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【第5回】ケチャはウブドが本場だった!

ケチャをまずはじめ、ウルワツ寺院で見た。

ケチャの本場はウブド。

ウブドとは、バリ島のちょっと内陸に入った田舎エリアで、伝統芸能も盛んなエリアである。

ケチャともう一つ、バロンダンスなどガムランの演奏とともに、豪華絢爛な獅子舞みたいな踊りを王宮の中で見れるのと両方すごい。


ケチャや、バロンダンスなどは、毎日夜の19時頃から始まる。

毎日どこかで行われていて、大体お寺や王宮で行われている。それぞれのお寺でお抱えの団体があり、その団体は大体がその村のメンバーで構成されている。

そのため、同じようなことをやっているようで、全然団体によってカラーが違う。村人のカラーが出る。

村人ならではで、村のおじいちゃんみたいな人から、若いけど駆り出されたみたいな若者も混在しているのがおもしろい。

ウブド滞在は3日だっため、一回を王宮でバロンダンスにあてて、残りの2日はケチャを見に行くことにした。曜日や、お寺でその日やっているグループが変わるので、かなりサイトをみて下調べをしていった。


神楽に似ているケチャだが、神楽自体も日本人でそんなに見た経験がある人は少ないのではないか。神楽が日本一盛んな地域は、島根県の岩見神楽ではないかと思う。そこ、岩見神楽も、神楽があれば必ず人が来る、子供たちもヒーローショーより神楽が好きってぐらい、神楽が人気である。

私も岩見神楽を見るまでは、そんなに神楽に熱く語れるものではなかったが、そこ岩見でも毎日どこかで神楽が行われていて、その場所に来る社中がどの団体か調べて毎日見に行く追っかけをやったことがある。岩見神楽はほかの神楽と比べ、お囃子のビートがめちゃくちゃ早くってロックだ。それで、マイもぐるぐると動きが早くてかっこいい。人気の恵比寿では、こども恵比寿が鯛を観客と引っ張り合って、それでお菓子を投げるというお決まりのネタがあるので、恵比寿の演目がはじまると子どもたちが前に出てくるのも面白い。一番の見せ場の大蛇(オロチ)は、神楽の舞台およそ4メートル四方のフィールドに8体の大蛇が出てきて、ぐるぐると変態を凝らしてすごい複雑なフォーメーションをとる。これは何度見ても見ごたえがありすぎる。狭いところほど見ごたえがある。温泉の2階の宴会場だったり、超マイナーなお寺の講堂だったり、漁港の市場のフィールドだったり、神社の境内だったり、水族館のステージだったり、あらゆるところで神楽を見てきたが、どこもその場でしか味わえない一期一会の場の空気がおもしろい。

(やばい、神楽だけで一本かけるネタだわ)

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そんな神楽の楽しみ方を覚えていたために、このケチャもぐっと楽しめたように思う。普通の観光客だったら、ケチャってこんなもんかという感じで、一回見たら終わりだと思う。そういう意味で、一回見るのであれば、ウルワツ寺院の観光客向けエンターテイメントケチャはすこぶるお勧めするが、村ごとのケチャおじのカラーを楽しむなら、やはりはしごするしかない。


ウブド一日目に見たケチャは、王宮近くのちょっと先のお寺で行われていた。事前に調べて、良さそうな感じの実力あるグループだった。

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公演前に裏に回ると、スタンバイしているケチャおじたちがぶらぶらしていたので、一緒に写真撮ってもらった。

ケチャは外で行われるのだが、結構狭いところでやる。椅子が並べられているが、やっぱ正面の一番前がいいなと早く行って席を確保した。

このケチャグループがウブドで初めてだったが、ウルワツ寺院のそれとは明らかに違った。やっぱ本場だけある。団体のメンバーが村人ということがそれなんだろうと思うが、空気がなんか違うのである。家族、仲間と一緒に作り上げるその空間は、失敗とかがない空間。たとえ失敗があったとしても、すべてが「いいんだよ」とだいじょうぶにしてしまえる、そんな強さのある空間が作り上げられていた。ケチャ、一人一人が違うパートを歌っているので、誰がどれかはわからないが、やくざみたいに強面のおじちゃんとか、ヤンキーとか入れ墨バリバリのおっちゃんとか、痩せこけてめっちゃ笑顔のおっちゃんとか、歯抜けのおっちゃんとか、みんなが、やばいぐらい楽しそうだったり本気だったりでチャッチャチャッチャ言っているのは、マジですごい。

私はその空間とビートの身をゆだねてノリノリだったけど、そんなノリノリで見ている人はほんの一握りだったなー。もっと体で楽しめばいいのにと思った。

ケチャックダンスのクライマックスは、ファイアートランスというのがあって、ヤシの実に火をつけて、それを馬を演じているおじちゃんが裸足で蹴散らすというのがある。熱そうで観客も火の粉のちょっとドキドキするシーンであるが、この時に出てきたのは85歳だかのおじいちゃんだった。そのじいちゃんの演技は、感動モノでした。

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最終日に、見たケチャの団体は、入場料が村のお金になるので、超本気で頑張っているっていう団体だったのだが、言葉で書いてもどうせ伝わらないと思うが、最後にして最高のケチャだった。

おやじたちの本気、そして一体感、トランス状態、チャッチャっていうのだけでなく、途中で大合唱する場面があるのだが、その一体感が本当にやばくて、それが涙なしにはおれないほどに、感動する響きだった。

めっちゃ泣いた。ケチャおじたちの本気のフィールドに、一緒にこの空間にいさせてくえてありがとう、としか言いようがなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=ng2QGvEh0CM

似ている感じのケチャ映像↑

生で感じないとわからないとは思いますが、雰囲気だけでも味わってください。途中の、合唱のところ、めっちゃいいのでせめてそこまで見てみてくださいね。

次、バリに行ったら、ずっと毎日ケチャみたい。

というか、ケチャをやりたくてしょうがないです。50人ぐらいあつめていつかケチャできる日がくるかしら~


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