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髭がなければ清潔か?【清潔感を定義する】

Twitterの婚活垢やら婚活コンサルタントは言う。
男は清潔感が大事だ!と。『○○感』というふわっとまとめられた言葉には画一的な定義はなさそうなので考えてみたい。

これはTwitterの某アカウントが言っていた清潔感を出す7つの方法✨である。

・美容院に行く
・ヘアセットする
・爪を切る
・髭を剃る
・口臭等匂いのケアをする
・眉毛を整える
・服が汚れていない

要は、清潔感とは見た目に気を遣っていることらしい。
風呂に入るなど実際に清潔かどうかというより、人に好印象を与える外見を示す
言葉のようだ。

しかし、友人にこれを話すと上記の清潔感と友人の言う清潔感には齟齬があった。婚活コンサルタントのいう一般的な清潔感と一体どう違うのか?会話を再現しながらまとめてみる。



議題『清潔感ってなんだ?』

これはズボラ女が、綺麗好きで少々思考に偏りがある女たちと会話した時の記録だ。
清潔感とは、一般的に見た目に気を遣っている外見をしている人のことというのを定義として比べてみてほしい。


綺麗好きと『清潔感がある』と判断する幅の広さ(汚さを許容できる)は比例するかもしれないので一応登場人物ごとの衛生観念を書いておく。


私:ズボラ
はなちゃん🥀:潔癖性
ぴよこ🐣:綺麗好き寄りの中間

文中には男性へのネガティブな表現も出てくるが彼女らは男性嫌悪ではない。ちょっと綺麗好きの女の子の感想である。


・・・

🥀「今行ってる接骨院の先生、すごい中性的で清潔感があってほんとに大好きなんだよね!行くのが楽しみ。」

🐣「良い先生見つかってよかったね!!整骨院って人に触れる職業だから清潔感かなりある人じゃないとしんどいよねえ。」


「……ん?清潔感があって大好きって何?
普通身だしなみ整ってる人見ても好き!ってはならなくない?!清潔感あるから触られても嫌じゃないなら分かるけど。顔の造形が綺麗だから全体的に『綺麗に見える』みたいな話?」

🥀「別にイケメンではないよ。清潔感かあ……なんか綺麗だって感じるんだよねその人は。イケメンより『中性的』という部分の方が関係している気がする。
なんかね、私は男は全員汚いと思ってる。信用できない。トイレで手洗わないのがデフォみたいな……。(もちろんイメージの話)
だから中性的、女性的な男性だと安心する。衛生的な綺麗さが想像できるからだと思う。」

さすがに男は全員汚いは言い過ぎである。でも、女性の方がルッキズムに晒されやすい分、私の周りでは外見に手間とお金をかけている女の子が多い。だから、女性は男性に比べて初対面でもあまり不快感を覚える人はいないという意味ではとてもよく分かる。


「中性的って綺麗なの?🥀と🐣は中性的はどういうイメージで言ってる?」

🥀「女性性のある男性のことかな。手が綺麗だったり、肌色が少し白めで細身。匂いも無臭か良い匂いがする人。フィギュアスケートの羽生くんとか。」


「確かに……!!羽生くんのことをすごく綺麗って表現するのは分かる。男臭さからかけ離れてるもん。

でも私はもっと清潔感の幅は広いな。ある程度身なりを整えてたら清潔感がある認定する。そこに中性的かどうかは入ってこないんだよね。私がズボラで衛生観念が低いのと、そもそも男性のことうっすら好きだから許容範囲が広いのかも。2人は男の人のこと好き?」

🥀🐣「そう言われると全男性のことうっすら嫌いかもしれない。」

男性は女性の9割を性対象として見れて、女性は男性の1割しか性対象として見れないという話が顕著に出ている部分だと思う。(割合は忘れたけどこんな感じだった)
男性は女性をうっすら好きで、女性は男性をうっすら嫌いな人が多い。おそらく私は少数派で、🥀と🐣は女性に多い価値観ではないだろうか。

🐣「というか男性みんなうっすら好きってどういうこと?」

「初めて行く美容院の担当が男性だったらおっ!って思う。男性と女性に同じ営業かけられたら無意識で異性の方が成約率高くなるタイプの人間だと思うよ。
異性への好感度が0より高めスタートなんだと思う。もちろん明らかにキモい人は除いてだけど。」

🥀「それなら男臭さに対する不快感が私たちより低いのもわかる。
男性への好感度はみんなマイナススタートだわ……。美容院は絶対女性が良い。男性だとこの人なら大丈夫そう!と思えるまですごく警戒する。女性は基本的に警戒しないから最初から話せる。」

🐣「私も好感度マイナススタートだから、よく知らない男性は怖い!って思うかな。外見的な『男らしさ』って髭とか色黒とか筋肉があることだと思うんだけど、それからは汚いイメージもだけど怖さを感じるんよね。
中性的な人って性欲なさそうなんだわ。性を感じさせない見た目は怖くないし安心する。」


「まあ分からんでもない……。筋トレして日焼けして青みの強い紺スーツ着てるツーブロックの不動産の営業マンは怖!?って思うし。」

🥀🐣「具体的すぎん?w でもそういうこと。だから男性の中に女性性がある人が好きなんだよ〜〜!」

「ねえ、それでいうと(男性)美容師さんってすごく清潔感ありそうって思ったんだけどどう?
もちろん見た目にも気を遣ってるし、体型も細身の人多いじゃん。接客業で人に気遣いをする立場だからそういう意味でも女性性のある男性じゃない?
一旦ロン毛のいかつい美容師さんじゃなくて表参道や梅田の美容師さん想像して!」

