Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その3。東地区の展望)。
東地区の展望、プロローグ
これから、「地区別の展望」へと話を進めさせて頂きます。
まずは「東地区」。東地区は「高いレベルでの激戦」の傾向がある感じですけど、は「最大で5球団にCS出場権のチャンスがある」という激戦地区になる、と自分は読んでいます。
明確な順位予想はしませんけど、上から「およその評価順」に綴らせて頂いてます、勿論自分の主観です。
では、各チームごとに綴らせて頂きます。
A東京(今季の東地区の中心軸か。質量共に充実の選手編成)
「今季、東地区の中心軸になるだろう」。現時点で、自分はそう解釈しています。
理由はまず、「勝者のメンタリティー」「まずは守備ありき」のカルチャー。「守備を重要視するチームは大崩れしない」、Bリーグの場合はこれが特に顕著です。
今季は、ルカ・パヴィチェヴィッチ政権が終焉して、アドマイティス政権(元リトアニア代表HC)が誕生になりました。
HCの交代で、むしろプラスの方が大きいのでは?と感じるのは、特に「A東京vs広島」のPSM(プレシーズンマッチ)の内容からです。結果は「75-83」で敗戦でしたけど、内容的にはむしろプラス感が大きかったこと。
それと、東地区の大きなライバルである「宇都宮」は「EASLとの両立」で序盤戦はスロースタートの可能性が小さくないこと、「千葉J」は新体制への変更と今オフのゴタゴタ感で「空中分解リスク」が否めないことがあります。そういっ相対的な意味で、A東京は「最もリスク要素が小さい」と。
よく、HCが新しくなる場合、「自分の色に染めたい」想いが強くなりすぎて、「前任者のスタイルの否定」から入ってしまうことがあります。ですけど、アドマイティスHCは、どうやらそうではなさそうだと。
「ルカ政権で培った『ファンダメンタル』『PnR(ピック&ロール)』を堅持しつつ、『よりコートを大きく使う』『3P試投数をより重視する』ことにプラス要素を感じる。加えて『相手や場面に応じて柔軟なスタイルの引き出し』を意向としているとのことで、これもプラス要素になり得る。」
「ファンダメンタル」「PnR」を徹底的に強調する、ルカ政権でのバスケ。正直自分は、「つまらなく勝つバスケ」と、心の距離感を置いて観ていました。
でもいつしか、その自分の解釈が「一面的な見方」であると感じるようになりました。確かに自分の好みのバスケではない、でも「ファンダメンタル」「PnR」、いわば「基礎・基本を大切にする」ことは、どのような世界でもとても大切なことを改めて学び感じさせてくれる、と。女子の桜花学園のバスケも、方向性としてはこれに相通ずる感じですし。
ですけどその一方で、ルカ政権でのバスケへの違和感は確かにあって。
それは「3Pよりもミドルレンジへの試投数の比重がとても多いと感じること」。
得点効率的に、ミドルレンジはあまりよろしくない、といわれてます。近年は特にこの傾向が顕著です。だけど成功率的には、3Pよりもミドルレンジの方がより高く出る、これも確かにそうであると。
で、これもとても考えさせられる感じで、ミドルレンジは確かに非効率かもしれない、でも視点を変えれば「ファンダメンタルの延長線上」ともいえるんですよね。
「美しくない」「『わくわく感』に乏しい」。自分の中での「ルカ政権でのバスケ」は、正直最後までそうであった。でも「『基礎・基本』があって、その上での『わくわく感』である。まずは基本をしっかり遂行すること」、それが「ルカ政権のバスケの本質」かなと、いまは感じてます。
「コブズ-田中大-安藤周-ロシター-サイズ」。
予想での「基本スタメン」は、それ自体がとても強力です。
「田中大、ロシター、サイズ」は勿論ですし、第3の外国人であるカークも、とても質の高いビッグマンです。
で、今季のA東京が「激戦の東地区の中でも、中心軸になる」と読む大きな理由が「コブズ」「安藤周」です。
コブズは、Bリーグの歴代の「外国人PG」の中でも、「ギャレット、ニュービルと同等以上のPGになり得る」のではと。「判断力」「バスケIQ」の高さが、とりわけ特筆であると現時点では感じてます。
