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テスラ見捨てたソロス、マスクは窮地に!?

 AI無知倫理学会は、既にChatGPTを起爆剤としたAIブームの終焉(AIバブルの崩壊)を予測しています。ソロスもAIバブルの崩壊を見据えているのかも知れません。 

  ジョージ・ソロスはハンガリー出身の投資家で、特に1980年代から1990年代にかけての成功から、マーケットの魔術師の異名で知られています。彼はソロス・ファンド・マネジメント(SFM)を運営し、自身の投資哲学を用いて数十年にわたり世界の金融市場に絶大な影響を及ぼしてきました。また、彼は慈善活動家としても知られ、教育や民主主義の推進、人権問題への支援などを通じて、現在でも多大な影響力を持っています。
 
 ソロスが1992年に英ポンドに対する大規模なショートポジションを取った結果、英中銀は外貨準備を失い『暗黒の水曜日』と呼ばれる英国経済の危機を招く結果となりました。これによりソロスは10億ドル以上の利益を得、一方で英国経済には深刻な打撃を与えたことから『イングランド銀行を潰した男』という異名も持っているヘッジファンド業界の重鎮です。
 
 ソロスがLSE在学中に学んだカール・ポパーの哲学思想に広範な影響を受けてることは、彼の著書などからも明らかです。カール・ポパーの可謬論(可謬主義)が、ソロスの座右の名として知られている『相場は常に間違っている』にも強い影響を与えています。

相場は常に間違っている

可謬主義(かびゅうしゅぎ、英: Fallibilism)は、『知識についてのあらゆる主張は、原理的には誤りうる』という哲学上の学説。知識が絶対に確実であることは不可能であるとまで論ずる可謬主義者たちもいる。

  ソロスの投資哲学に最も影響を与えたカール・ポパーは、科学哲学、社会哲学、政治哲学などの領域で主要な貢献を果たした20世紀の主要な哲学者です。彼の哲学はAI倫理にも影響を与えており、特にその開かれた社会の哲学、非命定主義、批判的理性主義などが、AIが個人や社会に及ぼす可能性のある影響を考える際の重要な枠組みを提供しています。
 
開かれた社会の哲学:ポパーの『開かれた社会とその敵(The open society and its enemies)』は、個人主義、民主主義、そして社会・政治制度が成長と変化を可能にする必要性を主張しています。これはAI倫理にとって重要な視点で、AI技術が自由で開かれた社会を促進するように設計・実装されるべきであるという主張を支えています。
 
非命定主義:ポパーは歴史的または科学的な法則によって人間の行動や社会の発展が予め定まっているという考え方を批判しました。これはAIの未来を考える際に重要な視点を提供します。AIの発展は避けられない運命ではなく、私たちの選択と行動によって形成されるという考え方です。
 
批判的理性主義:ポパーは知識の進歩は反証と批判を通じて達成されると主張しました。これはAI開発と利用の過程で、新たな技術が持つ潜在的な問題を常に批判的に評価し、問題が見つかった場合には改善を試みるという姿勢を支持します。
 
なぜ、ソロスはマスクを見限ったのか?
 
 SFMは2023年5月に入ってから、テスラの株式を完全に売却し、EV新興企業のリビアン・オートモーティブ株の保有も減らすことを決定したことが報じられています。両社ともにEV産業の重要プレイヤーであるため、ソロスがEV市場に見切りをつけたという観点から解説しているマスメディアもあります。特にテスラはイーロン・マスクCEOのもとで急速に成長を遂げ、現代のEV市場を牽引する存在となっていることから、ソロスのテスラ株売却は、EV事業やその将来性への信頼性に疑問などが論じられています。
 
 また、マスクCEOは近年、自身の発言や行動で繰り返し物議を醸しており、一部では彼のリーダーシップに対する疑念が浮上しています。マスクが最近、ソロスへの批判的なツイートを行ったことも、このような疑念を深める要素となっています。ソロスとマスクの対立は、各々が市場や投資家心理に大きな影響力を持つため、この事件は世界経済にとって重要な意味を持っていると言えるでしょう。
 
 SFMのテスラ株の売却は、投資家やアナリストの間でマスクの経営方針やテスラのビジネスモデルに対する疑念を引き起こし始めていますが、ソロスの投資判断は、しばしば他の投資家や市場全体の意見を形成するため、その影響は侮れません。特に、ソロスがテスラから撤退したというニュースは、他の投資家にもテスラ株を再評価するきっかけを提供し、その結果としてテスラの株価や評価に影響を与える脅威は無視できないものです。

TSLA:NASDAQ:window=MAX

  さらに、マスクが公にソロスを批判したことは、テスラにとって自滅的であるとさえ言えます。マスクは軽はずみな発言と行動で繰り返し物議を醸しており、これが一部の投資家や一般の人々のテスラに対する信頼を揺るがせています。マスクがソロスを攻撃したことで、この状況はさらに悪化するでしょう。
 
 なお、ソロスがリビアンや他のハイテク企業の株も売却していることから、これらの動きがソロスの投資戦略の一環である可能性もあります。それにもかかわららず、マスクが公に攻撃したことで、ソロスがテスラを見捨てたという認識は日増しに強まるばかりです。また、マスクの発言は、彼自身とテスラの評価に影響を与える可能性が極めて高いと言えるでしょう。
 
 マスクのTruthGPTの開発も物議を醸していますが、テスラは自動車産業ではなく、FAATMAN(フェイスブック、アルファベット、アマゾン、テスラ、マイクロソフト、アップル、ネットフリックス)の一角としてIT産業の側面を持っていることから、ソロスは既にAIブームの終焉を見切っている可能性もあります。

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