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あの瞬間を今も鮮明に思い出せるのに、彼だけがいない

味気ない僕の人生現れてすべてを変えた君

今立ち上がるよ、ひととは違う

僕はハイヒール、パパ見えるかい

愛はFire、炎がHigher、火花の飛び散るWire

お祝いよ、立とうとしてもがくあなた
この手をどうぞ


落ちてても 
Let me raise you up

しぼんでも
Let me raise you up

錆びてても 
引き上げて あげる

Raise you up! Raise you up! Raise you up

〜〜〜〜♪(raise you up)

音楽と共にあのときの衝撃が今でも鮮明に頭に浮かぶ。

赤い衣装に赤いブーツを履いて、笑顔で踊る彼が。

舞台なんて興味なかった私が、どっぷりハマったあの夏、そしてあの春を。

その一年後には、彼がいない。
まだその現実を受け入れられていない自分がいる。

今秋、チャーリー、ローレン、ニコラ、ドン、ジョージ、同じメンバーの名前が揃う中、ローラのところに彼の名前はない。

その現実にまた、心が苦しくなる。

作品というものは、受け継がれ、よりよく変わっていくものかもしれない。
ただ、ほとんどキャストが変わらない中、彼だけがいない作品を、まだ受け入れられていない。

キャストの皆様が、新しいキンキーブーツを一生懸命つくっているだろう。
彼の代わりに抜擢されたローラは、きっとプレッシャーの中で一生懸命、新生ローラになるのだろう。


前回までとこれからは違った作品なのだ。

そう思うべきことは理解していても、心が追いつかない人間がここにいる。

同じ想いを抱えて、この秋を迎えるファンも他にいるだろう。

新しい作品となったとしても、彼が作ってきたキンキーブーツを忘れたくないし、一生忘れない。

新たなキンキーブーツからこの作品を知る方々にも、彼が築いてきた過去2回を知ってほしい。



まだ現実を受け入れることには時間がかかりそうだが、これが日本のキンキーブーツの始まりだと言うことを、ずっと心に刻んで過ごしたい。

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