新世界秩序:BRICS拡大が引き起こす米ドル崩壊 V
私はモザンビークや南アフリカなどアフリカ南部で活動していることが多いことは、読者の皆さまはご存じだと思います。日本ではジンバブエがどこにあるか知らない方が多いので、ジンバブエの位置を説明すると、モザンビークよりも西側で南アフリカより北に位置している国がジンバブエです。ヴィクトリアの滝があることで有名ですが、温暖な気候と適度な降雨量から農業が盛んな国で、かつては『アフリカのパンかご』と呼ばれるほど、小麦などの穀物が大量に採れていた国です。
日本では #ジンバブエ ドルの #ハイパーインフレ が有名かもしれませんが、私は100兆ジンバブエドル札を持っています。現在、この100兆ジンバブエドルは、現地ではアンティークジンバブエドルと呼ばれていますが、この100兆ジンバブエドルが発行されていたのは約10年前の2014年頃の話です。
通貨の歴史的には、世界の通貨の大半が100年以内に破綻していることについては以前の記事で説明しましたが、貨幣価値がいきなりゼロになってしまうのはよくある話です。現在でも、自国の通貨を信用していない人々は世界中に大勢います。
ハードカレンシーと呼ばれる米ドル、ユーロ、日本円などなら大丈夫だと思っている人も少なからずいますが、 #米ドル崩壊 、 #米国政府閉鎖 、 #ユーロ崩壊 、 #円崩壊 などの報道を真剣に考えたことはないのでしょうか?
そこで、米ドルの価値とは何か、そして #BRICS PAYが普及すると、米ドルや日本円が紙切れになっても不思議ではないことについて解説します。
なぜ米ドルには価値があるのか?
ジンバブエドルも米ドルも、誰も信用しなければ、どちらも紙切れに過ぎません。世界中の紙幣に価値がある最大の理由は、多くの人がその紙切れに価値があると思っているからです。ジンバブエ政府が紙幣に #100兆ジンバブエドル と印刷しても、実際には1円の価値もなかったのは、誰もその価値を認めなかったからです。貨幣としての価値を認められない紙幣には、古紙としての価値しかないのです。保存状態が良ければ、コレクションアイテムとしての価値もあります。
もともと米ドルが価値を持っていたのは、米ドルはゴールドと交換できる紙だったからです。この政府が保証した、紙幣とゴールドの交換制度のことを #金兌換制度 と言います。つまり、価値があるのは紙幣の米ドルではなく、米ドルと交換できるゴールドだったのです。
ところが、アメリカはある日突然、金兌換制度を中止してしまいます。これが中学校の社会科で習う #ニクソンショック です。
金兌換制度の終焉により、米ドルは金による裏付けを失いましたが、 #ペトロダラー 体制によって国際取引の主要通貨としての地位を維持しました。石油取引における米ドルの使用が増えたことで、米ドルの需要は依然として高水準を維持しました。
米国の経済的利益
ペトロダラー体制は、米国が貿易赤字を持続可能なものにし、経済的な優位性を維持するための重要なメカニズムとなりました。また、石油輸出国が得たドルを米国の金融市場に再投資することで、米国の金融市場の流動性が高まり、低金利が維持されました。
金兌換性の終了とペトロダラー体制の成立は、米ドルが国際金融システムにおいて中心的な役割を果たし続けるための重要な転換点でした。これにより、米国は経済的および地政学的な影響力を維持し、世界経済における支配的な地位を確保しました。
現在の米ドルに価値があるのは、ドルをゴールドではなく、石油に交換できる紙幣だからであり、米国が世界経済を牽引できるのも、米ドルが石油の現物に裏打ちされているからに過ぎません。つまり、米ドルが石油と交換できなくなり、ペトロダラーでなくなると、米ドルはいつ紙切れになっても不思議ではないのです。
つづく…
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