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油田の規模と採掘の現実:韓国の挑戦(韓国は朝鮮?)

 2024年6月に入ってから、 #韓国 #油田 の話で盛り上がっていますね。私は #地質学 マガジンも発行していますが、韓国や #北朝鮮 の日本海側に大規模な #海底油田 があることは、昔から常識でした。これまでに #石油メジャー が何度も調査をしており、存在は確認されていますが、経済的に採掘することは不可能だというのがこれまでの常識でした。

#石油採掘技術 は毎年劇的に向上しており、その顕著な例が地底を横に掘る #シェールオイル #シェールガス の採掘技術です。深く考えないと、地面に対して垂直にドリルで穴をあけ、ターゲットとした地層で搾油管を曲げて横に掘り続ける技術が奇跡のように感じられないかも知れませんが、これは非常に高度な技術です。

【図解】シェールガスの採掘工程

 そのため、これまで世界中の石油メジャーが採算が合わないとして、どこも採掘してこなかった日本海の #海底油田 を20年先の未来の #夢の技術 で掘れないとは断言できません。ただし、私の専門知識の範疇では、韓国の #尹錫悦 大統領が韓国の歴史上最悪の #不支持率 70~80%を叩き出したこのタイミングで、韓国には140億バレルの油田があるので、韓国経済は盤石だと寝言を言っているのは、単なる人気稼ぎの与太話に過ぎないでしょう。

 米国の深海技術評価専門企業アクトジオ社のビトル・アブレウは、『韓国南東沖の海盆に140億バレルの油田の可能性』を指摘すると同時に、『試掘中に燃料が採掘される可能性は20%で、うまくいかない可能性が80%ある』と述べています。近年の試掘技術は極めて高くなっており、私の知っている採掘専門家の成功率は、数十年前の段階で90%を超えていたので、アクトジオ社の20%という尹錫悦大統領の支持率に匹敵する低い数字は、確実に失敗すると言っているのと同じです。

 この記事の後半でジャイアント油田などの定義を説明しますが、 #5億バレル #ジャイアント と呼ばれる石油業界で、 #140億バレル がどれほど嘘くさい数字かピンとくる嗅覚が資源経済学者には必要なのです。(笑)

 ところで、皆さんは油田の規模を聞いて、瞬時に『でけぇ!』と驚いたり、『そんなもん掘っても仕方ないでしょう』と言った感覚はありますか? 私の専門分野は #再生可能エネルギー ですが、様々な油田を訪問しているので、何億バレルと聞くと『あぁ、あの油田と同じ規模だね』という感覚があります。私が訪問している一番小さな油田は、 #チュニジア のEl-Borma(エル・ボルマ)油田です。チュニジアには産油国のイメージは無いので、実質ないのと同じような感じです。ところが、El-Bormaはチュニジアでは最大の油田・ガス田で、石油業界ではこのサイズからジャイアントと呼ばれ、名前くらい暗記していないと専門家とは見なされません。

El-Borma油田の概要

発見と開発
 El-Borma油田は1964年に発見されました。南部のサハラ砂漠地域に位置し、 #アルジェリア との国境に近い場所にあります。イタリアの石油会社Eni(エニ)とチュニジア国営石油会社ETAP(Entreprise Tunisienne d'Activités Pétrolières)が共同で開発を行っています。El-Borma油田に限定すると、両者が共同出資して作ったSITEP(Société Italo-Tunisienne d'Exploitation Pétrolière)社が管理しています。

埋蔵量
#石油業界 では究極可採埋蔵量が5億バレル以上になると『 #ジャイアント油田 』で、その倍の10億バレル以上が『 #スーパージャイアント油田 』と呼ばれています。El-Borma油田は推定埋蔵量が5億バレル以上とされており、ジャイアント油田に分類されています。

 SITEP社の社長は頻繁に変わっていますが、この会社の50周年記念に呼ばれて訪問したときにいただいた社史によると、初代社長暗殺、二代目暗殺、三代目暗殺と、世界的に知られていないEl-Borma油田程度のジャイアント油田一つでも、 #石油利権 が絡むと多くの人が命を落とすことは珍しいことではありません。高々5億バレルでも戦争になりかねない石油業界で、韓国と北朝鮮の近海で #可採埋蔵量 100億バレル級の油田が発見されると、韓国も北朝鮮も瞬時に戦争に巻き込まれて消滅するでしょう。

石油の可採埋蔵量と究極可採埋蔵量の違い

可採埋蔵量(Proven Reserves)
定義:現在の技術と経済状況に基づいて、採掘が可能であると確認された石油や天然ガスの量。
特徴:採掘技術の進歩や経済条件の変化に応じて変動します。採算が取れると見込まれる埋蔵量を指します。
重要性:石油会社や投資家にとって、現実的な生産計画を立てる際の基準となります。

究極可採埋蔵量(Ultimate Recoverable Resources, URR)
定義:既に採掘された量と将来採掘可能と予想される量を含む、最終的に採掘可能な石油や天然ガスの総量。
特徴:地質学的調査や長期的な技術進歩を考慮した予測値であり、長期的な資源の持続可能性を評価するために使用されます。
重要性:地球全体のエネルギー資源の評価や将来のエネルギー戦略の立案において重要です。

巨大油田と巨大ガス田の定義

巨大油田(Giant Oil Field)
定義:究極可採埋蔵量が5億バレル(80百万kL)以上の油田。
特徴:世界の石油供給において非常に重要な役割を果たし、多くの国際石油会社が開発と生産に関わります。
例:サウジアラビアのガワール油田、クウェートのブルガン油田。

スーパージャイアント油田(Supergiant Oil Field)
定義:究極可採埋蔵量が10億バレル(160百万kL)以上の油田。
特徴:世界の石油生産量の大部分を占めることが多く、非常に高い生産能力を持っています。
例:イラクのルメイラ油田、サウジアラビアのサファニヤ油田。

巨大ガス田(Giant Gas Field)
定義:究極可採埋蔵量が3.5兆立方フィート(95億立方メートル)以上のガス田。
特徴:世界の天然ガス供給において重要な位置を占め、大規模なインフラが必要です。
例:ロシアのウレンゴイガス田、カタールのノースドームガス田。

まとめ
可採埋蔵量:現時点で経済的に採掘可能な資源量を指し、技術と経済状況に依存します。
究極可採埋蔵量:長期的な視点で、最終的に採掘可能な資源量を予測したものです。
ジャイアント油田:5億バレル(80百万kL)以上の究極可採埋蔵量を持つ油田。
スーパージャイアント油田:10億バレル(160百万kL)以上の究極可採埋蔵量を持つ油田。
巨大ガス田:3.5兆立方フィート(95億立方メートル)以上の究極可採埋蔵量を持つガス田。

武智倫太郎

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