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世界をどう見るか

相鉄線は深い青で、サファイアみたいで、きれい。街の花屋は、カラフルな色であふれて、その生命力に気圧される。明らかに、冬とは違う色。風は冷たくとも、電車の窓から差す陽は暖かい。パステルのコート、タイツから靴下に着替えてのぞく素足がただ眩しい。

耐えられる地獄と、耐えられない地獄の違いを、わたしは言葉にしたいと思っている。気付けばずっと地獄だったのかもしれないのに、理想郷があると信じているのは、どうして。

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過去の話、生活の話、仕事のことなど、思ったことをつらつら書きます。とらえかたによっては、どんな毎日もきっと味気ある人生。こんな人もいるんだなぁ、って雑談を聞くみたいに、読んでもらえたらうれしいです。
<月4-6回更新> 近所の銭湯1回分、温かい飲み物1杯分。 単品でも100円で買えますが、400円でこのマガジンを購入するとそちらがお得です。

aikoのアルバムが発売された。ずっとエンドレスリピートして、生き返る。息ができる。課金せねばと思いつつ、サブスクが解禁されてからというもの、ずるずると時間が流れることを言い訳にしている。はやくライブに行って散財するから、許して。うるさいほどに通知されるプロモーションに、追いつけなくなっている現実が悲しい。2020年3月のライブチケットはまだ眠っている。
彼女の声は変わらなくて、伸びやかで甘い。起承転結のある恋愛小説のようで、根底にはさみしさを湛えている。だから、勝手に自分の記憶とリンクさせて、何度同じ曲を聴いても違う情景や香りを思い出したりする。薄っぺらくならない。

坂元裕二さんの映画が、記憶を掘り起こすための装置的な役割を果たしている、と言っていた人がいた。自分の話をしたくなる、誰かと共有したくなる。痛くて青い時代を、懐かしみたくなる。aikoの曲も、王道の恋愛ソングなんかじゃない、どろどろした生の感情が綺麗に保存されている気がするから、飽きることなく聴いてしまう。近況報告のように、幸せなときも、切ないときも。暗くて大きな声では言えないような気持ちを、歌だったら言ってもいいような気になる。

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