1日半だけの逃避

目の上くらいの高さの植え込みに咲き誇っていたツツジの匂いに、「あ、春だ」と今の季節を思い出した。まわりを見渡すと、あたりは白やピンクのツツジがたくさん咲いていた。合間にはちょこちょこポピーも顔を覗かせている。休日と平日の境界線がなくなって、ずっと同じ人と同じ空間にいることは、今までに経験がなかったことで。知らず知らずのうちに、心のなかが曇っていた。

ちょっとそこまで、人のいない空間でPCを広げる予定だったが、もやもやが濃くなってしまい、気が付いたらビジネスホテルのフロントに立っていた。食費も含めて1万円以内の、徒歩圏内の現実逃避。物理的に「ひとり」になることって、人間が人間として生きるために大切なことのひとつかもしれない。

自宅待機(最短で3ヶ月予定)の不安な気持ち、ずっと同じ情報を繰り返し流すテレビ、いつもよりも攻撃的な流れのTwitter。みんなが、余裕がない。笑っているけれど、焦ってもいる。誰にも読めないから、これはやっぱり戦いのようだし、誰かを敵にしたくなる気持ちもわかる。私だって大切な人に当たってしまいがちだ。

じゃあ、なにができるだろう。空いた時間に、コミュニティのSNS運用サポートに挑戦することが決まったり、STUDIOやプログラミング(基礎の基礎)を学んだり、おうちを整えたり、note書いたり。大人の夏休みだと思い浮かべればわくわくするけれど、やっぱり不安もあって、それが今の現実的な自分の立ち位置で。ゆらゆら、揺れていることに、ただ向き合ってみる。

普段も読んでいたけど、こういう時期は特に、好きなエッセイを書く方々のnoteやマガジンを読んで、呼吸をしている。浅く吐く息が、だんだん深呼吸に変わっていくような、おだやかさと、あたたかさのある文章。吉玉サキさんのマガジン開設をたのしみに待っている。他に購読しているnoteは、スイスイさん「君の日常と混浴したい」、サクちゃんさん「常温やけど」、吉本ばななさん「どくだみちゃんとふしばな」のマガジン。時間ができたよ、深呼吸が足りてないよ、ちょっと疲れてるよ、って方におすすめです。

1日半の逃避によって、おだやかな気持ちで、これから戦闘態勢の残り数日を過ごせそう。自分が満たされたら、誰かにやさしくできるはずだから。相手に求めないで自分のご機嫌をとる方法って、いつになったら体得できたって実感湧くんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?