安藤周に復調傾向を感じることも、大きなプラスです。昨季は「オールラウンダーへの飛躍」がプラスと感じる一方で、最大の魅力である「リングに向かう姿勢」がだんだん乏しくなっていった感があります。
でも今季は、特に広島とのPSMでは「リングに向かう姿勢」を取り戻している、いや昨季に「プレーの引き出しを増やした」こととの「化学反応」ができていると。守備力の向上をも含めて、「SFの理想型」に近付きつつあるのでは、と感じます。
田中大、小酒部と「SG/SF」の出場機会を分け合う小酒部は、スコアラー、ディフェンダーの両面で質が高い若手です。勿論、既に「CSレベル」にあるといえます。
これに加えて、昨季の終盤は「SF/PF」を高い質で兼務できる吉井の飛躍がありました。一気に「ポスト張本」に名乗りを上げる急成長ぶりは、一人のバスケファンとしてとても嬉しいと。名バイプレイヤーのバランスキーの存在も魅力的です。
とはいえ、課題感もあります。今季の選手編成で最大の不安要素は「第2PG」。田中大を「できるだけSG固定で起用したい」ことに照らすと、「笹倉、藤永」の飛躍がおのずと求められます。藤永は日本では貴重な「守備型PG」です。ですけど、より飛躍を求めたいのは笹倉です。
小酒部、吉井の成長で、感じることはきっとあるはずだと。というか昨季は半ば「飼い殺し」状態で、自分が笹倉の立場ならば、昨季3月の「トレード期限」で「期限付き移籍を要求」していたでしょう。
というか今オフでも、移籍を望めば恐らく移籍先はB1であったはず。まとまった出場機会(12~15分程度)を確保できれば、それなりのスタッツはできると想像するのです。
ですけど今オフは、わりとあっさりと残留を決断しました。それは本人の「強い意志」の現れでしょう。そうであれば、今季は「笹倉よ、想いを結実させる、勝負のシーズンだよ!」と伝えたい。
仮に、第2PGとして「12~15分程度」のまとまった出場機会をつかめれば、飛躍できる素質はあると信じてる、いま足らないのは「自信」、この1点だから。裏を返せば、笹倉の成長が叶えば、今季のA東京は「すさまじい陣容」になり得る、「CSでの本命」になり得る、正直そう映ってます。
質量共に、これは各ポジションで充実の顔触れ・選手層を要している、だから「今季の東地区の中心軸」と解釈していますけど、不安要素もあります。それが特に「田中大・ロシターの負傷リスク」です。
実際、昨季の失速はこの2人の負傷離脱が正直とても大きかった。特にロシターは「存在自体が戦術」といえますから(吉井をPF専念で選手編成を回すことはできるけど、質はどうしても落ちてしまうので)。
それと、「笹倉」「ロシター」以上に、実は自分が「リスク要素」と感じているのが、今オフの田中大です。今季が「複数年契約の最終年」といわれてるそうですけど、契約継続へのサインに時間を要していました。
「色々な思いがありますが」。正直、「とても意味深な言葉」です。
実際、これはあくまでも「噂ベース」にすぎないとはいえ、今オフは「島根」「長崎」が興味を示していたとの説があります。
(「島根」は優勝へのラストピースとして「正SG」を要補強ポイントにしていた、「長崎」は田中大の故郷である。)
「長崎」はいまはB2ですので、今オフの補強は考えづらい。ですけど「島根」は、ポジション・選手タイプの両方で「ドンピシャ」ですので(しかも安藤誓とは、A東京時代の盟友)、興味を示していたとの説はとても説得力を感じてます。
それに、昨季の「CS第1S、第3戦」。A東京は島根に「1勝2敗」で敗退となりました。そのとき田中大は、瞳が涙で潤んでいた。涙を必死で堪えているように映った。しかも会場は「島根の青」でほぼ完全に染まっていた。
あのとき、どのような気持ちであったのかは、想像でしかわかりません。ですけど、「会場の景色」「島根のスタイル」「安藤誓の完全復活」のいずれかに衝撃を覚えていた可能性は、恐らく高いと思ってます。
