見出し画像

なるかみのすこしとよみてさしくもり あめもふらんか きみをとどめん(柿本人麻呂)

(2018年〜2020年くらいに書く)

「言の葉の庭」というアニメを見た。                
雨の日の新宿御苑。

なるかみのすこしとよみてさしくもり あめもふらんか きみをとどめん 


(雷がすこし鳴って雨がふらないかな。そうしたら きみをここにおいておけるのに)

女のひとが この歌を口にして。のちに会ったとき少年は 

なるかみのすこしとよみてふらずとも われはとどまらむ 妹しとどめば 


(あめがふらなくても きみがいうなら ぼくは ここにいる) 

と返す。


少年は、さいしょことばの意味が解らなかった。
だけど古典の教科書に載っていたのだと言う。
意味が解らないものが、時間をかけてだんだん解るものになっていくということ。


ラストにかかるRainという曲。                    大江千里の歌を秦基博がカバーしている。               わたしは原曲がすきなのだけど、秦基博の声も切なくて いいなと思いながら聞いているとき頭のなかでは原曲も同時に流れてくるので二重になる声や地点。

ああこれは本歌取りのようで ざあっと脳内で濃度のある あめの糖分が溶けていくような ぜいたくな気分。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?