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9/23 PM1:06

そこは高級ホテルの地下。隣のキッチンからはスイーツの甘い香りだったり、香ばしいパンの香りが漂ってくる。慌ただしく行き交うスタッフさんに「おはようございます」「お疲れ様です」と挨拶をすると、かねがね気持ちの良い挨拶が返ってくる。とりわけ海外から来たスタッフはとても丁寧で素直な笑顔が印象的だ。その姿に、大切なことを思い出させてもらえる。

そこはとても殺風景な廊下。交わされるささやかな気持ちのやり取りが、私は嬉しかった。白い廊下の先に緑が見える。「私はこれが幸せなんだ」そう実感した。

自分の幸せとは何か。家路につく道すがら、海を眺めて考える。そんなにハードルが高くなかったことを思い知る。

誰かとささやかな気持ちのやり取りができれば、私は満たさる。高級食材を食べるよりも、どこかのリゾートなカフェに行くよりも、殺風景な廊下で交わす挨拶が勝る。そしてそれは日々の生活の中に溢れていることもまた思い知る。

そこは映えない廊下。でもそこには確かに私の幸せがある。

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