尤も一バスケファンとしては、田中大が今季終了後に「A東京から退団」というのは、正直想像できません。唯一、故郷の球団である長崎が「B1昇格を実現」ならばワンチャンあり得るかもですけど。
とはいえ、これは「リスク要素」として抑える必要がある。今季に「内容的に失敗」すれば、このダメージは大きいと映りますから。
宇都宮(「比江島の契約延長」と「EASLとの両立」)
「戦術比江島」「EASL」「高齢化リスク」。
今季の宇都宮を示す「3つのキーワード」です。
で、まず、宇都宮といえば、「安齋竜三HCの電撃退任」があります。
一人のバスケファンとして、もしも「日本人HCによる日本代表HC」が叶うとすれば?との問いに、自分は迷わず「安齋竜三」と即答でした(ちなみに現時点でもそうです)。
「勝つためのスタイル」「個と組織の融合」「勝者と挑戦者のメンタリティー」を最も高次元で備えているのは、安齋さんであると考えるからです。
ですので、安齋さんがいつか宇都宮を去るときは、「代表HCに就任」か「指導者に区切りをつける」のどちらかと強く思ってました。
ですので、安齋さんがこのタイミングでHCを退任することも驚きでしたし、休養期間を置かずに新たな挑戦の場に「B2の球団」を選ぶことに、特に驚きでした。
安齋さんの心境については、いまリンク添付させて頂いた記事で詳しく言及されてますので、それを参照された市です。拝読させて頂いて、「安齋さんって、やっぱりとても素敵だな」の想いを、より強くしました。
「日本人の指導者でno.1の存在」を失った。それも「優勝して去る」という、「最高にかっこいい終わり方」で。
この影響は大きい、確かにそうかもしれません。ただ、ゴタゴタ感を最小限にとどめる(かつ、移籍の理由も「古巣への恩返し」「埼玉にバスケを根付かせたい」という前向きな理由で、宇都宮の直接の敵でもない)去り方であること、及び佐々HCが「方向性の継承+α」を明確にしていることから、「安齋HCの退任の影響自体は最小限だろう」と解釈してます。
とはいえ、安齋HCの退任の影響は出てくるだろう、とも思ってます。
それがどう現れるのか、自分は「『戦術比江島』の顕著化」として現れるだろう、と読んでいます。
安齋政権が誕生した「2017-2018」。このときから2021年夏のロシター退団までの4年近くは、「ハーフコート主体」のバスケでした。
しかし、2021年夏(昨夏)。安齋HCは「比江島を活かすスタイル」の導入を決断します、それが「よりアップテンポな攻撃」「1on1を活用する攻撃」です。これを自分は「戦術比江島」と呼んでいます。
永遠に語り継がれて欲しい、昨季のCSの比江島の「圧倒的なパフォーマンス」(特に「準決勝第2戦、決勝第1戦、決勝第2戦」)。
CSでの活躍が鮮烈ですけど、実はRSの内容も「キャリアハイ」といえる感じでした。見た目のスタッツは、タイムシェアにより「平均22分程度」であることから抑えめになっていますけど。
「戦術比江島」の導入は、優勝を叶える意味では「大正解」であった。
それに比江島も、攻撃面のみならず、守備面でも大きな成長を示した。
(いまの比江島は、「DF型」としても高いレベルにあるといえます。)
そう考えると、宇都宮での(「2020-2021」までの)苦しかった2年半に、意味はあった。特に一昨季(2020-2021)はキャリアワーストで苦しかったと想像しますけど。
その比江島。今オフは「契約延長か移籍か」といわれましたけど、あっさりと契約延長でした。というか、優勝パレードが終わると早々にNBA観戦に向かった。
「複数年契約(恐らく3年程度?と仮定で、「2025年夏まで?」)」で、「優勝賞金で年棒増or出来高増に充てた?」ともいわれてます。
今回の契約が「長期大型契約」の「最大かつ最後かものチャンス」であったことを考えると、比江島は実質的に「生涯宇都宮」がほぼ確定したと考えてよいでしょう(契約期間が終わるときに、比江島は「35歳」です)。
そして、契約延長の意志を早い段階で決めていたと考えると、いや、優勝の可否を問わずして恐らく「移籍の考え自体がなかった」こと、そして何よりも「お金ではない」ことを体現した、と想像できます。
