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【自粛飯】5月後半

GWあらためステイホーム週間が開けた5月後半、陽気ともに街では非常事態宣言の解除を期待する空気が溢れ始めた。
ステイホーム週間の擬似ロックダウンが確実に効果をあげ、新規感染者ゼロの完全鎮圧の希望が見えたのもこの時期。

しかし、病気でもなんでもそうなのだが、予断を許さない緊張状態よりもそのあとの気が抜けた時にいろいろな問題が噴出してくるもので、感染がピークだった時は人々も共に苦境に立ち向かう気持ちがあるが、すこし日常が見え始めると、その一体感も薄れ、隣の人と自分の振る舞い比較しだすのではないかと少し心配だった。

そんな薄い不安を感じながら、5月の後半はキャスター付きキャビネットの購入や、キッチンへのモニタ設置など日々の食環境の充実に心血を注いだ。

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5月15日(金)

・シュクメルリ

この日、ステイホーム週間の擬似ロックダウンの効果が現れ始め、東京の新規感染者は9人に。
緊急事態宣言の解除が噂され始めた。
昼食は2回目のシュクメルリ。
作り方に特に難しいところはないが、特徴的なのはにんにくを大量に入れるところで、だいたいにおいて多ければ多いほどいい。


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5月16日(土)

・おかゆいろいろトッピング

週末プチ断食の後の昼食を珍しく記録。
おかゆ自体はガラスープで炊く以外、難しいところはないが、冷蔵庫の作り置きや余っていたしらすなどをなんでも乗っけた結果、コメの部分が見えなくなってしまった。
まあおかゆは手当たり次第なんでも乗っけるのが楽しい食べ方だ。


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5月17日(日)

・じゃがいものガレット

じゃがいもは日持ちする食材とはいえ、あまり放っておくと芽が出てしまう。
大量消費できるレシピとしてガレットにした。
一般的にはフランス料理とされている。
フランスもヨーロッパではコロナの被害が深刻だった地域だ。


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5月18日(月)

・塔香海瓜子

この時期、よく食べた食材の一つが砂抜き済みの冷凍アサリ。
アサリは「調理時間が早い」という意味で便利な食材で、この料理も火を入れてからはわずか3分ほどで完成する。
この「あさりのバジル炒め」は典型的な台湾料理なのだが、レシピの「烏醋」とは何かと思ったら「ウスターソース」のことで、伝統料理で洋風のものをつかうのかという驚きがあった。


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5月19日(火)

・豚肉のナンプラー炒め
・味玉と青菜のサラダ

4月後半から探究心が料理の方に向かいすぎて、食べたことない食材をチョイスするケースが多かったが、この日は週末にみたサバンナ高橋のYoutubeチャンネルにインスパイアされて、食べ慣れた食材をアジア風に調理。
そのほかにも料理系のコンテンツをよく見ていた時期で、この日はダメダメ麻薬捜査チームが潜入捜査の過程でなぜか韓国風フライドチキンの店舗経営をする羽目になり、店が大繁盛して捜査が脇道にそれていくという韓国映画「エクストリーム・ジョブ」を観た。


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5月20日(水)

・アサリと厚揚げのナンプラー炒め

あさりは砂さえ抜いていれば調理が簡単だし旨味もたっぷりだが、ボリュームがないのが問題だ。
他の食材を炒め合わせると旨味もいきて幸せだろう。
こう言う時にカサ増しにぴったりの食材といえば、厚揚げだ。
厚揚げは冷蔵庫にあると色々な場面で活躍してくれる。


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5月21日(木)

・梅豚うどん

以前、職場の近くにあったうどん屋の名物メニューを再現。
梅干しと豚肉はよく合う。
この頃からクズ野菜を使った野菜ダシをとるようになった。
これにめんつゆやガラスープを足すだけで麺類のスープとして成立するし、自炊をしていれば必ずクズ野菜は出るので、有効活用できる。
この時期は本当に料理のことばかり考えており、夜に見る映画も『シェフ 三つ星フードトラックはじめました』だった。
この映画のスタート地点となったフロリダとゴールのカリフォルアは6月末現在でCOVID-19の第二波が猛威を奮っている。


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5月22日(金)

