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ペンギン・ハイウェイを観た

映画『ペンギン・ハイウェイ』観た。


まず面白かった。
ただオススメ出来るかというと微妙だ。映像は綺麗だし音楽も小気味いい、物語もある種の型から大きく外れないので置いてかれることもないだろう。

ただ、わざと誤解が起きやすいように作ってある気がしたな。俺が解説とか考察とかまったく見る性分じゃないので、確かな事はわからないから個人の解釈だし、妄想だけどそう感じた。

物語は素晴らしかった。ただ物語の作りを観ててなにか違和感を感じて、その正体もよくわからない。その感じてる事を説明するなら
「試し」「意地悪」「選民」「諦め」「格差」
なんかこんなことを混ぜたなにかを感じた。



もし制作者がこの映画を観て貰って
「わかる人にはわかってもらって、わからない人にはペンギンが可愛くて空と街が綺麗だったなって思ってもらったらいいさ」
って思ってるのなら正しいのだろうか?

「全員にわかる映画なんて作れない、ならばわからない人も楽しんでほしい」
なんて主張は正しいようにみえるけどさ、そんな感じでもないんだよね。

例えば、主人公は小学生なんだけど「1日30分おっぱいのことを考える」「お姉さん(この映画のヒロイン)はおっぱいが大きいので嬉しい」みたいな発言をする。
これってもちろん物語的には意味のあることなんだけど「わからない人」にとっては小学生が性欲で動いてる気持ち悪い描写なんだよね。つまり「わからない人」にとって気持ちよくない映画として出来てる。しかも一見綺麗。それなのに誰にもわかるようには出来てない。

綺麗なのに気持ち悪い、わかりやすいのにわかりづらい。凄い歪だ。

なんだったら劇中では登場人物の意見という形で視聴者にわざと間違った解釈すら与える。「こいつはこう言ってるけど違う!気づいたぞ!」の快楽を与えたい映画だこれ。

「わかった!」は娯楽だし、結構気持ちいい。
ただこの映画の後にあるのは断絶と諦めだ。作った人達が善意で作っていて欲しいと心底思った。

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