見出し画像

サラリーマン七十二候|上半期(4月~9月)

以前にこんな記事を書きました。

二十四節気をさらに三分割したもので「七十二候」というものがあり、日本人の季節に対する嗅覚の鋭さたるや、という話なんですがね。

一方で昔の人の感覚で現したものだから、現代日本の実態に即した形になっていない場合もあるため、現代に即した「サラリーマン七十二候」を作りたい!みたいなことを言っています。

それから三か月が経ちました。当初、1日10個くらいを目標に書いていけば1週間くらいで完成するんじゃん、マジ余裕じゃんと思っていたのですが、いつの間にか三か月が経ってしまいました。七十二候でいうところの「清明」から季節は今「蓮始華」でございます。たんぽぽとかが咲いて春だねーって言っていたのに、なんかもう蓮咲いちゃってんじゃんってことですよね。なんならまだ1年分完成していなくて、完全におれの不徳の致すところなのでございますが、一旦上半期分だけ出来上がったので下記に記しておきます。

本件、見方としては見出しに該当するサラリーマン七十二候を記載しています。続いて本文に説明書きが入ります。念のため本来の七十二候も引用で表記をしております。

上半期も半ばを過ぎてというところですが、務め人の皆様におかれましては今年度のこれまでとこれからについて思いを馳せながらご笑覧くださいますと幸甚です。この言い回しサラリーマンっぽいでしょ。

では始めます。


04/05~09頃|名刺届(めいしとどく)

部署異動した人や新入社員の名刺が届く

玄鳥至(げんちょういたる)
ツバメが南から飛来する

04/10~14頃|花見延期(はなみリスケになる)

急な雨や急務などで予定していた花見がリスケになる。
ただしすぐ葉桜になるので結局花見はできない。

鴻雁北(こうがんきたす)
ガンが北へ渡去する

04/15~19頃|襟締始緩(ネクタイはじめてゆるむ)

日中気温が25度を超えはじめ、ネクタイを緩め始める

虹始見(にじはじめてあらわる)
鮮やかな虹が見え始める

04/20~24頃|障始生(トラブルはじめてしょうず)

新年度当初の計画がうまくいかなくなりはじめる

葭始生(よしはじめてしょうず)
ヨシが芽吹き始める

04/25~29頃|電信投入休(メールなげてやすみにはいる)

各所にメールを投げて連休に入る

霜止出苗(しもやんでなえいず)
霜が収まり苗代の稲が育つ

04/30~05/04頃|仕事忘(しごとのことをわすれる)

一旦ゴールデンウィークを満喫する

牡丹華(ぼたんはなさく)
牡丹の花が咲き始める

05/05~09頃|勤人鳴(つとめびとなく)

勤め人がゴールデンウィークロスで泣き始める

蛙始鳴(かえるはじめてなく)
カエルが鳴き始める

05/10~14頃|勤人出(つとめびといずる)

有休で粘った勤め人が観念して出勤する

蚯蚓出(きゅういんいずる)
ミミズが地上に這い出る

05/15~20頃|五月病止(ごがつびょうやむ)

五月病のリハビリを終える

竹笋生(ちくかんしょうず)
竹の子が生え始める

05/21~25頃|業後飲外(ぎょうごにそとでのむ)

テラス席とかで盛んに飲み始める

蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)
蚕が盛んに桑の葉を食べ始める

05/26~30頃|外套洗(がいとうあらう)

春物のコートをクリーニングに出す

紅花栄(こうさかう)
ベニバナが盛んに咲く

05/31~06/05頃|麦酒生(ばくしゅいたる)

生ビールがおいしい

麦秋生(ばくしゅういたる)
麦が熟して畑は黄金色になる

06/06~10頃|透明傘盗(びにーるがさぬすまれる)

コンビニで買ったビニール傘が盗まれる

蟷螂生(とうろうしょうず)
カマキリが生まれる

06/11~15頃|傘為凶器(かさきょうきとなる)

傘の持ち方に配慮が足りないおじさんが駅などに現れる

腐草為螢(ふそうほたるとなる)
腐った草からホタルが現れる

06/16~20頃|折傘匂(おりたたみがさにおう)

