見出し画像

【自粛飯】4月後半

4月7日に非常事態宣言が日本全国に宣言されたのをきっかけに「コロナなんて一時のパニックでしょ」とたかを括っていた街の空気も一変、マスクや消毒液の品薄の発生や、大型店舗の相次ぐ営業自粛が始まるともに、休業補償を求める声や、いわゆる自粛警察の出現、生活態度の差異からくるネット上での告発や非難など、社会の空気はナーバスでパラノイックなものになっていった。

在宅勤務は6月末日までの延長となり、少し気が遠くなりかけたが、それはそれとして食事は記録し続けた。

画像1

4月15日・昼(水)

・ハンバーグカレー
・マッシュポテト
・玉ねぎと人参とスナップエンドウのサラダ

前週末にひき肉を購入したのは業務用スーパーで、普段は買わないような大容量だったため、この週は5食分ほどハンバーグのタネがあり、そうなると味変しないともたないもので、豆缶とトマト缶の煮込みにS&Bのカレーフレークを加えてハンバーグカレーに。
メニューの着想はココイチだった。
ココイチの「味を思い出せ」と言われると一瞬言葉に詰まる「無色透明な印象」のカレーは時々無性に食べたくなる味で、そういう意味でも「強く主張しない及第点の美味しさ」を再現してくれるS&Bのカレーフレークは非常に自分好みの優秀な食材だった。


画像2

4月15日・夜(水)

・鳳梨蝦球
・味付け卵
・青菜のおひたしと玉ねぎのサラダ

業務スーパーでは下処理積みの冷凍エビも購入していた。
冷凍エビの購入はなんとなくではなく、明確な目的意識を持っていて、それがこの鳳梨蝦球、エビとパイナップルのマヨネーズ和え(台湾料理)だ。
果物を加えた料理にはなぜか昔から強い興味があり、酢豚のパイナップルなどは積極的に肯定してく派なのだが、在宅生活でハマった海外料理番組の動画で「パイナップルを和えるに止まらず、そのマヨネーズも果汁で甘酸っぱく味つける」という、にわかに信じがたい甘さに興味を押さえきれず再現。
「本場ではさらに上からチョコレートスプレーをふりかけ、飲み屋では大体どこにでもある定番料理」という情報に耳を疑ったが、実際作ってみるとカリッとクリスピーに揚げたエビと甘酸っぱいパイナップルがビールと良くあった。
さすがにチョコレートスプレーはふりかけなかった。
台湾料理の味のレンジが全体的に甘めなのは承知だが、カラフルなチョコレートスプレーのかかったエビを肴にビールを飲む感覚はちょっと想像を絶する。


画像3

4月16日(木)

・エビカレー
・味つけ卵
・マッシュポテト
・青菜のおひたし
・玉ねぎと人参のサラダ

業務用スーパで買ったエビはさすがに1食では消化しきらず、冷凍とはいえ足の早さも気になるのでエビカレーに。
カレーも意図して甘くした。
「エビは甘さを強調して調理するものである」という知見を得た。


画像4

4月17日(金)

・ツナ入りマッシュポテトとスモークサーモンのサンド
・味付け卵とブロッコリーのサラダ

金曜日になると、どうせ夜は何も食わないし、炊いた米のストックが切れても炊き直すも面倒臭くなる。
ありものをサンドイッチ風にした。
冷凍イチゴが写っているが、この時期はイチゴが安かった記憶があり、何度か買って、食べ切れない分を冷凍していた。
農作物の相場もコロナの影響を受けていたのかもしれない。


画像5

4月20日(月)

・釜玉明太うどん
・青菜とパプリカのおひたし
・ネギと鳥ささみのナムル
・エリンギのメンマ風

めんたいこも自粛期間中に買い始めた食材。
うどんなど普段は自炊ではやらないが、はなまるうどんも丸亀製麺もいけないとなると時々食べたくなるものだ。
味の濃度はやや薄かった。
慣れない料理なので加減がわからない。


画像6

4月21日(火)

・粟米肉粒飯
・青菜とパプリカとそらまめのおひたし
・エリンギのメンマ風

台湾の料理も興味深いが、香港の街角・茶餐廳で食べられている料理もまた味わい深いもので、香港人らしい新進の気質と創造性といい加減さであふれている。
「缶のコーンスープを溶き卵で綴じる」という中華料理が存在するとは、外から見たイメージだけではわからないものだ。
昨年の逃亡犯条例からのデモに引き続き、国家安全法を廻り、香港はいまだ荒れ模様。
あの愛すべき猥雑な街の空気と、せっかちで騒がしい人たちの笑顔が失われなければいいのだけれども。


画像7

4月22日(水)

・おかゆ
・味つけ玉
・辣炒小魚乾

・青菜とそらまめのおひたし
・ネギと鳥ささみのナムル

島国の台湾では小魚も良く食べられている。
干した小魚は保存が効くし、肉ばかりの短調な食事にならないように発想を広げてくれるという意味でも面白い食材だった。


画像8

4月23日(木)

・シュクメルリ
青菜とパプリカのおひたし
味つけ玉

ラグビー観戦が趣味なので、コーカサスの国・ジョージアにはやや思い入れがあり、冬に松屋でシュクメルリを食べた時、「いつかまた食うだろう」と思っていた。
非常事態宣言下の4月、松屋は多分やっていたが、まだ感染機会がどんなところに潜んでいるかわからないし、シュクメルリも終わってしまっていたので再現。
煮込む時間以外はほぼ間違えようがない調理工程のシンプルさで、しっかりうまくなるのに感心。


画像9

4月24日(金)

・しらす炒飯
・辣炒小魚乾
・豆苗炒め

在宅勤務は仕事上ではあまりストレスを感じなかったが、在宅の勤務を終える時間帯になると、営業時間を短縮したスーパーに人がつめかけ「大丈夫なんだろうか」という不安を感じるのが問題。
そこで「豆苗の自家栽培でスーパーに行く回数を減らす」という着想を得た。
世界的パンデミックがもたらす社会不安に、再生豆苗で立ち向かうという発想のみみっちさが個人的に気に入っていたし、日々伸びる豆苗を観察するのも悪くなかった。


画像10

4月27日(月)

・サバのムニエル
青菜とパプリカのおひたし
・味付け卵とブロッコリーのサラダ

普段だったら大型連休となる時期だったが、在宅勤務で日常が妙に平坦になっており、実感がない。
この時期の思い出といえば、前週末に台湾ビールを取り寄せてのオンライン飲みをしたことくらいだった。


画像11

4月28日(火)

・香港風フレンチトースト(西多士)
・味付け卵とブロッコリーのサラダ

日本人が西洋料理を勝手にローカライズしてしまうように、香港人もまた海外料理をホンコナイズしてしまう。
この「大量の油で揚げる香港風フレンチトースト」は衝撃のアレンジとして世界的に有名なのだが、こんなカロリーの暴力とでもいうようなレシピが存在している香港であまり太った人を見かけた記憶がないのが不思議だ。


画像12

4月30日(木)

・香港風混ぜ麺

香港はまた、即席麺(出前一丁)が大きな市民権を得ており、市民権があるっていうか、麺類の麺を出前一丁の麺にするとなぜか追加料金が発生したりする。
また、その麺だけを使った混ぜ麺も定番で、これはそんな香港の出前一丁(出前坊やは通称清仔)に着想を得たもの。
スパムと目玉焼きのトッピングも香港風。


ご支援いただけるとラグビー見ながらビールが飲めます、もしくは同僚や友達への海外旅行時のお土産を増やすことができます。嬉しい。