星に願いを、月に祈りを
明日は、ペルセウス座流星群が見えるらしい。
「流れ星が流れる間に心の中で3回願い事を唱えると叶うんだって。」
誰から聞いたのか、いつ聞いた話なのかサッパリ覚えていない。でも、流れ星は願い事を叶える力があるとずいぶん前から知っていた。
実家には、洗濯物を干す時にしか使っていない屋上がある。私は怒られた時、こっそりと屋上へ上がって、地上波のアンテナと一緒にパチンコ屋の電飾だけが光る夜をぼーっと眺めていた。
この日も怒られたので不貞腐れて、屋上へと続く扉を開けた。段差と段差の間に蹴り込み板がない、金属のスケルトン階段に足をかける。階段の隙間からは地面が見え、そこから落ちてしまいそうで怖い。子供の中でもとりわけ成長が遅く体重も軽かった私では大人が階段を登る時のカン!という音は出ないので、誰にも気づかれることはなかった。
暗い中手すりを両手で掴み、恐る恐る逃げ腰で登り切ると目の前をキラッと光る何かが通り過ぎた。初めて見た流れ星は突然で、願い事をしそびれた。
職場を転々とし、履歴書だけ見ると全く継続力のない私にも続けていることがある。日本酒のレビューと、『新月の祈り』だ。
他にも地味〜に続けてることはけっこうある。それについてもいつか話したいね。今回は『新月の祈り』について。
この『新月の祈り』は聞いたことない人が多いんじゃないだろうか。『スピ系』の話になるので苦手な人は注意してほしい。
まず新月とは何か?新月とは、見えない月のことを示す。
月は自ら光るのではなく太陽の光を反射して光っている。地球から見て月と太陽が同じ方角にある時、地球から見えなくなる現象を新月と言う。
月は29.5日の周期で、真っ暗な新月から上弦の月、そして満月へと満ちていく。月の満ち欠けにおいてスタート地点にあたる新月は、物事を始めたり目標を設定するのに最適なタイミングだ。
そして、新月に祈ったことは叶うらしい。
どんな都市伝説だよ。初めて聞いた時、馬鹿馬鹿しいと思った。でも……もし、そんな簡単なことで叶ってしまったら得だ。叶わなくったって損はしない。やってみようじゃないか。
──────正確な日付は覚えてないが、これをやり始めて12年経った。叶わないものはとてもたくさんあったが、叶ったものもある。叶うまでには時差があるので、3年や10年という月日が経過してから叶った願いもある。
なぜ『新月の祈り』は叶うのか?
もちろん科学的根拠なんてない。でも、新月に限らず願望って願うから叶うものだと思うんだ。
初めて流れ星を見た時、願う前に星は消えてしまった。でももし私がイチローで、野球以外の時間もずっと野球について考えていたら「プロ野球選手になりたい!」とすぐ口から飛び出たことだろう。願望の反射神経は、ある程度思いの強さに比例する。すぐ口から飛び出すくらいまで考えろというのは極端だが、『願望を整理すること』に意味がある気がする。
毎月新月の日になると、願いを並べて願望を明確化する。自分がどんな状態になっていると嬉しいか?私は『何が欲しい』?
改めて考えることで『わたし』はリセットされる。磁気で狂ってしまったコンパスを修正し、向かうべき方角が分かるんだ。願ったものは忘れてもいい。でも何故か、その方角へ無意識のうちに向かっていける。
ふと過去を見直すと、なんと叶っているものがあった。私はとうに何を願ったのか忘れていたのに。その過去の願いを見直す中で、叶わなかったものにも意味があるように見えた。例えば、オリンピックに出たい!と言ったって叶う人はごく僅かだろう。明らかに叶わなかったものは自分の方向に合っていなかった、または圧倒的な努力不足(努力のやり方が間違っている)場合だった。受験の時第一志望に受からずこんなの何の意味もない!と当時の願望を書いていたノートをぶん投げたこともあったが、結果すべりどめの大学はとても自分に合っていたし、楽しい学生生活が送れたのでとても納得感がある。
新月の祈りが新月の神秘的な力で叶っているのかというとわからない。でも、月に一度自分を見直す機会としてとてもいい習慣になっている。
もし気になった人がいた時のためにやり方を書いてみる。とても簡単だから、確かに損はないし叶ったらラッキー!と思う人も暇な人も気が向いたらやってみてほしい。
『新月の祈り』のやり方
まず、新月の日程を確認する。「新月 2022」で検索すると出てくる。
新月から48時間以内にこれを行おう。8時間以内だとなお良い。
①紙とペンを用意する。
②願望を整理する
2〜10個の願望を考える。
③願望を書き出す。
願望は完了系で書く。できるだけ具体的に 主語は自分にして書こう。
これだけだ。見返す必要もないし、忘れていい。新月は流れ星のように一瞬で流れてしまうこともないからゆっくり書ける。
新月の日に願い事を書くと叶う。
こんな不思議で神秘的で、うますぎる怪しい話を一緒にやってみませんか。
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