いわば生粋の「バスケ小僧」を改めて示した。だからやっぱり、自分は比江島が大好き!とより一層強く実感です。
この「BIG3」が健在である限り、大崩れすることはない。
そう考えると、「『比江島の契約延長』自体が『今オフの最大の補強』」と考えてよいでしょう。
比江島と共に、自分は「スコット」の存在も特に大きいと思ってます。
「スコット」は説明不要の、典型的な「古典的ビッグマン」です。
それでいて走力に優れる。これはスピード、運動量の両面で。
シュートレンジも、昨季は「ミドルレンジ」「FT」を向上させてます。
で、「バスケIQ」の卓越性。スコットはいまや、(琉球のクーリーと共に)「Bリーグの象徴」といえる存在と自分は解釈してます。
相手からすれば「顔を見るのも嫌」。それが味方ですから「最高に心強い」訳です。
ですけど、宇都宮の評価が現時点で「東地区の2番目」としたのは、「拭えない大きな不安要素が2つ」あるからです。
その1つ目が「EASLとの両立」です。
「EASL」をわかりやすく表現すれば、「ACL(アジアチャンピオンズリーグ)のバスケ版」です。どちらをより重視するのかは、その球団の考え方次第ですけど、自分が球団の立場ならば、迷うことなく「EASL」をより重要視します。何故って「アジア王者のトロフィー」のチャンスって、数年に1回あるかの機会と思いますから。
ですけど、この「EASL」。当初は「2022年の年内[一部試合は年明け]にGL(グループリーグ)、2023年の3月に準決勝・決勝」の日程でした。
ですけどここ数日で、EASLは急遽「2023年の年明け~3月に集中開催の方向」に変更になりました(あくまでも方向性であり、具体的日程がわからないままでBリーグの開幕になる)。
これをどう考えるかは、「蓋を開けないとわからない」が、現時点での自分の解釈です。ですけど、一定程度は影響するのではと。
で、2つ目の負の影響が「年齢構成の高齢化」です。
この「年齢構成の高齢化」は、「2020-2021」シーズンの中盤(2021年の年明け)くらいから指摘され始めていました。ですけど宇都宮は、今季も「継続路線」の道を選びました。
この「年齢構成の高齢化」をどう解釈するか。
解釈の一つとして、「『田臥』『喜多川』を度外視して考えること」。
この2人で年齢構成をかさ上げしてる感があるので、の理由からです。
ですけど、遠藤が「33歳」、渡邊が「34歳」です。
この2人も、年齢構成的にかさ上げの一員になっている。で、「チームの象徴」ですので、放出はまず考えられない。
比江島との「推定で2025年夏までの延長契約」。
少なくともあと3年は「詰み上げた継続路線」でいく、これが事実上明確になった。
少なくとも、比江島は「いまが最も動けている」とのことです。
それに、鵤も現時点で「28歳」。比江島の延長契約が終わるときで「31歳」です。比江島と鵤が「身体が動ける」ならば、全体の「年齢構成の高齢化」は「ある程度は目を瞑れる」計算と読んでるのかなと。
ちなみに、「マブンガ」「ヤンジェミン」についてですけど、「マブンガ」については、自分は「融合はできる、少なくとも悲観視するほどではないと思う」の解釈です。インタビュー記事とかでだと、マブンガは「優勝するために来た」「自分が宇都宮に適応する」との姿勢を明確にしてますし。
ヤンジェミンについては、「まずは最初の15~20試合程度を見てから」の感じです。15~20試合程度を積み上げれば、「CSレベル」にあるかどうかが読めてきますので。
千葉J(「新戦術への期待感」と「空中分解リスク」)
結論から述べれば、「新スタイルがうまくいくのか、『とても大きな疑問符』が拭えない」、でも一方で「新スタイルが輝ければ、『とても面白そうじゃん!』とも思う」、これが現時点での自分の素直な気持ちです。
5月31日、大野篤史HCの退任の発表。
退任発表のときは、「円満な別れ」の感じで、退任発表の文面、大野さん自身の言葉というのが伝わり、「ありがとうございました」と純粋に感じたのです。