・豚肉とあさりの炒めもの

あさりの味は好きだがボリュームがないのが問題なのは前にも言った通りだが、ある日「豚肉と合わせると味がまとまるのじゃないか」と思って調べると、ポルトガルにまさにそういった料理があり、本場のレシピだとパプリカを発酵させたペーストを使うらしいが、手に入らなかったのでトマトで代用した。
この日、東京都では新規感染者数3人を記録。
GWの出勤停止の1週間が確実に感染者を減らしたのが形として現れたのとともに、これは話を裏返すと出勤が始まることでまた感染者数の増加が始まるのではないかという予想も想起させた。
非常事態宣言の解除はもはや既定路線だった。


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5月25日(月)

・豚肉の生姜焼き
・台湾風きゅうりの甘酢漬け
・ゴーヤーのおひたし

自炊の王道とも言える豚肉の生姜焼きだが、シンプルな料理は評価が妙に厳しくなってしまうものだ。
そこそこおいしくなるが、完璧だったという確信ももてないので、なかなかモヤモヤが残る。
この日、Youtubeでコツを再確認して改めて作ってみたが、やはり70点くらいの出来という感じだった。
週末の感染者が2人/1日まで減った土曜は「いよいよ日本ではコロナも鎮圧か」という期待を一瞬持たせたものの、週明けを待たず感染者数は再び微増を開始。
「人が動くとダメ」という当たり前の予測は当たってしまった。
しかしこの日、2ヶ月に及んだ非常事態宣言は解除となり、理不尽さへの不満と諦めと期待と理解と不安が混ざったような複雑な心境ではあった。


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5月26日(火)

・唐揚げのトマト煮

唐揚げは冷食。
別の料理のために買ったものだが、そのまま食べるのがシャクなのでいきなりアレンジ料理にした。


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5月27日(水)

・あさり塩ラーメン

日本人の庶民の美食といえばラーメンだが、あまり思入れがなく特に好んで食べない。
のだが、以前の通勤路にあった俺流塩ラーメンでは終電近くの帰り道によく立ち寄り、あさりラーメンにバターと唐揚げとあおさのりをトッピングして啜っていた。
手に入る材料と自分の調理能力の範囲で再現。
終電近いキャットストリートの俺流塩ラーメンでは、友達と連れ立って麺を啜る若者で賑わっていた記憶がある。
最近の渋谷は外国人向けの観光地になっていたが、コロナ騒動で外国人観光客は日本に来られず、中高年以上は家に引きこもっている。
渋谷は今、かつてのような「若者の街」だ。


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5月28日・昼(木)

・アサリ炒め
・台湾風きゅうりの甘酢漬け
・ゴーヤーとそらまめとパプリカのおひたし

アサリ炒めの緑は生のパセリ。
今まではたまに弁当などでちょこっと入ってるヤツの風味がいまいち好きでなく、たくさん買っても新鮮なうちに食べ切る自信がなかったので、好んで買わない食材だったが、自炊率が異常に上がったので、萎れる前にいろいろな組み合わせを試せるかもと思って購入。
生のものは風味がいいし、レモンやチーズなど、いろいろな食材に合うという発見があった。
苦手だったものが、質の良いものを知ると食べられるようになるというのは結構あることだ。


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5月28日・夜(木)

・ハニーウォールナッツシュリンプ
・そらまめのガーリック炒め

鳳梨蝦球のレシピのついでにエビの調理法について検索した時に発見した衝撃のレシピ。
たっぷりのブラウンシュガーでカラメライズしたクルミとコーンスターチの衣でカリッとクリスピーに揚げたエビを、蜂蜜とマヨネーズと練乳でスィートに合える。
おそらくは鳳梨蝦球と同根の料理で、当初ハワイのYotuberのレシピ動画で発見したのでハワイ料理かと思ったが、どうやら香港発祥らしい。
その後アメリカにわたり、アメリカンチャイニーズの雄、パンダエクスプレスで人気メニューとなった。
レシピや調理法に共通部分がある料理からは人の往来や交流が見える。
これは文化や社会学の文脈として語られるべきことで、「美味いか不味いか」といったような単純で一面的な価値観で図るべきものではない。
ただ、味わいについて一言だけ論評するなら、ハワイのマダムがやっていた「丼のご飯に豪快にオンする」食べ方はちょっとする気にならない。


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5月29日(金)

・炒飯
・ゴーヤーのおひたし

非常事態宣言が解除されて初の週末、自宅勤務を終えて街の様子を見ると、街の飲食店は週末にふさわしい賑わいで、行き交う人々は開放感に溢れた表情で酒を酌み交わし、肩を組み街を歩いていた。
その様は共に苦境を乗り越えた仲間を称える祝祭のようだった。
この日の東京の新規感染者は21人を記録した。


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