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行ってきます。


営業時間を過ぎてもカウンターの端の席には空のカップを眺めてるお客さま。
お客さまだけど友達が多い。


40センチ幅の古びたカウンターを挟みながらたわいもない話をして時間が過ぎていく…

カウンターの内側では話を半分で聞きながら淡々とかた付けをしてる自分がいる。

カタッ。と
脚の細いスツールからお客さまが立ち上がる。


「ありがとね、また来てね〜」
今週最後のお客さまをゆっくりと見送る。

チラッと100均のプラスチックの狂いやすい時計を見る。

小さなシンクにカップを置いて
店内の照明をパチパチと勢いよく消して行く。

レジ締めを済ませエプロンを外し
リュックを左肩にかけ上着もマフラーも腕にかけて裏口から飛び出す。

駅まで5分。
電車が来るのも後5分。


海が綺麗で山も川もある日本酒が名作揃いの小さな町の小さな駅の改札を勢いよく通過し電車に乗り込む。

「はぁはぁはぁ…」

1時間に1本あればいいような路線で各駅停車の電車に乗って1時間ちょっと…

この電車に乗らないと
全てが終わる。訳じゃ無いけど。

少し息が切れてしまう。

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