人間を育てること

私は、これまで少しですが、マネージャーというポジションで「人を育てる」ということもしました。ただ、これは単純に自分の知っている知識を教えるということではなく、部下の性格、関心事、生活環境など、その人のことをもっと知らないと、本当の意味でのマネージャーにはなれないのだと思います。

母親である私は、日常的に常に「人間を育てる立場」にいるのですが、子育てと部下の管理は本当に似ているようで違います。子供は無条件に親を信じていますが、部下はそうではありません。いつか、私のポジションを獲得したいとか、私はできないマネージャーだとか色んなことを言ってくる人もいるわけです。たとえ、私が「できない」のは、私の立場上、もっと上からの指示が下りてきているけれど、それを明らかに部下に伝えられない場合もあるわけです。

こういう仕事は、私のようにタイトルとか名誉とかを追いかけてこなかった人には限界があるように思えました。そして、同じチームでずっと信頼関係を築かなければなりませんが、それもなんか私の中でしっくりきませんでした。「We are all family」とか言っていた同僚が次の日に首になれば、誰の何も声をかけずに疎遠になってしまうのです。変な世の中です。

だけど、子育ては違います。子育てはまるで私の鏡のように子供たちが育っていくのです。私が明るければ子供も明るい。私が勉強をしていれば子供も興味を持つ。人にきちんと挨拶をするママを見て、社交的な礼儀正しい子が育つのです。

私の最大の弱点は自分に自信がないところなのですが、これを子供には絶対に受け継がせたくないと、毎日「生まれてきてくれてありがとう」と言っています。もう子供は「もう分かった、言わなくていいから」というような年になりましたが、それだけ頭にインプットさせておけば、人生何が起きても自分を失わないで済むんじゃないかなと思います。

部下にはそんなことは言えないですからね、やっぱりその信頼関係には限界があるのです。ただの契約関係にすぎませんから、そういう繋がりでしかない人の信頼を得ていくということはある意味見せかけの信頼に過ぎません。

子育てほど、長時間勤務で体力、忍耐力、人間力を鍛えられる仕事がこの世にあるのだろうかと思います。そんなことをしながらも、世の中の女性は、厳しいビジネスの世の中でも戦っているって本当に凄いですよね。

私も、苦いこれまでの社会人経験を忘れて、手に職をつけ、この会社を首になっても次があると思える強い母でいたいと思います。

今日も勉強頑張るぞー


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