ですけどこれは、スタッフがごっそりと退団(結局、残留の道を選んだのは山口眞衣MGなど「2人」のみ)の結果になった「6月21日~6月22日」、真逆の印象になってしまいました。
選手の退団自体は、主力ではダンカン(→琉球)、赤穂(→横浜BC)の2人のみです。この2人については、大野HC退任を移籍の直接の理由とはしていないようです(尤も赤穂は昨季3月のトレード期限のときに退団を選んでもよかったのではと思うほど「環境を変えた方がよい」感じでしたが)。
ですけど、大野HCの退団を端緒とする、一連の「ゴタゴタ劇」。
個人的には、昼ドラの如き「ドロドロ感」で、正直「激しく強い違和感」が拭えませんでした。
新指揮官であるパトリックHCは、「世界的名将にして日本バスケへの造詣もある」とのことで、その意味ではとても期待できます。
ですけど、今季の選手編成を見ると、自分は期待感よりも「不安感の方が正直とても強い」です。
理由はシンプルに「ムーニーの不在時をどうするの?」と。
恐らく「12分程度」は、「ムーニーの不在の時間」です。これをどう考えるのか。
この「ムーニーの不在時問題」、換言すれば「エドワーズ問題」です。
エドワーズといえば、Bリーグを代表する帰化選手です。今季で日本に来て10年目(34歳)になります。昨季の途中までは、「ロシター、ファジーカスと並び称される存在」でした。
ですけど、昨季のCSでの宇都宮戦。うまく表現できませんけど、このときのエドワーズは「全くの別人」のような感じでした。いわば全盛期の面影なし状態。
恐らくですけど、衰えを隠せなくなっているのではと。そう考えると、「エドワーズの衰え」がどれほどの感じか。例えば「ニカ(島根)と同等の感じ」くらいで収まっていれば、「第3のビッグマン」としては充分に機能できます。でもこれは、蓋を開けなければわからない感がと。
個々の選手の個人能力は、勿論高いのです。特に新外国人のローは、昨季の豪州NBLの「オール1stチーム」(Bリーグの「ベスト5」に相当)。リーグレベルは豪州NBLがBリーグを少し上回ってますので(かつ、日本人選手の海外挑戦で「最も現実的なリーグ」でもある)、ロー個人はかなりのスタッツを望めるのでは?と自分は読んでいます。
ただ、気に掛かるのは、今オフは「ゴタゴタ感」を全く隠せてなくてと。インタビュー記事でだと、富樫が新スタイルを好意的に捉えているのは明るい要素ですけど、結局はこの「新スタイル」が「うまくいくか否か」に尽きるのです。
いわゆる「平面的なバスケ」。日本人選手の特性を考えれば、「秋田型」のような「速いバスケ、走るバスケ」か、今季に「千葉J・茨城」が取り組む「平面的なバスケ」、この2つが「より輝けるバスケ」では?と自分は強く思ってます(これと、島根の「バズソー」[というか「パス&ラン」]も。広島も今季は秋田により近い感じを鮮明にしてますし)。
その意味では、今季の千葉Jの挑戦は、一バスケファンとしてはとても興味深いのです。それが輝ければ、「すさまじい成績」を叩き出す可能性もあり得ると正直思ってます。
ですけど一方で、正直「空中分解リスク」。現時点では、むしろこれをとても不安視しています。
尤も「空中分解リスク」が現実的になっても、千葉Jを去る可能性がある日本人選手は「佐藤」以外は正直考えられません。よくも悪くも千葉Jは「富樫ありき」であり、富樫が千葉Jを去ること自体が考えづらい以上はと(原は地元選手ですので、なおさらそうでしょう)。
いずれにせよ、「新しい挑戦」はどの結末になるのか。温かく見守ろうと思ってます。
秋田(「スタイルの完成度」は特筆だが、「HCの不在」が…)
「球団史上最大のピンチ」。それが突如起きてしまった。
具体的にどういうことかは、一人の人間として「想像したくない」です。ただ、(恐らく妻or子どもに)「とても大変なことが起きた」ことは、想像できてしまいます。
いまはただ、このとてもつらい日々が明るい時へと戻れる時が訪れることを願うことに尽きる。一人の人間としては、これが正直な想いです。
NBAで、スパーズといえば「ポポビッチ」、ヒートといえば「スポールストラ」のように、いわば秋田は「前田顕蔵」という刻印が強烈に刻まれています。
