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子供がLGBTQIA+だったら


あなたのお子さんが当事者だったら、どうしますか?


ショッキングですよね。たとえ賛成派だとしても、「お!マジか!」的な衝撃はあると思います。

割とすんなりと理解、サポート出来る親御さんもいれば、

受け入れたいけどなかなか出来ず悩んで親御さん、

最初は大反対だったけど色々考えた結果、子供がそれで幸せならと次第に受け入れ始める親御さん、

絶対ダメ!!!と、断固反対をつらぬく親御さん。


色んな方がいらっしゃるとは思いますが、これだけ言わせてください。

お子さんがLGBTQIA+なのはあなたのせいではない事、
LGBTQIA+だからといって幸せになれない訳ではない事、
一番受け入れてもらいたい人は、あなたという事。
あなたを傷つけたくないからこそ、あえて隠し続けてしんどくなっている人もいると言う事。

そしてもし受け入れて下さったならば、
子供はもっと、あなたの事を大好きになるという事。


お子さんがLGBTQIA+なのはあなたのせいではない


本当にこのままなのですが、遺伝とか、育て方とか、家庭環境のせいなどは関係ありません。
ほとんどのご両親は異性愛者でしょうし、どんな家庭だとか育て方だとかは関係なく、どうしても同性に惹かれる人は惹かれるし、どうしても惹かれない人は惹かれません。


LGBTQIA+だからといって幸せになれない訳ではない


子供を虐待・殺してしまう狂気的なごくごく一部の人たちを除き、どの親御さんもやはり子供には幸せになって欲しいですよね。
同性愛者だと何かと不都合が起きて、自分の大切な子供が幸せになれないのではと不安になり、心配になられる事でしょう。

自分の子供が同性愛者だったら、

(A)いじめられるんじゃないか、(B)悲しい思いをするんじゃないか、(C)将来結婚して子供を持って、(D)順調にキャリアアップして、という幸せが作れないのでは、と。

しかしこれらの問題は、親御さんも含め一人でも多くの人達、社会が認め、行動に移していくことで解決します。
どういうことかと言いますと、

(A): 教育システム内で「色んな人、愛のカタチ、家族、人種、(その他色々)がいる/あるんだよ」という事を小さい時から教えれば、色んな人がいる事が当たり前という感覚になり、わざわざいじめる事は無くなるでしょう。

(B): ⇧このような考えを個人間や、企業/団体向けのセミナーでどんどん拡散していけば、大人の中でも理解が増え、心無い言動を当事者に向ける事は無くなっていくでしょう。

(C): 同性婚を合法化し、精子/卵子提供の制度や養子制度を同性カップルにも適用するよう整えれば、子供を持つことが出来ます。

(D): (B)と同じように大人の中でも正しい情報が広まる事と、「会社内で性自認や性趣向によって不平等な扱いをしてはいけない」などの法律を作れば、性自認や性趣向によってではなく、その人の仕事の実力においてのみの昇進が下されるようになるでしょう。
(アメリカでは「性的少数者だからといって解雇することは違法」という判決が下されました。)

よって社会全体が認めて動けば、あなたの大切なお子さんも、異性愛者と同じような幸せを持つ事は出来ます。


当事者が一番受け入れてもらいたい人は、あなた


やっぱり、親です。反抗期もあって、あなたの事を嫌っている時期もあったかもしれません。

反抗期が終わった今でも、ツンツンしているかもしれません。

「父/母ちゃんうるせえなぁもう子供じゃないんだよ!」とか言いつつも、あなたが世界で唯一の自分の親であり、今まで育ててきてくれた大事な、感謝すべき存在だという認識はしています。

血が繋がって無かったら、絶対友達にもなってないって位性格が合わないかもしれませんが、どんな親友や恋人よりも自分の事をずっと長く見てくれていて、どれだけ自分がわがままを言って大喧嘩してもいつもご飯を作ってくれて、支えてくれて、これからも裏切ったり、離れていく事はないだろうという安心感と信頼感をあなたに抱いています。

たとえ友達や親戚に反対されて嫌なことを言われても、そんな大切な存在である親さえ認めてくれたら、どれだけ救われるか。

自分がセクシュアリティについて悩んでる時、今までと同じように相談に乗って欲しい。

そして大切なかけがえのない自分の親に、大切な事を伝えたい。大切な人を紹介したい。

もし友達や同僚から嫌な扱いを受けていたとしたら、頼れるのはもう自分の親のみなので、なおさら受け入れて欲しい。
(逆に親にまで反対されたらどれだけショックか。自殺に繋がる事もあります。)


