【創作大賞2024】応募作品:小学生でもわかる資源経済学と計算資源経済学入門
やぁ、みんな! 今日はボクの専門分野の『資源経済学』と『計算資源経済学』についてエッセイスタイルで説明するよ。ところで、みんなは『エッセイ』って何だか分かるかな? 日本語だと『随筆』っていうんだけど、ちょっと難しい言葉だよね。
エッセイは、自分の考えや意見、経験などを自由に書いた文章のことなんだ。作文のように決まった形式がなくて、自分の思ったことを気軽に書けるんだよ。だから今日は、みんなに分かり易く話すようにエッセイを書いてみたよ。
ところで、note #創作大賞2024 #エッセイ部門 の応募条件には、『自分の体験をもとにしたエッセイ作品(文章)を募集します。』って書いてあるから、フィクション作品や『偉い学者がこう言っている』って他人の言ったことを、ドヤ顔で書いたらエッセイじゃないんだよ。
読書感想も読書という自分の体験をもとにした文章だからエッセイって言えるかな? これは読書感想文でエッセイとは言わないよね?
だから、まずは作者がどういう人か自己紹介してから、自分の体験や経験をもとにエッセイを書いていることが重要だと思うんだ。
それで、本題に入る前に自己紹介をすると、ボクは環境とエネルギー関連の多国籍企業の経営者なんだ。情報工学や地質学、環境学、エネルギー学、経済学などいろいろな学者として紹介されることも多くて、海外や日本の大学で招聘研究員も兼務しているんだ。
日本だと一つの分野だけの学者が多いけど、これでは世界で通用しないんだよ。だから、学者の世界では、数学者で哲学者の計算機科学者みたいなのが当たり前なんだ。環境問題の一つである気候変動問題に関する論文を書くときは、世界中の大学教授や研究者がたくさん集まって、一つの共著論文を書くことも多いんだ。
このエッセイのタイトルにある『資源経済学』と『計算資源経済学』の世界で活躍している人は、とてもたくさん専門分野を持っていなければ、会話すら成り立たないんだよ。
小学生のみんなも、学校で国語、算数、理科、社会、美術、音楽、家庭科、図工、道徳、英語とかいろんな勉強をしないと、人が何を言っているか理解できないのと同じだね。いろんな専門分野に精通していないと、学者同士でお話もできないんだよ。
資源経済学って何?
みんなは『資源経済学(Resource Economics)』って聞いたことあるかな? これは、エネルギーや鉱物資源などをどうやって上手に使うかを考える学問なんだ。日本ではこの学問があまり普及していないんだって。『独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)』によると、他の国では『資源経済学』として学ばれている内容が、日本では地質学や経済学などに分かれてしまっているんだ。だから、日本には資源経済について広く話せる専門家が少ないんだよ。
日本は資源をたくさん輸入しているけど、資源経済学の専門家がいないから苦労することが多いんだ。これは、日本が大東亜戦争で負けたことが関係しているんだ。戦前の日本では、地理学と政治学を結びつけた地政学を使って、大東亜共栄圏という考え方を広めようとしていたんだ。でも、日本が戦争に負けた後、アメリカの占領軍(GHQ)が地政学の研究を禁止してしまっから、日本では地政学や地経学、資源経済学が発展しにくかったんだよ。
ボクの専門地域は中東・北アフリカ(MENA)地域で、専門分野は情報工学、環境・エネルギー学、経済学、そして資源経済学だよ。これらがどうつながっているのか、みんなにも分かり易く説明するよ。
資源経済学って何?
みんな、社会科の授業で中東やアフリカにはたくさんの資源があるって習ったことがあるよね? 例えば、石油や天然ガス、鉱物資源などだよ。資源経済学は、そんな資源をどのように使って管理するかを考える学問なんだ。
資源管理ってなに?
例えば、エネルギー資源(石油、天然ガス、石炭など)や鉱物資源、水資源、森林資源など、どんな資源がどれだけあって、どうやって使われているのかを調べるんだ。小さい頃に砂場で遊んでいて『この砂がもっとたくさんあればいいのに!』と思ったことがあるかも知れないけど、資源経済学はまさにそんな感じで、限られた資源をどうやって上手に使うかを考えるんだよ。この考え方は、資源の価格形成に大きな影響を与えるんだ。
資源の価格形成ってなに?