いま、B1は「24球団」ありますけど、B1の24球団の中でも「志向するスタイルが最も明確な球団」は「秋田」と即答できます。
いま、日本人のHCの中で、次期日本代表HCに推すならば、安齋竜三さんと共に、この前田顕蔵さんを推す、それほどにこの秋田の、前田さんのバスケである「『激しい守備からの速いバスケ』『全員攻撃全員守備』」は、「日本人選手の特性に最も符合し得るバスケ」と、自分は「とても大好きなバスケスタイル」なのです。
志向するバスケスタイルの明確性でいえば、島根だってそうじゃん、となるかなです。確かに島根のバスケスタイルも「とても大好き」ですけど、島根のスタイルは現況では「安藤ありき」なんですよね。
でも、秋田のバスケスタイルは「誰が出ても方向性が不変である」こと。例えば、中山は「秋田のスタイルの象徴」といえますけど、でも「中山ありき」ではないんですよ。
正直、昨季の秋田のCS出場は、一人のバスケファンとしてとても嬉しいことでしたし、「全員が目的意識を共有できている」、これ自体が秋田の唯一無二の長所と思ってます。少なくとも、いわゆる「遂行力」では、宇都宮と双璧かそれ以上でしょう(個人能力でやや宇都宮・琉球に劣るから、昨季もCS出場が最終戦までもつれた訳ですけど)。
日本人選手の全員残留。わかりやすいほどの継続路線です。
「秋田のスタイル」への「絶対の自信」、なおさら応援したくなる。
ただ、1人だけ獲得に動いていた?という噂はありました。
そう、「ベンドラメ(SR渋谷。結果は残留)」。あくまでも噂の域を出ませんけど、興味を示していた球団に秋田・群馬がいたといわれてます(勿論、真実はわからないままだが)。
実際、秋田に明らかに足りていないのが「攻撃面での爆発力」。それでいて「激しい守備からの速い攻撃」を兼備していること、それに合致するのは確かに「ベンドラメ」でした。
結果、日本人選手の顔触れに変化なし。これで臨む以上、現有戦力のさらなる成長に、おのずとなるのです。特に長谷川は昨季、大きな成長を示しましたけど、「あと1ステップのさらなる成長」が叶えばより望ましい。
それと個人的には、「大浦」にとても期待しています。持っている潜在能力を考えれば「昨季は『30』も発揮できてないでしょ?」と。本人は表情に出してない感じですけど、「悔しくなかったはずはないでしょ?」と。
大浦のその「創造性」が開花して、長谷川と高いレベルでの正PG争いになったとき、秋田は「CSでの勝利、そしてその上のステージ」が見えてくる。外国人云々よりも、自分はこの「正PG争い」こそ、とても重要な要素と強く思ってます。
ちなみに外国人は、カンター、キッド共に、「とても期待できるのでは」と思ってます。そう考えると、現時点では未確定の「第3の外国人ビッグマン」。恐らく「リムプロテクター」?と想像ですし、「NBAのキャンプ落ちを待っている?」と想像ですけど、納得できる選手を見出せますように、と強く願ってます。
群馬(「並里の存在」のプラス感と、「年齢構成の高齢化」の不安)
期待感ある声を結構耳にしますけど、自分の現時点での評価は、
「いつ並里が復帰できるのか、それ次第。それまでは我慢の戦いが不可避だろうから。ただ、並里の復帰が叶えば、そこからの追い上げはある程度期待できるだろうけど。」
です。一つの目安としては「勝率5割ライン」。個々にいい選手は何人かいますけど(ジョーンズ、チェンバースとか)、自分の現時点での評価は、実はあまり高くありません。尤もこの群馬でも、「中地区でだと2位は充分に現実的なライン」とも解釈していますけど。
ですのでシンプルに、注目選手は「並里」。
正直、琉球からの移籍は、「とても大きな驚き」でした。
何故移籍になったのかは、はっきりとはわからない感じですけど、群馬は正PGが弱点と化していたので(五十嵐は年齢面に抗えず「パートタイマー」と化した感が)、その意味では「WIN-WIN」といえると思います。それに特に、ポジション面以上に「勝者のメンタリティー」の注入で、とても大きなプラスでしょう。
