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「地元は好き、でも戻れない」と思っていたあのときの私へ

2021年3月、長野県発の素晴らしい移住総合WEBメディアが誕生した。
その名は「SuuHaa」。


<「SuuHaaー長野の空気を深く吸い込もうー」コンセプト> 
慌ただしい今の世の中だからこそ、自然や暮らす人たちが織りなす長野の澄んだ豊かな空気感を送り届けたい。地域に根をはって自分らしさを耕している人たちの姿が、これからの暮らしを考えるヒントになるかもしれません。長野の空気を深く吸い込んで、暮らし方・働き方・生き方のヒントを探してみませんか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000073807.html


なかでも私が心を一番揺さぶられたのはこの記事。


「地元は好き、でも戻れない」

それは、かつての私だ。

3年前に故郷の長野県へUターン移住した私がこの記事を読んでまず思ったのは、「私も同じこと悩んでたけど、案外戻ってみたら大丈夫だった」な、ということ。

でも、だからといって「戻っておいでよ」とは軽々しく言えない。キャリア、友人、パートナー、暮らし方、家族との関係、故郷の思い入れ…移住にあたってのハードルは個人差がありすぎる。しかも、自分だけではどうにでも出来ない運要素も強すぎる。

私も、Uターンしようか悩んでいたときはGoogle検索で[Uターン アラサー][Uターン 仕事][Uターン 後悔したこと]とググりまくっていた。
スキルをもっと付けて帰るべきなのか、本当にいまなのか、近所からどう思われるか…。悩みはつきない。

Uターンして地元生活を満喫しているいま、本当に個人差のある話だなぁと思いつつ、微力ながら誰かの役に立てればと、前述の記事で出た発言に対してどう乗り越えたかを記してみようと思う。


長野県でUターンの暮らし、私はこうやってハックした

仕事自体は探せばあると思うんですけど、やりたい仕事があるかどうかはわからない

やりたい仕事はない、行きたい会社もない。ならば独立。
時間の使い方に裁量がある働き方がよかったのと、スキルが活かせて社風が合う会社をみつけるのが難しそうなことを悟り、早々に転職活動を諦めました。

結果的に私は東京時代に勤めていた会社と業務委託契約を結ぶことに。フルタイムではなく案件単位で相談いただきながら、会社員時代と同じ仕事をリモートで対応。ありがたいことに個人でいただく長野県内のお仕事も年々増え、試行錯誤しつつ暮らしています。


対面で細かいニュアンスをすり合わせたいと感じることも多くて。フルリモートに限界を感じている以上、長野に移住するならいまの仕事は続けられないだろうな。

基本の暮らしは長野で、たまに東京へ行く2拠点生活でカバー
実感されているとおり、リモートでの限界は往々にしてあると思います。日々、円滑なコミュニケーションを図る努力をしつつ、定期的に東京でオフラインな交流をすることを心がけています。

コロナ以前は東京に家も借りて(友だちとシェアハウス)、月2~3回出張する、いわゆる2拠点生活をしていました。ただこういう時勢になってからはほとんど東京には行っていません。私は奇跡的に東京の仕事相手がたまたま長野出身者が多く、向こうから長野に来てくれることもあり、半年に1度程度はオフラインで会えています。まだ今の状況では無理だけど、落ち着いたら2拠点生活をまた再開したいな、と思います。


行きたいイベントや飲み会の誘いが急にあったときにひょいっと行けない。長野にいたばかりにチャンスを逃したと感じると悲しいなと。

案外「行かなければ、充実させなければ、成長しなければ」という焦りがなくなっていい感じ
東京のほうが最先端な情報に触れることができるのは間違いない。けれど、いまのほうが目の前のことに集中できてるなとも思います。

とはいえ情報摂取も仕事のうちなので、こっちではRSSやSNS、雑誌の購読だったり、オンラインイベントに参加したりして、日々情報のインプットをするようにしています。

たぶんあと、フリーランス界隈でいえば、同じ仕事ができる人がまわりにいないので個人スキルの希少性が高まるということも。それと、掲載された新聞を見て…とか、友だちのお父さんから…とか、思ってもみないルートで仕事の依頼をいただくのがおもしろい。


地元の同級生コミュニティに戻りにくい。

▶移住仲間がそばにいる
私は通信制高校出身で中高の同級生コミュニティ0状態で帰ってきましたが、拠点にしているのが人口の多い松本ということもあり、ここ数年でUターンしてきた20~30代・移住してきた20~30代がけっこういました。

私の場合は、コワーキングスペースが大きなハブとなって、県内各地を旅したり、松本の店を開拓したりする仲間を得ました。わざわざ移住してきた人たちなので、この地を楽しもうという意気込みがあって、彼らと長野ライフを満喫しています。


🗻   🗻   🗻

…と、まあ書いてみたけど、これはあくまでも私のケース。

自分にとって暮らしやすい地。
それは東京かもしれないし、地元かもしれないし、そうではないどこかなのかもしれない。そのうち暮らしたい地も変わっていくかもしれない。

出来るだけ日々を機嫌よく暮らすための選択。
美しい山々を眺めながら出勤し、仕事場の窓からは緑が目に入り、週末は温泉に行き放題で、個性あふれる個人店もたくさんあって…という日々は東京では手に入らない。
いまの私にとって、こうした暮らしが心地よいからここにいる。


あらゆる運に助けられてだけど、Uターンしてみたら案外大丈夫だったよ。



ちなみに今年も長野県が2拠点生活を応援してくれる「おためしナガノ」が4月下旬から応募開始らしいですよ。
私をふくめ、私の知人の長野県出身者たちも採用されているので、もし長野での暮らしに興味があれば、こうした県の制度を使ってみるのもいいかもしれません。

ちなみに私は長野県に帰ろうとは思っていたけど、地元にはこだわっていなかったので、まずはこの「おためしナガノ」を使って便利な長野市に仮住まいしながら、県内のコワーキングスペースをさまざまに巡って、暮らしやすい場所を見つけるって使い方をさせてもらいました!

結果的に地元のコワーキングスペースが自分に合ってたので、地元にかえったかたちです。

東京と長野の行き来だけでなく、コワーキングスペース費や県内移動費も補助してもらえる、神がかり的な補助事業はこちら。

長野県「おためしナガノ」
https://www.pref.nagano.lg.jp/ritti-it/otameshi/index.html


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