資源の値段がどうやって決まるのかも研究するんだ。例えば、お店で売っているお菓子がどうして100円なのか気になったことはないかな? 需要と供給のバランスや市場の競争、政府の政策などが価格にどう影響するかを分析するんだ。日本の農業政策みたいに、的外れなことばかりやっていると、お米や化学肥料が不足して困ったことになっちゃうよね。
お米を10kg買いたくても、日本中で売り切れていたら、どんなに高い値段を付けても無いものは買えないよね? これは、世界中で日本だけ足りなくて困っている航空燃料も同じだよ。
これから夏休みで世界中から日本に観光に行きたいって言っている人がたくさんいるのに、日本に来ても帰りの飛行機の燃料が用意できないで、世界中から呆れられているんだ。
日本政府がどんなに頑張って外国人がいっぱい日本に来て、買い物してくれるって期待しても、航空燃料が無ければ、島国の日本には行けないよね? 船で来てもらっても良いんだけど、船で来られても、今度はせっかくお寿司を食べに来ているのに、お寿司を作る米が無いのが今の日本なんだよ。これじゃ資源の持続可能性どころか、経済の持続可能性も怪しい感じだね。
資源の持続可能な利用ってなに?
資源がなくならないように、将来も使えるようにする方法を考えるんだ。リサイクルや効率的な使い方、代替資源の開発などが含まれるよ。でもね、燃料や肥料、家畜飼料の大半を輸入している日本では、どんなにリサイクルしても足りないものは足りないんだよ。しかも、何かをリサイクルするためには、リサイクルにたくさんエネルギーが必要なことも多いんだよ。
どうして他の分野とも関係があるの?
資源経済学は他の分野とも深く関わっているんだ。例えば、情報工学の知識が必要だったり、イスラム金融の考え方を取り入れたりするんだ。これはまるで、いろんな科目がつながっている学校の授業のようだね。
資源経済学と情報工学の関係ってなに?
資源の有効利用や最適化には、膨大なデータを解析する必要があるけど、大量のデータを扱うためには情報工学の知識が必要だよ。例えば、資源の探査データや消費データ、市場価格データ、天気と電気消費量の関係などを効果的に分析するために、情報学の専門家がデータの収集、処理、分析、そして可視化の技術を提供するんだ。
どれくらいすごい計算をしているか、一例を挙げると毎日の天気予報や予測には、気象衛星だけでなく海洋ブイや気象観測所から集まった膨大なデータをスーパーコンピュータで解析しているんだ。
曇ったり雨が降るとソーラーパネルの発電量が落ちるし、風が強過ぎたり弱過ぎると風力発電は止まってしまうんだ。それで、蒸し暑い日に、部屋でクーラー効かせて甲子園野球を見たりしていたら、電気の消費量がものすごく跳ね上がってしまうんだ。
だから、雲の位置、気温の変化、家庭やオフィスの消費電力量を予測して化石燃料の使用を最小限に抑えるためには、莫大な計算が必要なんだ。
イスラム金融と情報工学の融合ってなに?
イスラム金融は透明性と倫理性を重視するんだ。情報工学の技術を利用して金融商品の透明性を高めることができるんだ。例えば、ブロックチェーン技術やスマートコントラクトを使って、取引しているカーボンクレジットがシャリア法に適合しているかを監視することができるんだ。
ボクのような資源経済学者がイスラム金融と情報工学の専門家を兼ねることで、資源管理の経済的、金融的、技術的側面を包括的に理解し、統合的な解決策を提供することができるんだ。
計算資源経済学ってなに?
みんなは計算機のことを資源とは思っていないかもしれないけど、『計算資源』って言葉があるほど、計算機の有効利用には資源管理の概念が重要なんだ。だって、家庭のパソコンやスマホでも計算できる能力には限界があるよね。CPUやメモリのようなデバイス自体も計算資源っていうけど、最新型のコンピュータやスーパーコンピュータでも計算できる量に限界があるんだ。しかも、計算に使う電力と同じくらい、計算機の冷却にも電気が必要だから、有限な計算資源をどのように扱うかはとても重要な問題だよ。
ChatGPTで発生した急激な生成AIのブームが原因で、AIの電力消費が大問題になっているんだ。生成AIの学習に必要な電力、AIサービスの運用に必要な電力、データセンターや通信回線が消費する電力など、持続可能ではないことが明らかになってきたんだ。
ボクは計算資源学者だから、ブームになる前から持続可能でないってことは論文やブログに書いているけど、世界中がAIブームに飛びついちゃったから、世界中の大手情報産業はどこも『二酸化炭素削減目標は実現できません』って、開き直っちゃったんだ。だから、膨大なカーボンクレジットを購入させられたり、高額な炭素罰金を支払わされたりして、潰れる大手情報通信企業が発生しかねない状況なんだよ。
だから計算資源経済学を使って、限られたコンピュータの力をどうやって効率的に使うかを考えて、計算資源の使用方法と経済波及効果を最適化する必要があるんだ。例えば、凄く難しい計算をするためにコンピュータの力を使うと、他の簡単な仕事ができなくなることを理解することが大事だよ。
効率性と最適化ってなに?