ただ気に掛かるのは、「志向するスタイル」。現時点では、その方向性はベールに包まれたままです。今季に就任の水野HCは、北海道時代にHCの経験があるとのことですけど、どのようなスタイルを志向するのか。それを温かく見守りたい、と思ってます。
茨城(「平面的なバスケ」は興味深い。ダークホースになり得るか)
はっきり述べます。「めっちゃ面白そうじゃん!」。
今季のPSM、「茨城vs富山」「茨城vsA千葉」と、2試合を配信越しにチェックさせて頂きましたけど、自分の中では「わくわく感」の塊です。
現時点では、群馬より下に置いていますけど、自分の中での期待感は正直、群馬よりも上です。「勝率5割ライン」は決して不可能ではない、と思ってます。
確かに「危うさはある」感じです。「ジェイコブセンの不在時をどうするの?」「守備を軽視している」との声は、正直結構耳にします(「千葉Jの下位互換」との声もありますし、選手編成的には確かにそうかなと)。
特に「ジェイコブセンの不在時」。恐らく、タブスコット(「横幅の広さで勝負するタイプ」は、NBAでも少数ながらもいます。ただタブスコットの場合は、「攻撃全振り型」なんですよね)、ジョゼフ(大阪時代の昨季終盤に急速に台頭。まだ粗削りではあるけど)を想定と想像しますけど、どう対応するのかは不安感は確かにあります。
ですけど、自分の中では「期待感の方がより強い」です。
PSMでの2試合。「速いバスケ」「平面的なバスケ」という方向性を、全員が強い意識で共有できている。「同じ方向を向けている」、これってバスケの特性上、(個人能力の総和以上に)とても大切なことと思ってるんですよね。
平尾、福澤という、いわば昨季に「B1でも勝負できる」ことを証明した軸がいるからこそだと。今季は年明けの1月にオールスターの開催ですけど、この開催地が水戸(アダストリアアリーナ。つまり茨城の本拠地)です。いまの平尾、福澤ならば、「実力でオールスターの一員といえるよ!」と強く期待できます。
余談ですけど、今季のオールスター、恐らく「ハーフタイムショー」があると想像ですけど、一人の人間として、声を大にしてリクエストしたいです!
「今季のオールスターのハーフタイムショー、『田所あずささん』を強くお願いしたいです!」
と申しますのも、田所さん(愛称「ころあず」)、故郷が茨城(しかも水戸!)なんですよ(本人は「故郷が茨城であること」に強い誇りを持っている)。
で、彼女の代表作はいくつかありますけど、その一つに『ウマ娘』(シンボリルドルフ役。いわゆる「トメ役」的な立ち位置)があります。『ウマ娘』にはいくつもの楽曲がありますけど、このライブシーンこそ、田所さんの真骨頂!
この『ウマ娘』。昨年はまさしく「社会現象」でしたので、名前を聞いたことがある人間は結構多いのでは?と想像です。
他には『アイドルマスター ミリオンライブ』(通称「ミリマス」)『アイカツ!シリーズ』『BanG Dream!』(通称「バンドリ」)もありますけど、それこそこの田所さん、「ライブにおける伝説・逸話に事欠かない」。贔屓目抜きにして、現役有数の「声優アーティスト」と思ってます(なお強烈な「ド天然」「引っ込み思案」でもある。「歌姫」とのギャップも特徴)。
いわば「時の人」でもあるのです。招聘が叶えば、ツイッターとかでほぼ確実に話題になるかと。田所さんにとっては「故郷に錦」で「WIN-WIN」と思うのです(個人的には、田所さんの純粋な個人の凱旋ライブで「アダストリアみとアリーナ」を使用して欲しいです!とも申し添えておきます)。
…と、話が完全に脱線してしまいましたけど(激汗)、自分が茨城にこうして期待をするのは、
「GM(マーク貝島さん)が、『自分の言葉』で『チームづくりのビジョン』『選手補強の意図・理由』を伝えられているから。」
これが大きな理由です。加えて「志向するスタイルの明確性」もです。
最終的に、これがどのような結末になるのかは、勿論わかりません。
うまくいかない、悲劇的な結末だって、あり得るかもです。
でも、その志向するスタイルの明確性、自分はとても期待したい。
「一丸で臨むスタイル」、それに強い期待感を抱くのです。
