自分史上初の年末年始【バタバタの元日編】
1月1日夜7時。
僕は入院することになり、病棟にいた。
足が痛くて長く歩けなかったので看護師さんから車椅子で大部屋に案内された。カーテンで仕切られているが、他に2人の患者さんがいるらしかった。
正直、朝まで入院するとは思ってなかった。着替えなど何も準備がなかったが、病院だと1日400円かからないくらいで全て整った形で入院できるらしい。病衣に着替えてベッドに寝転ぶ。
なんてこったい…。
天井と仕切られたカーテンの留め具が視界に入る。家でのんびりと正月特番でも見てる時間のなずなのに。大きくため息をついて目を閉じた。
昼、父親の運転で宮崎市内にある実家での新年会に参加した。なかなかテンションも上がらず、食欲もない。
僕が痛そうに足を引きずる姿を心配した親族が「見せてみろ」というので足をチラッと見せてみた。
「えっ…」
みんな絶句。すぐさま病院へ行けという。
実は朝の時点で年末に診察してもらった病院へ連絡したが、元日で専門医がいないので休日当番医へ行ってほしいとのことだったのだ。
…ただなぁ。
休日当番医へ行ってくれということは大病院でも緊急に対応すべき処置はないということだと僕は理解していた。なので、特にそこからアプローチしていなかった。
一方で、僕の足を見た親族たちはザワつき始め、大病院にいくつか電話をし始めた。
…いやいや、ムリやろ。
心配してくれるのはありがたいが、今日は1月1日。そもそも診てくれる病院も少ない。
「紹介状がないとムリだって」
結果的にはそうなったのだが、なんなら紹介状をもらうためにでも休日当番医に行くべきだという話になった。
…わかった。
とりあえず、当番医に連絡すると「どうぞ〜」と軽い感じで受けてもらえたので、とりあえず混んではなさそうだった。
午後2時半。
足が腫れて運転できなかったので、実家の母親に運転してもらって皮膚科へ行った。
状況を全て話し、足を見せると一言。
「こりゃ、入院加療だな」
入院…頭の中でフワッと浮かんだ言葉にポカンとしてしまった。
「元々行ってた病院には行かなかったの?」
「連絡したんですけど、休日当番医に行ってくれと言われました」
伝えると、その医師は「はぁ…」っとため息をついた。
「それ、どうせ正月だからって受付で止まってるんだろうな」
隣にいた看護師さんをチラッと見ると、看護師さんが電話を取った。
「〇〇病院の皮膚科に連絡して。直接話するから」
看護師さんはテキパキと電話を始めた。
「そちらで診察した、あいこうしょうたさんですけど…」
診察室前の廊下で待っていると声が聞こえてくる。
「…はい、はい。入院がいいと思います。あと30分でそっちに行くのでよろしくお願いしますね」
電話が終わるとすぐに呼ばれ、当初診察を受けた病院へ行くことになった。
手際よく手配を進めてもらったものの、専門医がいない状況は変わらず、最初は外科に通された。
ただ、外科でも急変があったらしく、しばらく医師が来れそうにないらしい。
その間に尿検査と血液検査をしたが、異常なし。
代わりに来られた内科の先生も頭を悩ませていた。現状の僕は、皮膚生検中で確定診断待ち。そんな状態で強い薬の投与はしにくい。
とはいえ、休日当番医の先生からは入院加療を進められている。
この時点で午後6時
正直、僕も疲れていた。
「年明け3日までは何か大きな治療ができるわけではないのですが、入院されますか?」
足は痛いし、内出血したままだし、疲れているし。少し前から僕の答えは決まっていた。
「はい。入院させてください」
こうして、2024年1月1日は入院記念日になった。
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