私の記憶の話
夢の次は、記憶の話。
私に残る最初の記憶は3歳。
母と姉と、川へ遊びに行く時でした。
道路を渡る時の車確認。
「右よーし、左よーし」
何故かその日は慌てたか、怠けたか。
「右よーし」
で、飛び出しました。
その後の記憶は、ベッドの上。
完全に左を見ずに渡った子どもの私が悪い、
交通事故です。
猫のように、くるくる飛んだらしい。
2歳上の姉にはどんな光景に見えたんだろうか。「愛ちゃんの靴、靴が…」と泣いたそうな。
左太腿を骨折しながらも、
「キレイにポキッ」と折れたらしく、
手術をしなくて良かったと聞きました。
動いてはいけないからと、吊り上げられた左脚。
そのうちに、足の長さが変わってしまうからと、両足を90度に吊り上げた状態での入院生活が始まりました。
「え?それなんだっけ?」
「愛ちゃんは本当に何にも覚えてない」と、家族に呆れられるくらい今でも忘れっぽいのに
この入院生活の記憶は、誰と何を喋ったかも、何で遊んでいたかも、驚くほど鮮明です。
祖父が毎日買ってきてくれる「ノンタン」の絵本が楽しみ。
[ガサガサと袋の音がしなければ振り向きもしないワガママ孫!]
私のおもちゃ「お姉ちゃんは触っちゃダメ!」
[なんてワガママ妹!]
お爺ちゃん、ありがとう!
お姉ちゃん、寂しい思いさせてごめんね!
病院で泣きながら観た小公女セーラの最終回。
3ヶ月ぶりに行く幼稚園はなんだか恥ずかしくて、
節分の鬼がいる集合写真には、「絶対下りないから」と、父に抱っこしてもらって写りました。
「生きててくれるだけでいいよ」と思った母の気持ちも、今ならわかる。
うん、生きててよかったなぁ。
入院生活の笑い話も、またいつの日か。