もっと賢いプログラムを使うと、コンピュータがより早く仕事を終えられるんだ。これで時間もエネルギーも節約できるよ。例えば、新しいゲームを作る前に、それがどれだけ売れるかを考えて、作るための費用がその利益に見合うかどうかを判断するんだ。
他に解決できる対策はないの?
世界規模で見ると、植林や緑化事業で木を植えることが一番簡単な対策だよ。どうして木を植えることが大事かというと、木はCO₂を吸収してくれるからだよ。だけど、日本はフィンランド、スウェーデンに次いで世界第三位の森林率を誇る森林大国なんだ。日本の国土の約70%が森林だから凄いよね。残りの30%は、お家や会社、工場、道路、鉄道、田畑なんかだから、これらの土地を除くと、ほぼ100%が森林だよ。だけど、これって実は一番植林による環境改善が難しいってことなんだよ。だって、改善しなくても、日本中は森林だらけだから、そんなに改善余地はないんだよ。
植林と緑化の違いってなに?
植林は特定の目的で木を植えることで、主に森林を作ることを目指しているんだ。一方、緑化はもっと広い意味で使われ、都市や公園、道路の周りなどに植物を植えることを指すんだ。日本は森林率も植林、緑化率も高い国だから、それほど大規模なカーボンクレジットを生み出せる土地は無いんだ。
これはフィリピンやベトナムのような熱帯雨林でも同じだよ。インドネシアには、部分的には砂漠化している場所もあるけど、熱帯雨林の大半は、原生林やパーム畑や、田畑になっているんだ。
だから大きな環境改善を実現するためには、適当な降水量があって荒廃地が多いサブサハラと呼ばれるアフリカ大陸のサハラ砂漠よりも南の緑が残っている地域を植林・緑化するのが一番の解決策なんだ。
砂漠緑化事業もたくさんあるけど、一度砂漠になってしまった土地を緑化するのには、物凄いエネルギーが必要で、そんなに簡単な問題じゃないんだよ。だから、砂漠になる一歩手前の森林伐採によって荒廃地になった土漠の植林・緑化事業が一番環境改善価値が高いんだ。
カーボンクレジットってなに?
カーボンクレジットとは、CO₂を減らしたり吸収したりすることで得られる『ポイント』みたいなものなんだ。例えば、植林をしてCO₂をたくさん吸収することで、このポイントをもらえるんだ。
森林クレジットを活用した森林保全応援スキームってなに?
植林をして得たカーボンクレジットを使って、もっと森林を守ろうという仕組みだよ。みんなが植林を手伝ってたくさんの木を育てることで、得られるカーボンクレジットが増えるんだ。それを使って、他の場所の森林も守ることができるんだ。でも林業や農業にはたくさん人が必要なので、彼らが健康に生活できるように自給自足できる農業を一緒にやることも大事なんだ。
自給自足ってなに?
完全自給自足には、個人で完結するスタイルと、コミュニティで役割を分担するスタイルがあるんだ。自給自足農業を成功させるためには、健康な土壌作り、多様な作物の栽培、効率的な水利用、自然な防除方法、再生可能エネルギーの利用、収穫物の保存技術、最新の農業技術や自然農法の知識を学ぶことが必要なんだ。
ボクの会社では、モザンビークの事業でこれらの点を考慮し、効率的な自給自足農業を実践しているんだ。日本では難しいことも、環境が異なるモザンビークでは実現可能なんだよ。
このように、資源経済学と計算資源経済学は、自然資源と計算資源の両方を効率的に管理し、持続可能な社会を築くための重要な学問なんだ。みんなも一緒に学び、未来の地球を守るための知識を身につけないと、今の日本のように必要な航空燃料も、お米もない国は滅びるしかないんだよ。滅びるとは言っても、全員が死んじゃうわけじゃなくて、化石燃料や化学肥料を使っていなかった江戸時代の生活まで逆行して、人口3000万人で平均寿命60歳くらいが日本の持続可能な限界なんだ。
綺麗な水道水を作ってポンプでみんなのお家まで水を届けるのには莫大なエネルギーが必要だけど、江戸時代の暮らしには、各家庭には蛇口は無かったよね。だから、ビルばかりの東京二十三区内では生活できないので、3000万人の人口が各地に散らばって、川の水を汲んできて、人口の80%くらいが農民になるリアル江戸時代への逆行が、持続可能な日本の姿なんだよ。
武智倫太郎
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