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古着MIXの学生さんも京都老舗のマダムも着られる服 [ターゲットの話]

先日(5/31~6/3)日本で初めての展示販売会をしました。

4日間の展示会を通してブランドターゲットについて気付いたこと?悟ったこと?があったので、今日はそれについて書いていこうと思います。

目次
・ブランディングの起点:ターゲティング
・接客を通しての気付き
・カメレオンのような服

ブランディングの起点:ターゲティング

“renacnatta”を立ち上げようと決めた時、考えなくてはならなかったのがターゲット
こういうブランドの服を着て、こういう雑誌を読んで、こういう意識をもって生活している人に刺さるブランドにしていきたい、などなど…ターゲティングをし、年齢でいうと自分と同じ世代の20代後半〜30代後半の女性を考えていました。

そしてブランドを立ち上げるためにクラウドファンディングを2ヶ月間実施し、それが終わって支援者さん達のデータを見てみるとびっくり。
年齢は見事にバラバラ。
20代〜50代の幅広い世代の方に支援していただいていました。(クラウドファンディングで始めたことによって最初にこういったデータも手に入れることができたのもよかった。)

そのあと始まったオンラインショップでもおそらく20代〜50代の人に買ってもらっています。はっきりはわかりませんが、メールでのやりとりやSNSを通してそんな気が。

アパレルではブランドターゲットは狭いほど、よりユニークなブランドを構築することができて、逆にブランドターゲットを広げるほど、大きな顧客数を見込むことができる。その代わり、ブランドの個性が失われてコモディティ化してしまう(市場価値が下がってしまう)リスクもあるというのが基本的な考え方。

私にもそんな意識があって、年齢層が広すぎるから絞った方がいいのかな、方向性を見直した方がいいのかな、という考えが時々頭をよぎっていました。

接客を通しての気付き

そしてやってきた先日の日本で初めての展示販売会。京都の町家ギャラリーでの4日間の会期中、学生さんから私の母親世代のマダム(50代)まで幅広い世代の人が足を運んでくださり購入してくれました。
そう、やっぱり客層が広いのです。
しかし、お客様とダイレクトに接して、色々な人と会話をしていく中で徐々にブランドターゲットが明確になっていきました。

そのきっかけは、多くの方が「コンセプトに惹かれました」「世界観が素敵です」と言ってくださったこと。
前回書きましたが“renacnatta"のコンセプトで1番に掲げているのが「文化を纏う」というフレーズ。
その中に含まれている具体的なこととしては
・着物とシルクのリバーシブル
・デッドストックのみの使用
・着物からヒントを得た巻きスカート
といったところです。

“renacnatta"ではスカート=ファッションアイテムをという意識は持たず、上記のコンセプトを第一に掲げて展開しています。なので、「コンセプト・世界観に惹かれた」という言葉が一番の褒め言葉だなと再確認したわけです。そして、私のブランドのターゲットは年齢や、趣味嗜好、服のスタイルなどをすべて取っ払って「コンセプト」に共感してくれる人という非常にシンプルなところに行きつくのではないか、という答えが自分の中で出ました。

展示会には試着室も用意していたので気になるスカートはその場でどんどん試着してもらいました。来てくださった方がその場で着てくれるのを見て、同じ形、柄のスカートでも着る人(世代)によって印象がこんなにも変わるのかと(自分でデザインしておいてあれですが…)不思議に感じました。

具体的な例だと今回は、ファッションを勉強している古着MIX系な学生さんと京都の老舗の金箔メーカーの若奥様が同じ柄のスカートを買っていきました。う〜ん、なんか感慨深い

↑これがその学生さんの"renacnatta"コーデ。和物を今時に組み合わせていて素敵...!!

カメレオンのような服

ブランド立ち上げ当初はこんなに幅広い層(クラスタもバラバラ)の女性に着てもらえるブランドになるとは思ってもいなかったので本当にありがたいことだと、しみじみ思いました。
そして今回の展示会を機に最初に設定していながらも疑問を感じていたターゲットを思い切って取っ払うことができました。

そうして見えてきたのは“renacnatta”のスカートは形がシンプルだからこそ、カメレオンのように着てくれる人それぞれに馴染んでいく、ということ。

これに気付けた(そういう方向性で行こうと決められた)ことも初の展示会での大きな収穫でした。

ほとんどのブランドにとってターゲットは超超大事だと思うし、一度決めたら取っ払うもんなんかじゃないと思うのですが、え〜い、取っ払っちゃえ!と決めてしまった破天荒なブランドの一例だと思っていただければ...

それができたのも自信を持って掲げているコンセプトがあるからこそだと思うので(むしろブランドは全てこの思いつきから始まったし...)これからもその強みは大事にしていかなきゃなとも再認識。

これからも“renacnatta”の世界観に共感してくれるたくさんの女性に届きますように..!!

Cover photo from my Instagram (@by_aika): ミラノGaribaldi地区での"renacnatta"撮影風景

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