それなのに一番言いにくい人も、あなた


そんな自分本位なわがままばかり言って、
親を困らせたくないから。
親を悲しませたくないから。

親だって人間で、仏や仙人じゃない事は分かっています。
自分が性的マイノリティである事が、そうではない親からしたら非常にショッキングである事も分かっています。

今まであなたに大切にしてもらって、私達は今、立派に大きくなりました。
あなたにとっては、私たちはいつまでも子供のままかもしれませんが、「雑だ」と怒られるかもしれませんが、一応自分で身の回りの世話は出来るようになりました。
道端でこけても泣かずに、一人で立ち上がる事ができるようになりました。

全て、あなたのおかげです。

なので、感謝してるからこそ、傷つけたくない。

そう思って、言えずに隠したままの人もいます。

友達には言えるけど、親には言えないパターンのうちの一つです。

人によっては、単に絶対反対されて怒られるのが目に見えてて、それがめんどくさいから、うざいから、だったら隠しといた方がマシ。という考えからの人もいます。

しかし中には、親を傷つけたくない一心で、自分の心を傷つける選択をとる人もいます。

好きな人が同性なだけで、大切な親が悲しむ世の中、
悲しむだろうという思考がある現状、、、。

たとえ人としてどんなに素敵で自慢の相手だとしても、
同性というだけで大切な親が悲しむなんて。

だから隠して、心に蓋をする。

親も子も、お互い大切に思い合っているのに、
どちらかが傷ついてしまうこの現状。

私が一番悲しいところです。


受け入れる事が出来たら、もっとあなたを好きになる。


性自認や性的指向というのは重要なアイデンティティの1つです。それを隠していても一見何事もなく普通に見えるかもしれませんが、何か薄い、ラップのようなフィルターが自分の周りを覆っていて、相手との間に無意識に壁が作られているような感じです。

7,8年ほど前にとある友達にカミングアウトした時、そう言われました。
「だからか~!なんかアイカちゃんとの間にはなんか壁あるなと思っててんなぁ!ラップみたいな薄いのん!」と。
それを言われて、私もすごくしっくりきました。

当時はまだそんなに多くの人には公にしていませんでしたが本当にその通りです。普段は普通に皆とワイワイと楽しく喋るし遊ぶけど、そういう話は避けようとしたり彼女の名前を男の名前にして話してみたり、「写真見せてよ!」と言われても「写真ないねん」「嘘や絶対あるはずやって!」「ほんまやって!二人とも写真嫌いやねんって!」と、必死のパッチ。疲れるだけの嘘の連続。

上記のお話は私の友達との間に実際にあった事ですが、全て、”友達”の部分を”親”に置き換える事が出来ます。
⇒帰省や親戚で集まる度に聞かれる、「良い人は出来たのか?」「いつ結婚するんだ?」攻撃。

自分の名前の次かそれ以上に基本的な、「自分を構成している事」である性自認や性的指向。これを隠したまま、隠すだけではなくそれに無理矢理嘘をつき続ける状態。こんな状態で、相手に本当に壁がないと言う方が嘘です。

カミングアウトして以降は本当に心がパァッ!と晴れて、気持ちが明るく軽やかになり、もっとその友達とナチュラルに過ごせるようになりました。

もう恋愛話が始まるのを恐れなくて良いんだ。

もう嘘をつかなくて良いんだ。

嘘ばかりの話につじつまが合わなくなってきて焦る事もなくなるんだ。

恋人の本当の名前を言っても良いんだ。

自分も、惚気話して良いんだ。

これでやっと、自慢の恋人の事を紹介できるんだ。

このように、子供は

「お父さん/お母さんは、自分が自分であること、ありのままの自分を受け入れてくれた。今までもそうだったように、これからもずっと、いつでも味方でいてくれて、愛して、応援してくれるんだ。」

と、あなたの事を大好きになります。


まとめ


なので、もし本当にお子さんの幸せを願っておられるならば、どうかどうか認めて、支えてあげて頂きたいと思っています。

すごくショックである事は重々承知していますが、どうかお子さんの性自認/性的指向を受け入れ、LGBTQIA+に対しての活動をしている団体や社会の応援をして頂きたく思っています。そうすれば、お子さんは幸せになれるからです。

いつまでたってもわがままばかりで、本当に申し訳ありません。

しかし、私達は変われないんです。ストレートのほうが色々生きやすいのは分かっています。でも、変わろうと思っても、変われないのです。

なので私達には、自分にとって一番大切な存在である親御さんの力が必要なんです。

どうかどうかお願い致します。


最後に、以前の記事より歌詞を抜粋させて頂きます。

本日はわがままばかりの内容にお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。

この記事がたったひとりでも、誰かの/どこかのご家族の為になることを願っています。

Aika.

”I can't change
変わる事は出来ないの
Even if I tried
頑張ってみたけど
Even if I wanted to
自分でも変わりたかったんだけど
And I can't change
やっぱり変わる事は出来ないの”


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