見出し画像

「できない」なんて嘘。 ベトナムで気付いたあたりまえのこと -海外インターンシップ体験記-

Xin chào!(シンチャオ !/ ベトナム語の『こんにちは』の意味です)

名古屋大学経済学部4年の大口真奈です。
大学生活最後の夏休みは、アイセック名古屋大学委員会で海外インターンシップに参加しました。この経験を通して学んだことをお話しします。

画像7

どうして参加しようと思ったのか

国内にも、海外にも、たくさんの素敵な挑戦機会があるこのご時世。
私がアイセックのインターンシップに参加しようと思った理由は、(たくさんあるけど特に大事なのが)2つあります。

1つめは、”自分の幅を広げたい”と思ったからです。

自分とは違う「国」「言語」「文化」「生活水準」「年齢」...
世界はすごく広いということ。
自分が知っていることは本当に限られているのだということを、物事を柔軟に捉えられる若いうちに、自分の目で、耳で、そして心で感じたいと思いました。

そのため、発展途上国で、現地の人と衣食住、そして仕事を通じて困難や、やりがいまでをも共有することができる海外インターンシップを選びました。

画像2


2つ目は、自分の努力が社会や世界の変化に繋がると信じられるようになりたかったからです。
「こんな世界になったらいい、こんな世の中を実現したい。」
夢や希望を持つことは素敵なことで、幸せなことだなあと感じる反面、それを全く形にできていない自分に対するもどかしさがありました。

そのためにインターンではたった6週間、限られた期間と地域ではあれど、
「自分の努力が周りの人の変化を促せるんだ」と信じられるようになるくらい、地域のためになることを全力でしたい、行動に起こしていきたい。

そんな気持ちで、ベトナムに出発しました。

画像3

インターンシップの内容、実際の生活

私の受け入れ先は、メロンの有機栽培、エッセンシャルオイル(天然由来のオイル)、カフェの運営、英語教室を行なっている"NatureHouse”という名前の現地NGOです。

“いつか、貧困の人たちに無償で、教育と食事を提供できる施設を作りたい。”

オーナーはそんな夢を持ちながら、収益の確保のために様々な事業を行なっています。

画像7

(左からオーナー、オーナーのお手伝いをしてる人、インターン生仲間、自分、インターン生仲間)

地域の英語を学びたい人たちに向けて、英語教室を開き、そこで私は基礎クラスの生徒たちに英語を教えていました。

準備と、実際に授業を行うことがメインのお仕事で、それ以外の時間には農作業やカフェのお手伝いをしていました。

「自分にはできない病」の正体

実は、インターン前に家族や友人と喧嘩してすっかり自信をなくしていました。そこに、人前で話すのが苦手な上に、話せない英語で授業をしなくてはなりませんでした。

「授業をするなんて、無理」って正直思いました。そして、実際できませんでした。

子どもたちはガヤガヤ話し出したり、途中で教室を抜け出したり、教室の統制が全く取れなくなりました。
すっかり怯えた私は、ヘルプを求めほとんどインターン先の人に授業をなんとかしてもらいました。

画像5

人数の多さや英語ができないことなど、
どうして困難だったのかをもう少し臨場感を持って伝えたい。

====

インターン先のオーナーの友人に「君のパフォーマンスにはがっかりだよ!!!!!!次の授業が酷かったら、もうこのクラスは他のインターン生に担当してもらうから」と怒られてしまいました。

怒られて当たり前なくらい下手な授業でしたが、ストレートに怒られすぎてさすがにショックを受けました。

部屋のすみでグズグズしていた私にオーナーが心配して話しかけてくれました。

すごく優しい人で、優しい語り口調で、とてもストレートに諭してくれました。

「うまくいかなくて落ち込んでしまうこともあるよね。君の気持ちもわかる。でも君のは心の問題だよね。世界には、今日食べるご飯もなくて必死に生活してる子どもたちがいるんだ。それに比べたら君のはそんな大した問題じゃなくない?

それに自信を持てないんだったら、持てるように努力するしかないよね。

そのためには、できる全ての準備と、努力と、あとは自分にはできるんだって思い込むことかな。頑張れるかな?」

そんな当たり前のこともできていない自分のことは大変情けなく思いましたが、もはや自分が情けないかどうかなんて関係ない、とにかく、この地域の人のためにできること、自分にできる精一杯をやろうと腹をくくりました。

画像6

腹をくくってからは、失敗も重ねましたが、どんどん自分の心や授業の質がよくなっていくのを感じました。
早くもっと、子どもたちに喜んでもらえるような授業を実現したい!!!!
と、どんどん前に進んでいきました。


どん底のように沈んでいたのが嘘のようで、1週間もすれば「え、なんであんなグズグズ落ち込んでたんだろう自分」なんてケロリとしていました。

できないできないと言っていたことは、最初は苦しいけれど頑張って一歩踏み出してみると案外できて、どんどん楽しくなりました。

そこから気づいたこと。

「でも、だってさ、自分にはできないんだもん。無理だもん。」

そんな風に決めつけて、うだうだ悩んだり言い訳している間は、
自分のことを変えるための努力をしなくていいから楽でした。

だけど、そんな気持ちのままどんなに悩んだとしても、どこかで「だけど変わらなきゃ」と覚悟を決めることができなければ、前に進むことができないのだなあと思います。

悩んだり、落ち込んだりすることは悪いことではないけれど、最後は自分の力で立ち直るしかないんだってこと、「いつかは前に進まなきゃいけないんだ」って気持ちを持つことが大切だなと思いました。

6週間を終えて、私が帰国する日の前夜、私に「君のパフォーマンスにはがっかりだよ!!!」とキレてた受け入れ先の人は「この6週間で一番の成果は君の成長だ!!君の頑張りを、誇りに思うよ。」なんて言ってべた褒めしてくれました。

もううれしくてたまらなくて、怒られた時ぶりにいっぱい泣きました。

どうせ泣くなら、悲しくてつらい涙より嬉しくてたまらない涙をたくさん流せる人生にしようと思います。

最後に

「海外でインターンシップに参加する」という自分にとっての挑戦を通して
海外の人と一緒に暮らす中では全てが初めてで、全てが自分にとって”少し困難”だった状況の中で、すごく、ちいさくて当たり前なことに気づかされました。

画像7

暖かい人たちに囲まれた自分の幸運に感謝し、相手を思いやる気持ちを忘れないで。自分のことを信じて、努力した先にあるしあわせをつかみ取れる私でありたいなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?