AI X Education K-12 Lab

海外と日本のK-12に関するAI政策について、資料をもとに素人が解説します。

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最近の記事

UNESCO "AI Competency Framework for Students"を読む(0)準備

1 はじめに日本標準時の2024年9月6日。 UNESCO の "Digital Learning Week" の中で、昨年から公表すると予告されていた、"AI Competency Framework for Students"(学習者のためのAIコンピテンシーのフレームワーク)が発表されました。 "AI コンピテンシーのフレームワーク"は、「教員向け」と「学習者向け」 (本来、Studentsであれば生徒用と訳すのが一般的ですが、児童:初等教育も学生:高等教育も含む

    • AIと教育に関する北京コンセンサス(2019)

      はじめに「北京コンセンサス」とは、2019年に北京で開催された、UNESCOの国際会議で示されたものです。 ChatGPTなど生成AIについて、日本政府は、2023年5月11に『AI戦略会議』を開催しました(初回なんで顔合わせを兼ねて僅か40分!) この中で、教育に関して申せば、どうも(閣僚はもとより、自民党PTや内閣府などは、)UNESCO(2021)の「AIと教育」に関するこの3観点をご存知ないのではないか?というくらいに時代遅れで低質な話を議題の一つに持ち出しているよ

      • 学校教育関係者のためのAI×教育(4)

        前回(3)、前々回(2)と、ユネスコ資料の中で、「AI とはなにか?」を知るための第2章について述べていきました。 今回は、第2章後半の内容(下の目次の2.4〜2.7まで)について述べていきます。前回、第2章の前半を記した(3)はこちら。 資料の目次はこちら。 0. 前説(シンギュラリティとは?)AI というと、 「人間にとって置き換わる機械」 「人間を滅ぼす可能性のある機械」 「人間を堕落させる機械」 といった話が、日本国民には幼い頃より、漫画やアニメ、SF小説やSF映

        • 学校教育関係者のためのAI×教育(3)

          (2)では、UNSECOの資料の第1章『はじめに』と第2章の『政策担当者のためのAIエッセンス』のうち、2.1『AIの学際的性質』を紹介しました。今回は、第2章を2.2から、さらに読み進めます。 1.『AI技術についての簡単な説明』第2章は、『AI技術についての簡単な説明』(AIとはなにか)です。 社会の各業界には、それぞれの専門用語があります。AIに関しても、 研究ーITエンジニア業界の用語がふんだんに出てきます。 教育政策担当者や学校教育関係者が「AIの専門性が深い」

        UNESCO "AI Competency Framework for Students"を読む(0)準備

          学校教育関係者のための AI×教育(2)

          (1)でお伝えしたように、 UNESCO(2021)の、 https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000376709 こちらの資料。 目次はというと、和訳(仮訳)するとこんな感じです。(長いです) まずは、「1. はじめに」ですが、書き初めは、懸念から始まっています。 1. AIと日本の学校教育での最近の流れスマートフォンのパーソナルアシスタント(Siriとか、OK Googleとか)や、カスタマーサポートのチャットボット、娯楽

          学校教育関係者のための AI×教育(2)

          学校教育関係者のための AI×教育(1)

          はじめに2023年の2月頃から、 「ChatGPTの登場による学校教育への影響」 「ChatGPT使って授業しちゃうぜ」 といった話が、SNS上で、学校なり教員界隈でチラホラ出て参りました。 さらには、3月・4月に入りますと、大学においても 「学生の皆さんへ」 ということで、発表が続々と出され、 「ChatGPTと適切にお付き合いしましょう」 「あん?ChatGPT使ったらあきまへんで」 などと、マスコミに取り上げられるようになりました。 学校教育関係者にも、様々な意見があ

          学校教育関係者のための AI×教育(1)

          「ごんぎつね」で煮た何かはなにか?

          はじめに7月30日は、「権狐」(ごんぎつね)の原作者、新美南吉の109回目の誕生日でした。 新美南吉研究で有名である愛知県半田市の「新美南吉記念館」では、お祝いの行事が開催されたようです。 奇しくも、そんな日に、Twitter界では「ごんぎつね」がトレンド入り。 きっかけは、次の文春さんの記事でした。 新美南吉は、29歳で咽頭結核が原因で夭逝するのですが、臨終の間際に、 と語ったとのこと。 奇しくも、誕生日にTwitterにおいて、さまざまな解釈が飛び交いました。 「ご

          「ごんぎつね」で煮た何かはなにか?

          STEAM化ごんぎつねーごん生存ー復刻

          小学校4年生の国語で習う、国民的物語「ごんぎつね」。 兵十氏が「ごん」を火縄銃で撃ち Bad End で終わる悲哀なストーリーで… という感覚に陥りがちとなりますが、よく読んで見ましょうね。 こだわりの「ごんぎつね」ラストシーン。 (フルストーリーを読みたい方は、青空文庫でどうぞ。こちら) ラストシーンの描写は、 「ごん」が撃たれる    ←記述されている 兵十氏が「火薬を詰めた」 ←までは記述されている ですが、 「弾を込めた」 とは、一言も書いてないんですよ! です

          STEAM化ごんぎつねーごん生存ー復刻

          #STEAM化ごんぎつね 〜現場検証〜

          はじめに Twitterなどで拝見しておりますと、国民的教材「ごんぎつね」が、今年も小学校4年生の国語で取り扱うピークが過ぎたようです。  板書の提示であったり、各学校、各先生方、様々な工夫が見て取れますが、なぜか、『ごん生存!』という扱いはされずに、国語では授業が行われたようです。  Twitterでは、音読(Youtubeなどとの連携、子どもが宿題で読んでる)の記載や、上述の通り、学校での授業実践の様子、舞台となった愛知県半田市の矢勝川沿いの彼岸花の風景、などが主ですが

          #STEAM化ごんぎつね 〜現場検証〜

          #STEAM化ごんぎつね 現地調査その1

          念願かなって、「ごんぎつねの聖地」愛知県半田市に行ってきました。 まずは、新美南吉記念館へ。 ネタバレになるので、館内の写真は控えます(笑) ぜひ、安全と健康にご留意され、ご来館ください。 今回のおよその行程は、こんな感じでした。 (追跡機能を使わなかったので、実際に歩いた場所とは、一部かけ離れます。さらにあちこち写真を撮ったり、出会った地元の方々にお話を聞いていたりしたので、所要時間は2時間半程度でした) 半田市の岩滑(やなべ)地区+阿久比町の植村地区、まさに、ごん

          #STEAM化ごんぎつね 現地調査その1