心が動く瞬間との出会いを、多くの人に届けたい。ウガンダで見つけた「幸せ」と「原動力」- 海外インターンシップ体験記 -
僕が渡航しようと思った理由
新歓で、ウガンダから帰国してすぐのさくらさん(ウガンダでの海外インターンシップに参加したアイセックメンバー)と話して。そのとき、現地の人の優しさや、教師が生徒に対して暴力をふるう話を聞いた。もともとアフリカには興味があったけれど、これといって行動にはうつしていなかった自分にとって、それはすごく刺激的でした。
アフリカとの出会い
—どうしてアフリカに興味があったの?
中学3年生の夏か秋。『走れT高バスケ部』っていう小説を読んで、登場する部員が卒業後、アフリカのシエラレオネ共和国で支援事業をするストーリーに惹かれました。なんか漠然と、かっこいいなって。
担任の先生との出会い
高校1年生のときの担任の先生が、ずっと自分のことを気にかけてくれていて。高3の夏、部活の最後の大会でメンバーから外れた時、声をかけてくれたのが先生でした。その時は尖っていて、誰も信用していなかったけど、先生だけは信頼できた。だから、受験期に初めてアフリカに行きたい想いを打ち明けました。その話を聞いて、、先生が今の学部をすすめてくれました。
卒業のとき、先生にそう約束しました。
—どうして「農業」なの?
正直めちゃくちゃ悩んで。結局決められなくて、先生に電話しました。先生に、「なんとなく農業系のプログラムが合っている」と言われ、それを信じました。やっぱり先生のことを1番信頼していたんだと思います。
「行ってよかった」と感じたインターンシップ
—インターンシップに参加してみてどうだった?
楽しいことよりもしんどいことの方が多かったし、悔しさもあったんですけど、行ってよかったなと思います。
行く前は先生しか信じていない状態だったけど、大切にしたい人が日本にもウガンダにも増えました。これは自分が感じる大きな変化だと思います。渡航前は、自分の弱いところを見せるのが嫌いでした。どれだけきつくても、無理して笑っていました。けれど、ウガンダから帰国して、そういうことをあんまりしなくなった自分に気づいて。今、渡航前より明らかに忙しいはずなのに、そこに対してしんどさを感じなくなっていました。
幸せの更新
—現地の人を大切にしたいと思ったきっかけは?
現地のほとんど全員の人が、自信もって今めちゃくちゃ幸せだって言うんですよ。学校行けてなかったり、充分に食べれていなかったり、物質的な豊かさはないけれど、笑顔で過ごしていて。中盤くらいになって、少しでも豊かな暮らしを送ってほしいな、という気持ちが徐々に芽生えてきました。
—かっちゃんの中での幸せは更新された?
相対的な幸せと絶対的な幸せがあると気づきました。衣食住やお金に左右され、他と比べてしまう相対的な幸せと、心の持ちように左右され、自分次第でつくれる絶対的な幸せ。幸せってこの2つに分けれるのかなと思っています。
そう考えたら、現地の人は、絶対的な幸せの見つけ方が上手なんじゃないかと思います。相対的な幸せはあんまりもっていない。けど、不幸せにはとても見えない。絶対的な幸せの方が、その人の幸せに影響力をもつ比重は大きいのかなと思っています。それが現段階での自分の考えです。
—見つけるのが上手っていうのは、どういう時に感じるの?
毎日暮らせてるだけで幸せとか、農家さんだったら自分の仕事で奥さんや子どもを養えていて、その家族がいるだけで幸せと言っていました。ホームステイ先には子供が14人いて。現地の人たちは本当に家族を大事にしていました。
スラムでの生活
休みの日にスラムに連れて行ってもらった時のことなんですけど。入った瞬間、雰囲気が違っていて。水も濁っていて汚かったし、ごみも貝塚みたいな感じで。現地の人で、ゴミのリサイクル活動をしてた若いお兄ちゃんがいて、その人がいった言葉が印象的でした。
そのお兄ちゃんの顔が忘れられなくて。単純に、こういう人が増えたら、世界って絶対よくなるなと思った。悔しかった。
—1番印象に残ってることは?