北海道(佐古HCの2年目で、存在感を示す年にできるか)
「ブルックス、負傷による長期離脱、復帰時期未定」。
これをどう考えるか。今季の北海道の鍵は、これを避けては通れません。
D・ラモス、高橋、モータム、A・マーフィー。
補強自体は的確で、期待感を抱かせます。
モータムは優良外国人になり得る感じですし、D・ラモスは質の高いアジア枠です。高橋も、地元球団でのプレイで(それこそ、北海道でこれからの選手生命を捧げる覚悟で臨んで欲しいです!)、滋賀時代の輝きを取り戻せればチーム力の大きな向上になるでしょう。
ただ、やや不安感は「正SG」。松下、中野司にはいずれも「さらなる成長」が求められると映ってます。そう考えると、高橋を正SGに置くのも一つのソリューション(解決策)になり得るかなと。
「正SGへの不安感」「モータムはブルックスと同等以上になり得るか」が、「東地区の7番手」という現時点での評価の大きな要素になってます。
それと何よりも、佐古HCの「志向するバスケスタイル」。
今季は「よりアップテンポに」の意向ではといわれてますけど、むしろ聞こえてくるのは「『気持ち』で勝負できること」と。
これってとても大切なこと、と自分は思っていて、最終的に1点を分ける勝負になると、「『勝ちたいという気持ち』をより強固に持てる方が、最後は勝つ」と自分は思ってるんですよ。
いずれにせよ、佐古HCの2年目です。自分は「中長期的なチーム作り」をと強く願いますけど(その意味で、昨季終盤に松下を粘り強く正SGで起用し続けたことは評価したいです)、温かく見守りたいと思ってます。
仙台(「個の不足感」を「組織力の強度」でどれほど補えるか)
いきなり私事ですけど、自分は個人的に、「東北」には強い思い入れがあります。はっきり述べれば「自分自身に『生きる意味』を与えてくれた、『生きた学び』をさせて頂けた、『特別な場所』」と。
いろいろな場所を訪れる機会を得ましたけど、特に「南三陸」「石巻」「仙台」は、自分自身にとって「とりわけ特別な場所」です。
ですので一人の人間としては、仙台には今季、躍動して欲しい。
渡辺翔、岡田、寺澤は、楽しみな若手であると伺います。
(外国人PGを補強した方が良いという声もありましたけど、そうしなかったのは渡辺翔への期待感からでしょう。)
とはいえ全体的には、「個の不足感」が否めません。
正直、バーレル以外は「ほぼ全くの未知数」の感がと。
その一方で「まずは守備ありき」という意識の共有の明確性は伝わります。昨季の茨城とほぼ真逆のベクトルですけど、「残留争い」自体は恐らく不可避でしょうけど、乗り越える素地はあるといえるのでは?と。
それと、個人的に強く期待しているのが、「加藤」です。
その守備意識、全力プレーもですけど、出場時もそうでないときも、いつも「フォアザチーム」の姿勢。「チームのために自分がいますべきことは何かをいつも考えている」のが伝わる。
ベンチにいるときは、いつも最前列で大きく声を出して鼓舞してます。ある試合では、「昂大(たかひろ。小室のこと。京都では期待の若手です)、いま自分が起用されている意味を考えてやり切ろう!」という大きな声がコート上に響いてました。
「将来、それこそそう遠くないうちに、加藤はきっといい指導者になり得る。」
一人のバスケファンとして、自分はそう強く思ってます。それこそそう遠くないときに、どこかの球団のAC・HCとして指揮する加藤の姿が。
でも今季の加藤は、一選手として最大のチャンスです。今季はSFとしてまとまった出場機会を見込めそうなので(というか加藤の躍動が、仙台のB1残留に直結するといってよいので)。
守備面は心配していません、問題は攻撃面。コーナーやトップでの3Pを高確率で決めて欲しい。それが加藤の今後のバスケ人生でもきっと生きてくることをも含めて。そう強く思ってます。
では、「各地区別の展望」、(その4)では「中地区編」を綴らせて頂きます。
【バスケットボール#15C】
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