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割といつも黒一点

午後5時。
集まりが行われる場所に到着すると、他のメンバーはほぼ揃っていた。「お疲れ様です」と挨拶をしながら席につく。会が始まってみると、参加者は計9人だった。女性8人の中に、男1人。まぁ予想はできていたことだが、やっぱり男がいないのは何となく寂しくもある。

今日は、息子が通う小学校の登校班の集まりだった。保護者のみの参加で、内容は新たに「こども会」を立ち上げることについての話合い。

僕が住んでいる地区は、今まではこどものいる世帯が少なかったので「こども会」というものが存在していなかったらしい。ただ、この2〜3年で住宅メーカーが広く土地を買い取ったので、新築がドカンドカンと立ちまくっている。新築が増えるということは、世帯も増えるということで、もちろん小学生の数も増えてくる。
そこで小学校からの依頼もあり、こども会を立ち上げる必要がでてきたらしい。

「なるほど。そんな事情があったのか」

ふむふむと納得しながら、ふと周りを見渡してみる。僕以外が全員ママさん達なので「浮いてんなー、自分」と少し笑えた。

なぜか昔から、僕が参加するものは男性の比率が圧倒的に少ないことが多い。
息子の保育園で去年まで参加していた「父母の会」は、名前に「父母」と入っていたが、男は僕1人だった。
数年前まで地元のテレビ局でディレクターをやっていた時も、僕以外のディレクターは全員女性の番組を担当した。
その時に、周りの女性ディレクターやMCの方に「この中であなたの感性が一番女性っぽい」と言われたことは、かなり印象に残っている。見た目は本当、普通のおっさんなのだが。

だから、男が少ない場所でもあまり気にならない。むしろ、周りの女性達が「おや?」となっている雰囲気はよく感じる。まぁ、最初だけ。毎回「きっとすぐに打ち解けられるはず」と信じている。

こども会の立ち上げについては、発起人の方の話を聞く限り「全然アリ」だなと思った。
たしかに地区の「こども会」というと、それだけで親としてはめんどくさそうなイメージがある。
最初は僕もそうだった。コロナでざわつくこの時期に、わざわざ立ち上げる必要はあるんだろうか?と疑問に思っていた。

でも、逆だった。
人間関係が希薄になりつつある今の時期だからこそ、地域でこどもたちを見守る必要がある。そんな風に考え直した。何かあった時に「支える」「支えられる」、そんな関係を親同士で築くことは、決して悪いことじゃない。

全てはこどものため。

根っこにあるのはコレだから、みんな同じ方向は向いているはずなのだ。

「紅一点」の逆を「黒一点」というのかどうかは知らないが、男1人でもやれるだけのことは頑張ろうと思った。



(note更新178日目)



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