🥀「うーーんそれは私たちの言う清潔感とは違う。あれはチャラい。」


「見た目も気を遣ってるし他人への気遣いもできる人たちなのに?チャラさと清潔感は遠いもの?」

🥀「うん。というか気遣いは絶対的な好印象のものってわけじゃないからね。気遣いが上手な人は女慣れしてるなと思う。下手だとシンプル不快。」


「下手だとうわ〜ってなるの分かる。じゃあ女慣れしているのは好印象?」


🥀「女慣れしていてお喋りが上手い人は裏がありそうと思うかな。本心が見えなくて怖い。褒められてもそれ本当に思ってるのかなって疑っちゃう。」


🐣「それなら口下手だけど好意が見える人の方が誠実で好感が持てる。女慣れも性の匂いがするからかも。」


「チャラい人は見た目にも気を遣っているのになんでチャラさは清潔感と同等じゃないんだろうね……?」


🥀「まあ美容師さんは仕事だからそれ以外の話をするけどさ。人に不快に思われないための身だしなみってあるじゃん。そこから好かれたいモテたいというのが分かりやすく外に出た状態がチャラいになると思う。だから『マイナスを0にする見た目に気を遣う』と『そこから足された状態の見た目に気を遣う(チャラい)』は立ち位置が違うっていうか。」


🐣「好きでやってる見た目がたまたま王道なら良いけど異性ウケのためにやる人は清潔感から下心が生えてるなって思っちゃう。
モテたいが透けて見える人って気持ち悪いじゃん。俺は!!!!モテたい!!!!!ってクソデカボイスで言ってくれたらむしろ清々しくて好きだよ。」

「一周回って爽やかだ……。応援したくなるまである。

話戻るけどさ、その中性的っていう整体師さんは具体的にどんな人なの?」


🥀「色白で細身で、すごく物腰柔らかい話し方する人。穏やかでテンションも一定かな。この前帰り際にはちみつ紅茶プレゼントしてくれたんだけど、好きなものだったからセンスに感動した。ご飯も綺麗に食べそう。」

「身だしなみの話してるのに外見の情報少な! ご飯綺麗に食べそうは笑う。」

🥀「いや、でもあの物腰の柔らかい喋り方ってその整体師さんを綺麗だと思う大事な要素なんだよ〜!」


🥀「…………それだ、清潔感って育ちの良さだ!!!!!!!!!! 」


🥀「内面は外見に出るっていうじゃん。髭剃って爪短くして綺麗な服着ててもさ、乱暴な言葉遣いする人に清潔感があるって思わなくない?」

「思わない………。
外見は前提で、言葉遣いやマナーとかその人自身の中身も込みで清潔感か……!!!!!」


清潔感は育ちの良さという言葉には納得感があった。清潔感を『感覚的に綺麗だと思うこと』だとすると、所作や言葉遣いも清潔感に当てはまるだろう。

「となるとある程度生まれた時から清潔感は決まってるって言える?」

🥀「そこまでは言わない。でも、幼少期の親の教育がモロに出るから後天的ではあるけど大人になってから育むのは難しいよね………。」

「私は親はしっかりしてたけど自分はズボラだから刺さって痛いね!!!後天的に汚くなった(?)」

🐣「結論に納得したからこそもうちょっと救いようのある話で落ち着きたかったと思ってしまう〜〜!」


🥀「めちゃくちゃ頑張ればできる。ご飯食べるの綺麗な友達に影響されよう……。」




友人の言う清潔感は、整った身だしなみのことだけではなく内面の綺麗さも含まれる。美しくない内面は美しい外見をも台無しにしてしまうからだ。そして、内面の美しさが外見にも反映された時私たちはそれをとても綺麗だと思う。

私はマツコデラックスは品があってとても大好きなのだが、マツコデラックスのネイルが好きといってどんなネイルをしているか頭に思い浮かぶ人はどれくらいいるだろうか。
彼女はよく肌馴染みの良いベージュのネイルをしている。気づかないほど主張がなく、それでいて指が長く見える綺麗なネイルは、なんとなく彼女の聡明さや毒舌キャラの下に見える気遣いが表れているようでとても惹かれるのだ。

なぜ清潔感は外見を整えればいいというだけの話のように語られるのか。それは清潔という単語が衛生的である様を連想させるからかもしれない。
しかし、二つの漢字を調べると人の心情・行為に汚れがないことという意味も含まれていることが分かった。

清い:汚れがない。爽やか。綺麗。
澄んで濁り・曇りがない。
利得や欲望など世間の汚れを離れて、純だ、さっぱりしている、また立派だ。
潔い(いさぎよい):汚れがなくて清らか。人の心情・行為に不純なものがない。思い切りが良い。

清潔感は、『クリーン』に表現としては近いのではないだろうか。
クリーンなイメージのある芸能人と言うと、悪い噂を聞かない、好感度の高い人の名前をあげる。それは、『クリーン』という言葉からは衛生的な綺麗さ以外に潔白、嘘がない、誠実という意味も感じ取っているからだ。

一般論として清潔感は整った身だしなみを指すかもしれない。しかし、漢字の意味にも内面的な美しさが内包されていることから考えても、清潔感は整った身だしなみに加えて内面の美しさも必要とされると言ってもいいのではないだろうか。

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