときに感じる。

その集合体が今の自分で、取り入れた多くのものが混ざり合って、自分の現実とも混ざり合って、自分の思考となって出てくるような感覚がある。咀嚼して、落とし込んで、分かった時に自分の意見や考えになる。自分の思考のようだけれど、それは自分だけの思考じゃない。


忘れてしまうのは時に寂しいけれど、それでも今の自分が変わっていっているのを感じるから、情報を取り入れることは無駄じゃないし、ずっと積み重ねていきたいことだなと思う。

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