公道のど真ん中を、堂々と歩ける日。
1年に1度、宮崎の街中を抜ける公道のど真ん中を昼間から歩ける日がある。
それは「まつりえれこっちゃみやざき」という夏祭りがある日だ。「えれこっちゃ」というのは、宮崎の方言で「大変だ」的な意味。直訳すると「宮崎の大変な祭り」というところ。ネーミングの通り、宮崎の中では夏を彩る大きな祭りのひとつだ。
通りには出店が立ち並び、通常バスや車が行き交う道は歩行者天国となり「市民総踊り」というイベントが行われる。
祭りの期間中、街のメインストリートには10近くのステージがある。実は、この祭りの1つのステージで使われているコーナーガードにキャッチコピーを書いた。ダンスやイベントが行われるステージを取り囲むコーナーガードは12個。一個につき、1本が使われるので、トータル12本。そのうちの6本を担当した。
自分の書いたものが、カタチになるのは嬉しいものだ。去年も同じようにコーナーガードのコピーを担当したのだが、祭り当日はコロナに罹って療養中だったので実物を見ることができなかった。
コーナーガードなんて、本来は目がいかないところ。誰が見るかも分からない場所に、ひっそりと言葉を置いておく。
ステージの演者が、プログラムが始まる前や終わった時にふと目にしたり。
観客がプログラムとプログラムの間の時に、ふと視線を落とした先で目にしたり。
その言葉で「そうそう、そうなんだよね」とか「わかる〜」とか、共感してもらえたら嬉しい。そんなことを目論んで。
夏の空は、青くて高いから好きだ。
そういえば、自分の体に最後に紫斑が出て1か月経つ。もう自分の足や手を見て気分が下がることはなくなった。薬が効いてきたのか、時間も薬になったのか、体調はだいぶ戻ってきている。
こんな風に祭りの会場を歩けるなんて、年明けの状態からしたら考えられなかった。
大きく深呼吸する。
屋台の香り熱気を含んだ空気は、懐かしいくらい夏を感じた。
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