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国産NLP技術の有効活用:日本政府が見逃してはならないAI無知倫理学と技術力

 日本政府がChatGPTを行政に用いることを前提として議論していることは、まさにAI無知倫理学で取り扱うべき領域と言えます。

 この文脈での『AI無知』倫理学は、岸田内閣の『AI無知』と、自社の技術力の優位性を明確に発言できない日本企業の『AI無知』と、これらの問題点を的確に報道できない日本のマスメディアの『AI無知』の三点から解明することが可能です。

 日本語は正しく使える人が、正しく使うと非常に語彙が豊富で、力強く且つ柔軟性があり、明確に物事が定義できる言語です。

 多くの日本人がChatGPTのようなNLPを使いこなせない理由は、ChatGPTのトレーニングの問題よりも、日本人同士でも意思疎通が難しい、主語がなくしかも論理性に欠ける日本語を使う悪習が身に付いているからです。

 この問題に対する解決策は、人間がNLPに対して的確な応答ができる言語力を身に着けるか、NLPが難解な日本語から言わんとしていることを類推する能力を身に着けるか、あるいは、両者が歩みよれるポイントを探すしかありません。

 このような日本人独特の言語によるコミュニケーションの問題をもっとも理解しているのは、日本人NLPエンジニアや日本企業であり、NLPに関しては特に国内技術を活用すべきです。以下では、その理由を3つの視点から解説します。

一、日本語に特化したNLP技術の活用
 日本国内の行政にChatGPTを用いるためには、日本語でのトレーニングが必要になります。しかし、日本政府は、日本独自で日本語に特化したNLP技術を利用すべきであり、日本にはすでに日本語処理に適したNLP技術が存在しています。

 一例をあげると、NTTデータのような優れたNLP技術を持つ企業が存在します。NTTデータは多様なデータやドメインに対応する自然言語処理技術を開発しており、文書の要約や解析、感情分析など、幅広い用途で活用できます。これらの技術は、日本語に特化した処理が可能であり、日本国内の行政や企業に適した解決策を提供できます。

自然言語処理のビジネス活用を革新する エンタープライズ向け NLP ドメイン特化 NTT-BERTと 構築フレームワーク

https://www.nttdata.com/jp/ja/-/media/nttdatajapan/files/services/ai/nlp.pdf

 他にもオープンソースで開発している日本語に特化したNLP関連技術は多数ありますが、これらの事例を考慮すると、日本政府は国内のNLP技術を活用することで、国民とのコミュニケーションや情報発信の効果を高めることができます。また、国内企業の技術力を適切に評価・活用することにより、国際競争力の向上やデータセキュリティの強化にも繋がるでしょう。

二、世界最高水準のスパコンメーカーの活用
 日本には世界最高水準のスパコンメーカーがあります。日立や富士通などの企業は、早くからAI倫理原則やAI倫理外部委員会など、AI倫理にも取り組んでいます。これらの企業が開発するNLP処理に適したスパコン技術を活用すれば、日本国内のAI開発や運用がよりAI倫理的な枠組みで行われることが期待できます。

三、日本の政治家や官僚の認識の問題
 日本維新の会の馬場伸幸代表が『ChatGPTが公の機関で使えるレベルに達していない』という趣旨の発言していますが、問題の本質はChatGPTではなく、日本の政治家や官僚が日本企業のAI技術力を適切に判断できないことです。つまり、馬場代表の発言とは意味が逆で『公の機関がChatGPTを使うレベルに達していない』という現状が問題であり、日本政府は自国のスパコン技術とNLP技術を有効活用すべきです。

 以上の問題を理解して日本独自の技術やリソースを用いて、日本語に特化したNLP技術を開発・運用することで、国内の行政業務においても効果的かつ適切なAI活用が可能となるでしょう。

 AI倫理の観点から考えると、日本政府は国内のスパコン技術とNLP技術を有効活用し、国内企業の技術力を適切に評価・活用することが重要です。これにより、国民の信頼を勝ち取り、国内技術の発展と社会・経済の向上に貢献できるでしょう。

 最後に、日本政府は、国内のAI技術力を活用することで、国内外において持続可能な成長を目指すべきです。これには、国内企業との連携、技術研究や人材育成の支援、そして適切な法制度や倫理基準の整備が不可欠です。日本政府がこれらの取り組みを進めることで、日本のAI技術と倫理に関する問題を解決し、国内外での競争力を維持・向上させることが期待されます。

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