ちょっと不思議な日の話
昨日はごく普通の日だった。
仕事が終わって保育園で息子と合流するまでは。
帰り道、コンビニに寄ることにした。
車での帰路なのでコンビニの選択肢はいくつかある。
昨日は久しぶりに寄ったセブンイレブン。
店長さんがやたら気さくに挨拶してくると思ったら、
おせちの試食をしていきませんか?という。
じゃあ、、とついて行ったら、案内されたのはバックヤード。
戸惑いつつ入ると、中にはテーブルとイスが用意されている。
テーブルには赤いペーパークロスを敷き、
ランチョンマットと寿印の割り箸、富士山の箸置き。
雑然としたものが見えないように、コンビニによく立っている「おにぎり100円」とかのノボリ達がぐるりと空間を取り巻いている。
淹れたばかりのお茶と、小皿にちょっとずつお節盛り合わせが出てきた。
ご丁寧にお品書きまで置いてある。
意外すぎてちょっと半笑いで食べていると、また別のお客さんが連れてこられ、やっぱり戸惑いつつ席に着く。
息子はよく考えたらお節に入っている練りものなどは苦手だった。
少し食べるとあとは箸で箸置きを持ち上げたりして遊んでいる。
お箸上手だねとか、かわいいねとか言ってもらっている。
残りは私が戴いて、さて帰ろうとするとお土産までいただいた。
コンビニのビニール袋の中に、お節とクリスマスケーキのパンフ、
試食で食べたお節が少量入ったカップ、そして林檎1個。
これも持って行きなさい、と色々持たせてくれる近所のおばあちゃんの家に来たかのよう。
おそらく、以前は個人商店だったのがコンビニになった店舗だろうか、この気さくさと独自性。
試食はこの日の数時間限定だったらしい。このセブンイレブンには本当に久々に寄ったのですごい偶然。
バックヤードの扉に入ったときは、日常の世界からちょっと横に存在する違う世界に来てしまったかのようだった。
家に帰っても、まだおかしな日常はつづく。
コンビニで買ったものを冷蔵庫に入れていると、突然バサバサッ!と何かが頭上をかすめた。
鳥だ。
気づくと鳥が家の中を飛びまわっている。
冷蔵庫をバンと開け閉めしたのに驚いたのかもしれない。
止まったところを見るとスズメだった。
息子は大喜び。
外に追い出そうと追いかけるのだけど、すべての部屋の扉を開けていたのでいろんな部屋に移動していく。
出口を探して飛び回り、何度も壁にぶつかっている。
スズメも必死だろうがこちらも必死。
玄関の扉を開けて、とにかくそこに誘導したい。
何度目かの右往左往で、やっと玄関から出ていった。
さて部屋を見てみると、あちらこちらに白い点が。
多分緊張状態だったんだろう。盛大な落し物は無いけれど、本当に小さな白い点を部屋中に落していた。
それにしてもいつ入ったんだろう。家に入って5分程は経っていた。
まさか鳥が通れる穴が家のどこかに!?とも考えたけど、おそらく車から荷物を降ろしたりしてる間に飛び込んだんだろう。
息子は、またスズメさん来てね、と言っていたけど、後片付けが大変なのでもう御遠慮願いたい。
夕方まではごく普通の一日で、あとはご飯作ってお風呂沸かして、、とごく普通に一日がおわるはずだった。
短時間に2つも非日常な出来事があり、疲れたとか楽しいとかでもなく、
なんだか不思議で、ふわふわした気持ちで一日が終わったのだった。
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