滞在中、現地の農家の方で1番お世話になったクリストファーと、最後の日に現地の郷土料理を食べさせてもらった時に言われた言葉があって。
自分の中では自分なりに精一杯クリストファーと向き合ってきたつもりした。けれど、結局クリストファーの中に残った自分っていうのは、ただお金を持っている人っていうだけなのかなって思うと、悔しかったです。
自分の価値観と現地の価値観の葛藤
—お金のことはずっと呟いてたよね。
ある程度慣れてきたら、周りの子どもとかも”GIVE MONEY”とか言ってくるんです。
インターン先の人にこれを相談したら、「持つ者が持たざる者に奉仕する」っていう価値観があるって言われて。そういう風土が現地にはある。確かに思い返せば、現地の人はそんな裕福そうには見えないのに、採れたばかりの野菜を自分に食べさせてくれて。それからは、怒りよりも、葛藤のほうが大きかったです。それを当然とする現地の価値観と、それは当然ではないと思う自分の価値観を、どう共存させていけばいいのか、葛藤しました。
かっちゃんがウガンダに残したもの
—逆に、嬉しかったことで印象的なことはある?
帳簿を提案したことです。農家さんたちから困っていることをたくさん聞いたけれど、「仲介人を必要としなくて済むようバイクがほしい」とか、「灌漑設備が整ってない」とか。だいたいがお金に帰着することに気づいて。ただ、現地の人は自分の収入と支出を把握してないんです。だから帳簿を提案しました。スローフードの人たちにプレゼンをすると、すごく気に入ってくれて。もっとこうしたらいいんじゃないかっていう議論も起こっていて、これから使うよって言ってくれたのが本当に嬉しかった。
—何がかっちゃんを動かしたの?
自分と話しているときの農家さんたちの笑顔がすごく印象的で,大好きだった。だから自然と彼らの幸せを願っていたし,そこが自分を動かしてくれたんだと思う。
AIESECのインターンシップには、本当に価値がある
—渡航して、かっちゃんの目的は達成された?
渡航前は漠然としか考えられなかったウガンダが、今は景色とか人が経験として浮かび上がってきて。「この海外インターンシップって、本当に価値あるんやな」って思いました。
—どんなところに価値があるの?
渡航前、もちろんアフリカに興味はあったけど、世界がこうなって欲しいなんて考えたことも考えようともしませんでした。でも気づけば、もっと世界に笑顔が増えたらいいなっていう思いが芽生えていて。それはインターンシップ参加したからだと強く思います。
具体的な変化でいえば、コンビニで買い物をしているとき、レシートいるのかなって思うようになりました。必要な人がいたときだけ、出せばいいんじゃないかって。データは蓄積されているはずだし、紙がもったいないと思います。
—なんで「海外インターンシップ」がかっちゃんを変えたんだろう
たしかに、日本でも向き合うことはできた。けれど、日本だとあんまり世界のこととかを考えないというか、考えにくいんじゃないかと思っています。めちゃくちゃ遠い場所で、何かに困ってる人たちの存在を肌で感じれること。海外インターンシップだからこそ近い距離で接することができること。これらがすごく大きいと思います。
—マネージャーって、どんな存在だった?
2人ともふりかえりの時間の設計とか、すごい頑張ってくれてて。いろいろあったけど、あの2人を今本当に信頼しています。先生の次に自分の大切な人として、1番最初に入ってきたのはあの2人した。
『これから』について
—帰国して、これからやりたいことはある?
正直、課題に対して無力感を感じるようにもなりました。けど、現地で自分が見てきたものを解決するためにどんな行動を起こせばいいかわからない状況で。具体的にはわからない。ただ、AIESECの海外インターンシップに他の人にも参加してほしいなっていう気持ちが強くあります。
今は、アイセック神戸大学委員会におけるチームリーダーの選抜に立候補しようかなって思っています。迷ってはいたし、自分より優秀なメンバーもいるけれど、多くの人に参加してほしいっていう気持ちがあるから。心が動く瞬間がたくさんあるから、そういう瞬間に、多くの人が出会ってほしいです
—もしインターンシップ参加を迷ってる人がいたら、どんなところをお勧めする?
現地の人と本気で向き合える経験。もちろん、初対面で全部は話してくれるわけではないけど。本気で向き合っていくなかで、心が大きく動くことがたくさんあります。
未来への原動力
ー現地で印象的だった人はいる?
1人には絞れないな。それこそ家族がいることが幸せって言ってた人もそうだし、スローフードの人も。なんで今スローフードで働いてるの?って聞いてみたら、自分や農家さんの子どもが成長できるように、学校行けるように、サポートがしたいって言われて。すごいな、かっこいいなって思いました。
—かっちゃんにとってウガンダとは。
なにかをするときの原動力かなって思います。もちろんそれだけじゃないんですけど(笑)確実に、その1つになってるかなって。今頑張れているのも、ウガンダでの経験があったからだなと思います。
自分がウガンダで出会った人たちの幸せのために動きたい。本気でそう思っています。
—また行きたい?
行きたいです!!!お金があれば...!もしもう1回行けるとしたら、帳簿がどうなってるかを見に行きたいな。
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