生乾きの折り畳み傘が臭う

梅子黄(うめのみきなり)
梅の実が黄色く熟す

06/21~26頃|電車蒸(でんしゃむす)

電車の中がじめじめする

乃東枯(ないとうかるる)
ウツボグサが枯れだす


06/27~07/01頃|賞与華(しょうよはなさく)

夏のボーナスが支給されてうきうきする。

菖蒲華(あやめはなさく)
アヤメが咲き始める

07/02~06頃|休暇申請(きゅうかしんせいす)

夏休みの休暇申請をする

半夏生(はんげしょうず)
カラスビシャクが生え始める

07/07~11頃|麦酒冷(ばくしゅひやす)

ビールをストックし始める

温風至(おんぷういたる)
温かい風が吹き始める

07/12~16頃|中元届(ちゅうげんとどく)

お中元が取引先などから届く

蓮始華(はすはじめてはなさく)
ハスの花が咲き始める


07/17~22頃|新卒乃学習(しんそつすなわちがくしゅうす)

新卒が研修を終えてイキり始める

鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)
今年生まれた鷹が飛翔の練習を始める

07/23~27頃|冷房揉(れいぼうでもめる)

冷房の温度でモメる

桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
桐の花が結実する

07/28~08/01頃|鉄臭溽暑(てつにおいてむしあつし)

電車の中が汗臭く、蒸し暑くなる

土潤溽暑(つちうるおいてむしあつし)
土が湿り蒸し暑くなる

08/02~06頃|麦酒園混(びあがーでんこむ)

ビアガーデンが混雑する

大雨時行(たいうときどきおこなう)
大雨が時に降る

08/07~12頃|涼風求(りょうふうもとむ)

冷房が効いている屋内にずっといたい。外に出たくない。内勤の人がうらやましく感じる。

涼風至(りょうふういたる)
涼しい風が立ち始める

08/13~17頃|執務室空(しつむしつすく)

夏休みに入る人が多くオフィスががらんとする

寒蝉鳴(かんせんなく)
ヒグラシが鳴き始める

08/18~22頃|雷鳴感嘆(らいめいにかんたんす)

夕立の雷が鳴るたびに「オ~」という声が湧く。そのまま停電にでもなれば仕事が一旦ストップしてありがたいのに。

蒙霧升降(ふかききりまとう)
濃い霧が立ち込め始める

08/23~27頃|襟締選(えりじめえらぶ)

秋に向けてネクタイを選び始める

綿柎開(めんぷひらく)
ワタの萼が開き始める

08/28~9/1頃|残暑見舞届(ざんしょみまいとどく)

律儀な取引先から残暑見舞いが届く。お返事を書かなきゃ。

天地始粛(てんちはじめてしゅくす)
暑さがようやく鎮まる

09/02~07頃|猛暑不息(もうしょやまず)

9月に入ったのに残暑が厳しい。

禾乃登(こくものすなわちのぼる)
穀物が実る

09/08~12頃|有休余(ゆうきゅうあまる)

上半期分の有休が余っていることに気が付く

草露白(そうろしろし)
草の露が白く見える

09/13~17頃|人事鳴(じんじなく)

人事が有休を上半期中に消化するようにアナウンスをする。もっと早く言ってよ!

鶺鴒鳴(せきれいなく)
セキレイが鳴き始める

09/18~22頃|名刺切(めいしきらす)

春に発注した名刺が切れていることに気が付く

玄鳥去(げんちょうさる)
ツバメが南下する

09/23~27頃|辞職言届(じしょくのげんとどく)

退職の挨拶メールがよく届く

雷乃収声(らいすなわちこえをおさむ)
雷鳴が聞こえなくなる

09/28~10/02頃|中途至(ちゅうといたる)

中途採用の人が入社する

蟄虫坏戸(ちゅっちゅうこをはいす)
土の中に住む虫が越冬に入る

以上です。
勤め人の悲喜こもごもがにじみ出ておりますでしょうか。サラリーマン七十二候によりますと、今は「中元届」、そして水曜日ごろから「新卒乃学習」です。お中元がぼちぼちオフィスに届く頃合いですので、ぜひヨックモックなんか食べながら新卒がイキり始めてるなあ、と季節の移り変わりを感じてみてはいかがでしょうか。今後ともよろしくお願いいたします。そんな感じです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?