冬のひまわり🌻(第2話)

日帰り温泉「和(なごみ)」の開店があと1分に迫っていた。

3・2・1・。

「開店です!」の声が掛かる。

「いらっしゃいませ〜」

ドドドドド。。。という地響きと共に、お客様が扉から勢いよく入ってくる様は圧巻だ。
その日の従業員が一列に並び、1人1人頭を下げて出迎えるが、常連客が殆どだ。平日の今日は、特に常連客ばかりになる。ま、強いて言うならばお得意様という事だ。

最近の「和(なごみ)」の客層は外国の方が6割程だろうか?大体片言が話せるので助かっているが、それでも早口になると母国語で話されるので、四苦八苦する。

そう言う時は心の中では、(分からねーよ)と思うのだが、早口の時には大体怒っていることが殆どなので、「ソーリー」と、謝っておけば間違いない。    

「福さん。サウナマット替えたんスか?」
大学生バイトの佐藤がバックヤードに戻ってくるなり言った。佐藤は今日はフロント対応だ。

「ああ。今替えたよ」と、福田は答える。

冬のサウナマットの交換は、少しだけ嬉しい。
何故ならば、あったかいから。
それでも、替えてるうちに汗が滴り落ちてくるのだが。

福田は、風呂番が主だった。けど、午後からフロントの方に入ったりもする。

しかし、今でいうイケメン大学生の佐藤とは違って、見劣りするタイプの福田は風呂番の方が好きだった。

つづく。

〜〜〜〜〜

はい。冬のひまわり🌻の第2話でした。実際の話はもう11話くらいまで進んでいますが、徐々にアップしていこうと思ってます。ま、できれば週1を目指して。

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